旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

金胎寺

2017年12月29日 | 旅 歴史
 京都府相楽郡和束町(わづかちょう)原山に金胎寺(こんたいじ)があります。
 金胎寺は標高682mの鷲峰山(じゅぶせん、じゅうぶさん)の山頂近くにあります。天武天皇の白鳳4年(676)に役小角(えんのおづぬ)の開創といわれています。その後、聖武天皇の勅願寺となりました。吉野の大峰山に対して北ノ峰と呼ばれ修験の行場・道場として栄えました。
 永仁6年(1298)には伏見天皇が金胎寺に行幸され、勅願により多宝塔が建てられました。この多宝塔は戦乱をくぐる抜け、国の重要文化財に指定されています。元弘元年(1331)、笠置へ向かう後醍醐天皇が立ち寄り、そのために北条氏から焼き討ちされ、寺は衰退したそうです。
 最盛期には「東塔」「西塔」が建立した広大な山内に58もの塔頭がある大伽藍を誇りました。しかし戦乱や出火で荒廃しました。康安元年(1361)に再建されましたが、永正15年(1518)に再び焼失しています。現在の堂宇の多くは江戸時代に再建された建物です。
 金胎寺は寺全体が国の史跡に指定されています。永仁6年(1298)建立の多宝塔、正安2年(1300)の銘がある石造宝篋印塔、鎌倉時代の木造弥勒菩薩坐像、銭弘俶八万四千塔などが国の重要文化財に指定されています。

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