島根県・江津市の有福温泉は、今から1350年前に法道という僧侶が発見したという開湯伝説が残っている歴史ある温泉地で、山肌の傾斜地にへばりついた建物の隙間を縫うように石段の細い路地が伸びており、鄙びていながらも絵になる景色を作り出しています。
石段の路地が伸びる街並み
有福温泉には3つの共同浴場がありますが、今回紹介するのはそのうちのひとつ「皐月湯」です。石州瓦に格子窓という趣のある外観で、入口にはこの浴場が1928年に開かれたと書かれた説明板が掲げられています。中の造りは至ってシンプルでごく普通の共同浴場ですが、建物自体は立て直されてからまだあまり経っていないようで脱衣所も浴室も比較的清潔です。浴槽は御影石で縁取られたタイル張りで深めに作られており、源泉そのままのお湯が滔々と注がれています。湯舟に入ると大量のお湯がザバーっと溢れ出てゆく様はなんとも爽快です。
無色透明無味無臭で癖の無いお湯は、上品なスベスベ感と柔らかなサラサラ感があり、また湯口では比較的熱いお湯も浴槽では40℃程になっていて長湯仕様になっています。実際私はお客さんが誰も来ないことをいいことに、いつまでも長湯していました。とても上質なお湯で、長い間人々に愛されてきたのも十分に頷けます。
有福温泉の無料駐車場の目の前という便利な立地ゆえ、利用しやすい共同浴場です。
アルカリ性単純泉
47.1℃ 成分総量0.32g/kg (複数の源泉の混合)
島根県江津市有福温泉町 地図
江津市観光協会 有福温泉のページ
7:00~21:30 無休
300円
私の好み:★★