のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

小樽商科大学 4

2009-07-09 | 小説 忍路(おしょろ)
 列車を待つ間も、電車の中にあっても、終始心は晴れなかった。  里依子はなるべく私といたくないと思っているのだろうか。そんな考えがいくら否定しても湧き上がってきて私を悩ませた。  列車がいよいよ小樽に着くころになって、私はもう一度伊藤整の本を取り出し、これからの道順を考え始めた。  私の前に札幌からずっと一緒に座っている若い男女がいた。二人は私のことなどまるで意識もしていないようだったが、私の方は . . . 本文を読む
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