お散歩をしていると時々出会う「激吠えのワンコさん」
ある一定の距離を超えると、吠えだす。
その吠え方は、もうどうにもならないくらい昂奮して、くるっと回ったり、吠えたり、唸ったりと
大騒ぎな状態なのだ。
飼い主さんが事前に気付くと道を引き返したり、変えたりするのだが、
こちらが道を曲がった瞬間に遠くに見つけてしまうと、なんだかこのまま進むと
飼い主さんも困るだろうし、犬もしなくてもいい昂奮をしてしまうと思うと、
なんだか気の毒で、早々に道を変えたりして、気を使ってしまうのだ。
最近のこの激吠えのワンコさんの飼い主さんを観察していると、
とりあえずウチのワンコ達が吠えないので、気づいても道を変更しなくなった。
そして、遠くからジッとこちらを見つめている。
ワンコは最初気づいてなかったりして、匂い嗅ぎをしたりしてるのだが、
ある時点で、こちらに気づくと、明らかに身体を硬直させて、臨戦態勢にはいるのだ。
飼い主さんはそんなワンコの様子に緊張しながら、ワンコの見ているこちらを見て、
何やら話しかけている。。。
たぶん、「吠えないのよ」とか「大丈夫よ」とか、
もしかしたら「おりこうさんでしょ」とか言ってるんだろうな~。
心の中は、「今日は大丈夫かしら?」「吠えないかしら?」「スルーできると良いんだけど」
なんて、祈りの気持ちでいるんだろうなぁ。。。
だけど、ある地点を過ぎると、飼い主さんの祈りは敢え無く撃沈。。。
吠えに吠えたワンコを抱きかかえて、すまなそうに去って行ってしまう。。。
気の毒だけど、慣れてなんとかしようと思っているのは、間違いです。
そして、そのときのワンコの気持ちを声にしてみましょう。
「この匂い、好きなんだよね~ルルン♪」(匂い嗅ぎ中、これから起こることに気づいてません)
「ねぇ、かあちゃん??」(飼い主さんが見てる方向に気づく)
「どこ見てんの?」
「えーっ??前から犬がきてるーっ!!」(ちょっぴりビビる)
「かあちゃん、あいつら気付いてないかもよ~」
(かあちゃんも見てるし、大丈夫って言ってるし、おれ大丈夫かも。。。)
「かあちゃん、行くのか?(自信)、、、行っちゃうの?(自信喪失)」
(限界距離を超えて)
「うわ~っ、かあちゃ~ん、ど~すんの~、うぎゃ~、こわ~~~」(激吠えの瞬間)
(抱っこされて)
「うぎゃ~、もっと早く抱っこしろ~って言っただろうがっ!!このボケ~~」(さらに激吠え)
ここで、重要なのは、飼い主さんの視線なんですね。
視線を注ぐのは、前から来る犬じゃなくて、ご自分のワンコさんなんですね。
ワンコさんの身体、特に背中をみていれば、前から犬が来たことも、
興味のあるものが寄ってきたことも、わかります。
以前、外国人講師の犬のボディーランゲージを習う講座に参加なさった方の話を聞いて、
ビックリしたことがあります。
犬の身体の変化で、遊びモードか、攻撃モードか、リラックスしている状態なのかとかを
写真を見ながら説明をくわえるという内容だったそうなのですが、
犬に関しては経験豊富な方だったので、「それって、習うようなことですか?」
って勇気を持って((笑)、聞いてみました。
「私たちにはわかるようなことでも、犬飼い初心者の方や、
訓練やアジリティーなどしていない方にとっては、わからないこと、知らないことなのだから、
分かりやすい説明が必要なの」
確かに、最初は私もわからなかった。
「犬を見て!!」ってよく注意されたものです。
「犬を見てれば、それが飼い主の目になるから!!手に取るようにわかるようになるから。」
お散歩の時に、欧介を見続けてたら、電柱に激突したことがあります。
穴に落ちたこともあります。川に、はまったこともあります。
でも、とことん欧介を見続けたら、本当に前を見る必要が無いと思うようになりました。
欧介を見ていることで、身体の緊張で前から犬がやってくることもわかるし、
なによりも、一瞬の変化を見逃がさなくなったので、
興奮しまくってから、対処するということが減ったのです。
犬が相手が何か認識する前に、犬をこちらに向かせる、呼び戻すことが必要なんです。
「はっ、」と犬が思った瞬間にコンタクトをとることで、無駄な興奮を抑えることができるんです。
大体の場合、興奮し始めてから、名前を呼んだり、様子を見たりし始めるんですね。
これでは、遅いんです。
その時の状況、理由、理屈、「こうだから、こうなった」とか、「過去にこうだったから」なんて
考えてる必要はないんです。
注意深くご自分のワンコさんを観察して、見てあげてください。
状況を克服するのは、ワンコじゃなくて飼い主さんなんです。
だから見逃さないように、注意深く犬を見る。
今でも、お散歩の時、私の視線は、欧介と蒼太をみています。
彼らが何に興味を持ち、何に反応し、何を楽しいと思っているのか、
その行動が始まる一瞬を見逃がしたくないですからね。
問題行動の抑制と言うよりは、楽しいことに乗り遅れたくない飼い主でした。