旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

醍醐寺五重塔

2019年07月31日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐東大路町に醍醐寺(下醍醐)があります。
 昭和26年(1951)に国宝に指定されている醍醐寺の五重塔は平安時代の天暦5年(951)に建立された、京都で最古の木造建築です。承平元年(931)、前年に亡くなった醍醐天皇の冥福を祈るため、第3皇子の代明親王が発願し、穏子皇太后の令旨で建立が計画されました。
 ところが代明親王が承平7年(937) に亡くなったりしたため途中で工事は中断し、20年後の天暦5年(951)村上天皇の時に完成したのでした。本瓦葺き、三間五重塔婆で、高さは38mあります。相輪部が12.8mもあり、全体の3割を占めています。屋根の逓減率が大きく、塔身の立ちが低いため、下から見上げた時、あまり高いようには感じられません。天正13年(1585)の地震で、軒が垂れ下がるなどのダメージを受け、豊臣秀吉に援助を仰ぎ、慶長3年(1597年)に修理をしています。 昭和25年(1950)の台風でも被害を受け、10年後の昭和35年(1960)に修理が完成しています。
 五重塔の木割りは太く安定感に富み、塔の初層内部の羽目板には両界曼荼羅と真言八祖を表した見事な壁画が描かれているそうです。この極彩色の壁画は日本密教絵画の源流をなすものといわれ五重塔とともに国宝に指定されています。真言八祖像にある空海像も、現存する空海の画像としては日本最古のものです。

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清瀧宮拝殿

2019年07月30日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐東大路町に醍醐寺(下醍醐)があります。
 清瀧宮拝殿は五重塔の手前、清滝宮本殿と新伝法学院の間にあります。永長2年(1097)に上醍醐の清滝宮から分社して祀られた拝殿は焼失し、慶長4年(1599)に再建された建物です。上醍醐の清瀧宮拝殿は国宝に指定されていますが、下醍醐のここは人もまばらです。

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醍醐寺清瀧宮本殿

2019年07月29日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐東大路町に醍醐寺(下醍醐)があります。
 醍醐寺の清瀧宮(せいりゅうぐう)本殿は室町時代後期の永正14年(1517)に再建された建物です。醍醐寺の総鎮守である清瀧権現を祀る鎮守社です。永長2年(1097)、最初に上醍醐に建立された清滝宮本殿の分霊をここ下醍醐にも移して祀りました。
 清瀧宮本殿は文明2年(1470)の兵火により焼失し、現在の社殿は永正14年(1517)に再建された建物です。三間社流造り、檜皮(ひわだ)葺きで、昭和29年(1954)に国の重要文化財に指定されています。

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醍醐寺西大門

2019年07月28日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐東大路町に醍醐寺(下醍醐)があります。
 醍醐寺の西大門は豊臣秀頼が金堂再建の後、慶長10年(1605)に再建した建物です。仁王像を安置しているので仁王門とも呼ばれます。当初は東大門、南大門、西大門の3つの大門があったそうです。入母屋造り、本瓦葺きの三間一戸の楼門で、昭和59年(1984)に京都府の有形文化財に指定されています。
 西大門に安置されている仁王像は、南大門にあった仁王像で、豊臣秀頼が醍醐寺再興の際に修理し、慶長10年(1605)に移されています。平安後期の長承3年(1134)に仏師勢増・仁増によって造られたことが醍醐雑事記に記されています。平安時代の仁王像で、造像年のわかるものは本像と京都峰定寺像(1163)の2つだけで、国の重要文化財にも指定されています。

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醍醐寺総門

2019年07月27日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐東大路町に醍醐寺(下醍醐)があります。
 醍醐寺の総門は醍醐寺の正面玄関になります。総門から伽藍の正門となる西大門までの参道は「桜の馬場」と呼ばれ、桜の名所となっています。総門をくぐると、左側に三宝院、右側に霊宝館があり、無料で散策できる通りになっています。

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醍醐寺黒門

2019年07月26日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐東大路町に醍醐寺(下醍醐)があります。
 黒門は醍醐寺境内にある小さな門です。黒門から霊宝館や三宝院方向に桜の並木が続いています。黒門の外側には太田垣蓮月の萱葺きの仮寓跡があります。蓮月は、江戸時代後期の尼僧で、歌人、陶芸家として有名です。自分の焼き物に、自分が詠んだ和歌を入れ「蓮月焼」として、京みやげに出したそうです。

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醍醐寺

2019年07月25日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐東大路町に醍醐寺(下醍醐)があります。
 深雪山(みゆきさん)醍醐寺は醍醐山全山を寺域とする京都屈指の大規模寺院です。真言宗醍醐派の総本山で全国に千もの末寺を持っています。伽藍は広く、山上の上醍醐と裾野の下醍醐に分かれ、80余りの堂塔が立っています。下醍醐には 塔頭(たっちゅう)の三宝院があり、有名な醍醐寺座主を輩出しました。
 貞観16年(874)に修験道中興の祖である聖宝(しょうほう)・理源(りげん)大師が醍醐山中に准胝(じゅんてい)、如意輸(にょいりん)の両観音像を安置し、山岳仏教の道場を開き、准胝堂、如意輪堂が建立されました。そして聖宝のあとを継いだ観賢が醍醐・朱雀・村上3帝の信仰を得て、延喜7年(907)に薬師堂が建立されました。
 五大堂が完成する頃には上醍醐の伽藍が整いました。引き続いて下醍醐の諸堂の建立が始まり、延長4年(926)に釈迦堂が建立され、天暦5年(951)に五重塔が落成し、下伽藍の寺観が整えられました。しかし文明2年(1470)、兵火によって五重塔を残し、ほとんどの堂宇が焼失しました。
 醍醐寺80世・義演(ぎえん)は豊臣秀吉に醍醐寺再興の助力を仰ぎました。慶長3年(1598)、秀吉は醍醐の花見を催すなどして堂宇の再建に力を注ぎました。花見の準備に1年もかけたそうです。江戸時代、徳川氏も当寺を保護し、寺領などを寄進しています。
 醍醐寺は平成6年(1994)に「古都京都の文化財」として「世界文化遺産」として登録されました。境内は特別名勝・特別史跡に指定され、6棟の国宝、10棟の重要文化財の建物があります。下醍醐には、国宝の五重塔、金堂をはじめ清龍宮本殿、不動堂、真如三昧耶堂、祖師堂、観音堂、弁天堂、女人堂などが点在しています。

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上醍醐陵

2019年07月24日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐醍醐山に上醍醐があります。
 上醍醐陵(かみだいごのみささぎ)は上醍醐山頂の開山堂の近くにあります。白河天皇の皇后であった藤原賢子、その娘で堀川天皇の皇后のてい(女へんの右に是)子内親王、加茂の斎院になった令子内親王が葬られています。また鳥羽天皇の皇女禧子内親王も一緒に葬られています。

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上醍醐白山大権現

2019年07月23日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐醍醐山に上醍醐があります。
 上醍醐にある白山大権現は如意輪堂と開山堂の間に建てられています。上醍醐でもっとも高い場所に3つの社殿が並んでいます。白山権現は山岳信仰の神仏習合の神です。祭神は白山比咩神または菊理媛尊(くくりひめのみこと)。 菊理媛尊が喧嘩するイザナギとイザナミを仲裁したことから、人と人の縁をくくるとして縁結びの神様として知られています。

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上醍醐開山堂

2019年07月22日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐醍醐山に上醍醐があります。
 上醍醐にある開山堂は上醍醐最大の建物で、醍醐山頂、如意輪堂の隣にあります。醍醐寺を開山した聖宝・理源大師を奉安したお堂です。最初は御影堂(みえどう)といい、延喜11年(911)に理源大師の弟子、醍醐寺第一世・観賢によって建立されました。幾度の火災で焼失し、現在の堂宇は、慶長11年(1606)に豊臣秀頼によって再建された建物です。
 開山堂は間口8間、奥行5間、単層、入母屋造り、妻入、軒唐破風付、3間の向拝があります。側面前端の間の扉が縁(廊下)を途中で切断して、亀腹(かめばら)まで達しています。内内陣には、中央に醍醐寺開山聖宝理源大師像、左に真言宗宗祖弘法大師像、右に醍醐寺第一世・観賢像が奉安されています。開山堂は昭和29年(1954)に国の重要文化財に指定されています。

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上醍醐如意輪堂

2019年07月21日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐醍醐山に上醍醐があります。
 上醍醐にある如意輪堂(にょいりんどう)は聖宝・理源大師が上醍醐を開いた際、准胝堂とともに最初に建てられた建物で、醍醐山頂にあります。醍醐寺縁起では、貞観18年(876)に如意輪堂は創建されたようです。現在の建物は慶長11年(1613)に豊臣秀頼により再建されたものです。昭和29年(1954)に国の重要文化財に指定されています。
 間口5間、奥行3間、単層、入母屋造り、妻入り、こけら葺きの懸造りで、勾欄付廻縁が廻らされています。堂内には本尊如意輪観音とともに脇の間に毘沙門天、吉祥天が祀られているそうです。如意輪堂の堂下の岩には如意輪観音菩薩が飛来して立ったという伝承が残されています。

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醍醐寺五大堂

2019年07月20日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐醍醐山に上醍醐があります。
 上醍醐にある醍醐寺の五大堂は薬師堂の東にあります。醍醐天皇の御願により延喜7年(907)に薬師堂のあとに建立されたそうです。その後、火災に遭い、その度に再建されてきました。現存の堂は昭和15年(1940)に再建されたものです。五大力さんの信仰の中心で、鎮護国家を託され山上密教寺院の雰囲気を今に伝えています。
 五大堂の前に安置されているのは「理源大師像」です。堂内には木造五大明王像が鎮座しています。不動明王、降三世夜叉(ごうざんぜやしゃ)明王、軍荼利(ぐんだり)明王、大威徳(だいいとく)明王、金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王が五大明王で、国の重要文化財に指定されています。

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上醍醐薬師堂

2019年07月19日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐醍醐山に上醍醐があります。
 上醍醐にある薬師堂は清滝宮から山を少し登った所に建てられています。上醍醐伽藍の中央にあり、保安2年(1121)に再建された建物です。延喜7年(907)に醍醐天皇の御願堂として聖宝・理源大師により創建されました。上醍醐寺では最古の建物で、数少ない平安時代の遺構として、昭和34年(1959)に国宝に指定されました。
 薬師堂は間口5間、奥行4間、単層、入母屋造り、檜皮(ひわだ)葺きの建物です。正面の両脇間には連子窓が入れられ、正面の中央3間、左右側面の手前1間、背後の中央間には板扉がはめられています。全体に水平感を強調した落ち着いた建物で平安後期の気風をよく伝えています。
  本尊の薬師如来坐像は脇侍の日光、月光両菩薩とともに国宝に指定されています。理源大師が延喜7年(907)に弟子の会理僧都に造らせたといわれ、歴代聖帝が病気平癒を祈る度に金箔を貼り加えられたので、「箔薬師」の名がつきました。現在は霊宝館平成館に遷座され、薬師堂には新しい本尊として薬師三尊が祀られています。

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准胝堂跡

2019年07月18日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐醍醐山に上醍醐があります。
 上醍醐にある准胝堂は本堂にあたり貞観18年(876)の創建と伝えられています。何度か火災により堂宇は焼失しています。昭和14年(1939)の山火事で焼失し、昭和43年(1968)に、再建されていました。平成20年(2008)に落雷により再度焼失し、現在は准胝堂跡が残るのみです。

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清瀧宮本殿

2019年07月17日 | 旅 歴史

 京都府京都市伏見区醍醐醍醐山に上醍醐があります。
 上醍醐にある清瀧宮本殿は三間社流造りで、拝殿の奥の小高い山の上に建てられています。本殿は醍醐寺の総鎮守、清瀧(せいりゅう)権現を祀る宮で、昭和32年(1957)に再建された建物です。聖宝・理源大師が上醍醐を開いた際に、清瀧権現の霊託が下り、醍醐山本宮峰に降臨したといわれています。清瀧権現は、空海が中国の青龍寺から伝えたものですが、青龍に、水にちなむ「さんずい」が付き「清瀧」となったようです。

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