「輪島漆器販売義援金プロジェクト」は、義援金をお渡しすることだけを目的とせず、失われていく文化への鎮魂の意味もある。
【特集】能登半島地震|壊滅的被害を受けた輪島塗を救う 糸魚川のヒスイ職人の挑戦【新潟・糸魚川市】スーパーJにいがた5月16日OA
ボランティアに行けない人でも参加でき、被災者と共にひとつの目標にむかうプロセスがないとダメで、これが内実として必要なのだ。
だから被災者にも汚れ落としなどのお手伝いはしてもらう。
往時の漆器職人への敬意、被災家族のご先祖供養といった共感(無自覚であったにしても)がないと、このプロジェクトに興味は湧かないと思う。
災害関連ゴミとして処分されるモノいわぬ漆器にもモノガタリがあり、この声なき声こそ「文化」の本質とわたしは考えている。が、震災で生活様式がかわりひとつの「文化」が失われることはやむを得ない部分もある。
アイヌ民族の熊送りの儀式イオマンテは、食料となる熊のイノチをあの世に送り、再びこの世に還ってくることを神々に願うマツリであり、本州の縄文遺跡からも動物や家、壊れた道具類をあの世に「もの送り」をしていたことが伺える。
「輪島漆器販売義援金プロジェクト」も、被災者のご先祖が子孫に遺した漆器をバトンタッチ(もの送り)して、義援金として還ってくる儀式のようなもの。
取材してくれた人にそのことを伝えると、「捨てるのはもったいない漆器を売って義援金にするボランティア」という理解から、「多くのモノガタリ(文化)が失われていくことへの鎮魂」なのだと共感してくれる。だからみなさん取材予定時間を大幅にこえて熱心に取材する。
昨夜に放送されたUXテレビの県内ニュースは、取材時は3分尺と聞いていたが、放映は8分強と倍になったのは、編集デスクも大いに共感してくれたものか?来週の能登行きに同行取材して、次はもっと長い番組をつくってくれるそうだ。共感はチカラ!
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