のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

塩谷 6

2009-07-28 | 小説 忍路(おしょろ)
男が前を通り過ぎようとしたとき、私は軽い会釈をして伊藤整の生家のことを聞いてみた。  「家はもうないがね、その文学碑ならこの上だ。」  彼は今しがた私が歩いて来た道を指して言った。私が、そこから来たのだが判らなかったと言うと男はさらに詳しく説明してくれた。彼が指さすところに、ちょうどタクシーが止まった道路があり、そこに電柱が立っていた。その電柱から左へ、つまり小樽の方向に戻って4本目の電 . . . 本文を読む
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