のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

塩谷 1

2009-07-23 | 小説 忍路(おしょろ)
   再び小樽の駅についた私は、伊藤整の生家のあった塩谷に行こうと思った。時刻表をみると二時過ぎまで列車がないことが分かった。駅の時刻は一時を回ったところであったので、私は少し逡巡してタクシーを拾うことに決めた。  小樽の駅前には国道が並行して走っており、その道路標識には駅から左の方向、つまり小樽商科大学とは反対の方向に蘭島、余市と表示されていた。塩谷はその蘭島よりも手前にあるはずだった。車は多く . . . 本文を読む
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