のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

小樽商科大学 10

2009-07-15 | 小説 忍路(おしょろ)
 ペンキのはげ落ちた板壁の向こうは、死んだように空気が淀んでいた。歩くと古びた板張りの廊下が大きな音をたてて四方に響き渡った。  その廊下は狭く、直線に通っていた。廊下に添って教室が並び、その教室の入り口は釘や南京錠で止められて、中に入ることができなかった。  それでも、戸の開くところがあって、覗けばそこは意外にも小さな、小学生が使うような教室だと思われた。埃にまみれて机や椅子が雑然と転がり、長 . . . 本文を読む
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