欧介がオビ練をはじめるきっかけは、
アジリティーをはじめて、半年目くらいから、
競技会に出るたびに、脱走を繰り返すようになったからです。
この脱走癖はかなり重症で、
スタート地点に立って、首輪をはずすときは、
もう既に目は、いっちゃってる感じなのです。
何かのきっかけで、ハードルを跳んで順調に走れれば、
3席までには、入賞しているので、
いわゆる、競馬みたいに、時々大当たりが、あるので、
アジリティーにハマッテいって、しまいました・・・。
なんとか、コースを走れるようになりたいと、悪戦苦闘するなか、
欧介を6ヶ月の時から、見てくれて、アジも教えてくれたO先生に、
「服従をやりましょう!!」って、言われたのがきっかけです。
1年間、アジリティー禁止令が発令され、
o-mamaは、「何で??」って、ずーっと思いながら、
服従訓練に通っていたのです。
欧介は、O先生と歩く時は、楽しそうに先生を見上げながら歩くくせに、
o-mamaと歩く時は、あきらかにフテクサレテイル・・・。
ご褒美も先生から貰う時は、美味しそうに「頂戴、頂戴!!」って、感じなのに、
同じものをo-mamaがあげると、「ペッ、ペッ!!」って吐き出したりする。
いつか、アジリティーをやるため、頑張って、週1回ペースで通うものの、
あきらかに、o-mama自身フテクサレテいきました。
「オプデスのTT1を受けてみましょうか」
って、言う先生の誘いに、
「ぜ~ったい、無理です!!」って、答えたのは、言うまでもありません。
その後、先生の強行姿勢に押されて、出ることに決めましたが、
ある日の練習で、服従訓練のプロであるエキスパート達を前にして、
「私、服従訓練って、大っ嫌いです!!だって、つまんないんだも~ん。
はやくアジリティーやりたいなぁ」
と、のたまってしまいました。
その場の雰囲気は、かなりガックシムード・・・。
思ったことを口にしてしまうのは、o-mamaの悪いところでもあるのですが、
やってしまいましたよ・・・。
その日から、とりあえず、おとなし目にコツコツ練習する日々・・・。
TT1当日、「恥をかきに来たようなものなんだから、開き直ってやるよ~」
なんて、言いながら、受験することになりました。
練習での脚側行進は、トボトボ、クンクンお散歩状態です。
その欧介が、本番では、
o-mamaの顔を見上げて、楽しそうに歩いてくれました。
初めて、欧介と歩くことが楽しいと思った瞬間でした。
休止で、フラフラと立ち上がってしまったので、
結局落ちてしまいました。
オプのTT1で、欧介が初めて落ちた犬です。
しかし、この日を境に、欧介とo-mamaにとって、
服従訓練が楽しいものに変わったのです。
きっと、諦めながらも、コツコツと練習したこと、
開き直ることで、欧介に変なプレッシャーを与えなかったこと、
など、理由はいろいろあったのでしょうが、
欧介にとって、o-mamaが楽しそうだったことが、
一番のご褒美だったに違いないのです。
今は、服従訓練は欧介とo-mamaのライフワークです。
たぶん、o-mamaと一緒で、服従訓練嫌いの人は沢山いると思うのです。
特にジャックラッセルは本能が強い犬です。
指示されたことをするのが苦手だし、
独立犬が、多いので、かまってもらえなくても、
一人で遊べます。
その犬が持つ本能は、作業意欲に繋がる大事なものです。
でも、本能が強いからといって、それを伸ばすだけで良いかっていうと、
実際には、人と生活するうえで、問題行動と言われてしまう場面が多いのです。
o-mama自身、欧介や他のジャックラッセルの持っている本能に
素晴らしい魅力を感じます。
その、本能は時に美しささえ感じさせてしまうくらいです。
でも、その本能は、人間のために作られてきた本能なのです。
o-mamaが、本能より、さらに魅力を感じるのは、
作業犬として、犬たちが仕事をする姿です。
傍らに、いつも寄りそう、犬がいること。
人間の都合を押し付けてはかわいそう、って、意見もあると思いますが、
犬は、人間のパートナーとして改良されてきたのです。
寄り添える、信頼できるパートナーを犬自身が探しているのかもしれません。
信頼して仕事を依頼してくれるオーナーを探しているのではないかと思います。
欧介は、オビ練をしている時に、幸せそうな顔をします。
次の指示が待ち遠しくて、ワクワクしている顔も見せます。
山や、森の中で、何か見つけて追ってしまっても、
深追いせずにこちらの指示を聞いて、戻ってくることも出来ます。
欧介が飽きるまでとか、疲れるまでとか、
暗くなって帰れなくなってしまうまで、待たなくても良いのです。
このことは、決して本能が薄いからではないと思うのです。
作業犬だったら、当然のことだと思うのです。
考え方を変えると、服従訓練も悪くないなぁって、思ってもらえるのかな?
もちろん、アジリティーの脱走も服従訓練のおかげでなくなりました。
実際には、書いてある以上に、オビとアジでは、悩むことになるのですが・・・。