世界に衝撃が走ったビギニ環礁の水爆実験。
人類滅亡の危機を感じた映画人たちは、奮い立った。
黒澤明は、壮年期バリバリの37歳の三船敏郎を老人役に起用して、「生きものの記録」を撮った。
新藤兼人はビキニ近海で被曝した清水港のマグロ漁船を題材にセミドキュメンタリータッチの「第五福竜丸」
そして水爆実験の申し子の「ゴジラ」
ゴジラは戦前のアメリカのSF映画「キングコング」をモデルにしているとは聞いていたが、なんと粗筋そのものが同じくアメリカ映画「原子怪獣現る」と瓜二ついうことを知らなかった。
ゴジラはアメリカでも大ヒットして、現在も熱烈なファンがいるらしいが、著作権問題はどうなったのか?と余計な心配をしてしまう(笑)
この映画は、ゴジラ公開の前年に公開されたアメリカ映画で、北極圏の原爆実験により、1億年の眠りから覚めたリドザウルスがニューヨ-クに上陸して暴れ回る。
検索したらニコニコ動画で無料視聴でき、最初はバカにして観ていたのだけど、人形アニメと実写をコラージュした映像が大変に美しく、また実際に怖かった。
ゴジラのように人間が入って演技する着ぐるみは、それなりに動きはリアルだが、人形をコマ割り撮影していく人形アニメは、動きがぎこちない分、なんだか悪夢を観ているようで逆に怖いと思う。
その点はCGを駆使した「ジェラシック・パーク」は、速度感と画像解読が脳の処理能力に追いつかず、ビックリすることはあっても怖さの実感は人形アニメが一番深く、人間サイズといえるのではないだろうか。(個人の感想ですW)
特に唸ったのは、当時の近代兵器バズーカ砲(笑)が有効であるものの、飛び散った血しぶきから未知のウイルスが拡散して、兵隊たちが倒れていく演出。
この点は放射能を口から吹くゴジラより、リアル。
決戦はコニーアイランド・・・1発しかない秘密兵器の射手として指名される兵隊役が、若い頃のリー・ヴァン・クリーフさん!
サントリーオールドのCMに出ていた、怖そうな顔をした非情のガンマン役や殺し屋役が多かった俳優だが、無表情に淡々と怪獣に照準する狙撃兵の存在感が、名優の片鱗を漂わせています!
興味のある方、「原子怪獣現る」を検索してみてください。
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