採取地が崩落などで入手困難になった希少なタイプのヒスイがあり、10年後にはますます流通しなくなっているだろうに惜しげもなく売られている。
個展はヒスイ職人にとって祭りみたいなもんだから、普段はつかわないイリコンや半透明の緑系のヒスイも使っちゃう!
世阿弥さんの「秘すれば花」よろしく、私は希少タイプの原石は在庫していても個展や特別なお客さんの時にしか作品化することはなく、ふだんはありふれたヒスイで作品作りをしている。
ありふれたヒスイ製品は売れないからと、ロウカン質(半透明の緑色のヒスイ)を求める業者は多いが、ありふれたヒスイでも見事な勾玉!と買ってもらえる努力を続けていかないと、10年後はどうなるのだ?
美術家や好事家から立体造形物として評価される技術と文化的存在物として認識されるヒスイ加工が、いまの糸魚川にあると言えるのだろうか?県外のバイヤーから「糸魚川は素人の集まり!」と言われ、悔しい想いをしたことあるのだ。
少なくとも自分の代だけ儲かればいいという考え方は見直して、10年後、50年後、100年後を見据えて欲しいもんである。
個展用に作った勾玉に、3年ほど前に買ったまま秘蔵していた青ヒスイの代表であるイリコン(入りコン沢の略)があった。
バレル研磨で艶だしをしたイリコンには心は動かなかったが、手研磨したら透け感のある地に青が浮かびあがって驚いた。
素材のもつ美しさを引き出すには、やっぱ手作業ですな。
#糸魚川翡翠 #糸魚川ヒスイ #ぬなかわヒスイ工房 #勾玉 #イリコンヒスイ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます