ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

ラッセル&ケリケリ行2回目:ストーンストアとケンプ・ハウス

2014-09-09 | 旅行
ケリケリと言ったら、まず思い浮かぶのが

ストーンストア
1836年に完成した現存するNZ最古の石造りの建物。
設計は宣教師のジョン・ホブス
建設はオーストラリアの囚人、ウィリアム・パロット

・・・・という組み合わせが、なんとも時代ですな


当初は宣教師たちの食物貯蔵庫として造られたものの
ほとんどの期間はカウリガム(樹脂)取引にリースされていたそうな。
中で製粉も行われていました。

1階は無料の展示とおみやげコーナー
2階は入場券が必要な博物館になっています。

2階の様子


前に来たときはなかったと思われるコレ
ちゃちゃっとノースランドの歴史を巡ることができます。

19世紀初頭のコロラレカ(ラッセル)の様子
火縄銃が主要取引品目となり、ジャガイモとイノシシで
代金が払われ、その時々の相場で量が決まっていたそうな。


マオリに銃が行き渡ると、グーンと値崩れしました。
今のコモディティー相場と一緒


NZ建国の礎となったワイタンギ条約

1840年調印
マオリのチーフたちが続々と署名


しかし、これが後に物議を醸しNZは内戦状態に。

ラッセルのフラッグスタッフ(国旗掲揚台)は
マオリの有力チーフ、ホネ・ヘケらに4回も切り倒されました。
(※この話はコチラでも)



ストーンストアのすぐ裏手にあるのが

宣教師の住居だったケンプ・ハウス
これまた現存するNZ最古の木造建築
1822年完成


そうなんです

NZ最古の石造りと木造の建物が隣り合っている
ケリケリに来たら、やっぱり寄らなきゃ!な場所


ケンプ・ハウスはストーンストアとの共通券で入れます。

本当はガイドツアーのみだったのですが、閉館間近だったので
自由に見せてもらえました


1階のパーラーと呼ばれる

客間


ピアノもあります。

大勢の人が出入りしたんでしょうね。


家具もすべて当時のものだそうです。

間違いなくカウリでしょう。美しい


こんなに可愛いオモチャ発見

ノアの箱舟は永遠に好きなテーマ


キッチン



これは増築されたものだそうで

以前は外に離れとしてあったそうです。


母屋とつながったことで、どんなにラクになったことでしょう。



「雨の日とかね。」
と言ったら、スタッフに、



「水汲みもよ!1歩でも川に近いほうが助かったでしょう。」
と言われ、当時の食事作りの重労働に感服!

そこまでタフじゃないと、宣教師や入植者の妻は務まらない?


ブレックファスト・テーブルか?

奥にダイニング・テーブルが見えます。


寝室の様子



子ども部屋



マスターベッドルーム

板を張っただけの壁
いくらノースランドとはいえ、冬は寒かったでしょうね。


私はなぜかこんな空間がデジャヴュな気がしてなりません。

質素な木造の家
板張りの床と壁


小さな窓と小さなドア

窓に翻るカーテン


特に外の明るさと中の暗さのコントラストが

無性に懐かしい
前世のどこかで囚人だったのか?(笑)


日本やヨーロッパでそんな想いに駆られたことはなく

欧米かぶれも欧米コンプレックスも全くなく、
ただただ1、2世紀前のコロニアルなものに懐かしさを覚えます。


開拓民として新天地に漕ぎ出し、苦労して新生活を築いたのか?
使用人として出入りしていた現地の人だったのか?

なんとなく前者だったような気がします。


本国イギリスにはまーったくピンと来ないのに、
香港、シンガポール、NZと大英帝国の植民地を渡り歩いているのも
偶然ではないかも


いつか自分の来し方を知ることがあり、呆けた白黒写真の中に
粗末な恰好をした(絶対に労働者階級だったはずなので)
自分を見つけることが、死ぬまでのささやかな夢です。


目の前に広がるストーンストア・ベイシン(湖)

と言ってもここは川幅の広くなった川の一部のような地形。


去年食事をした、ペアツリー・レストラン



この裏手の高台はかつての有力マオリのホンギ・ヒカのパ(集落)で
ヒカの庇護のもと、ケンプ・ハウスは完成したんだそうです。
木造の建物はマオリと入植者や政府軍との戦いの中で消失しており、
ケンプ・ハウスは1820年代の火縄銃戦争を生き残った
唯一の木造建築なんだそうです


ケンプ・ハウスの裏のガーデン

果物の木もたくさんありそう。


これはブドウでは?



ケンプ・ハウス裏の家

ここはカフェですが、オフシーズンは閉まっているよう。



ここは去年、私がすっ転んでしまった岩場



今年はフェンスがしてあり、

もう入れなくなっていました。
(※転倒者続出????)


立派な橋があるので

これを使え、と


岩場はカモメ専用に



セントジェームス教会



いつもここに来るのは遅い時間なので、次回は早めに来て
ヒカのコロリポ・パや復元されたマオリ村レワ村も歩いてみよう


(完)

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