風光明媚なダム湖である北海道上士幌町・糠平湖の南岸に位置する糠平温泉は、大正7年に自然湧出の温泉が発見された北海道では比較的歴史のある温泉地です。「ぬかびら」とはアイヌ語で「人の形をした崖」という意味なんだそうですが、昭和30年にダムが完成すると旧来の温泉街はダム湖底に沈んでしまい、それ以降はダムの西側に位置するなだらかな丘に温泉街を移し、高原の別荘地を思わせるような整然とした姿に生まれ変わって現在に至っています。
今回紹介する「湯元館」は大正7年に温泉を発見した方が開業させた宿で、実際に訪れてみると確かに外観内部ともに年季が入っています。内湯は丸く大きな浴槽の真ん中に噴水のような湯口があって、そこから無色透明なお湯がたっぷり注がれ、ふんだんにオーバーフローしています。男湯の場合は内湯右手に露天風呂への扉があるので、そこを開いて外へ出ると打たせ湯の裏へ導かれる形となり、そのまま進んで階段を数段上がると混浴の露天風呂にたどり着きます。露天風呂の下には湖に注ぐ小さなせせらぎが流れており、森の深い緑の中から小鳥のさえずりも聞こえてとても爽快です。
上述のように無色透明のお湯はほとんど無臭ながら仄かに塩味が感じられ、肌をさすると弱めですがツルスベも感じられました。また露天風呂の岩の湯面付近には温泉成分が白く析出していました。
北海道ならではの自然を感じながらの湯浴みもよし、大正時代や昭和初期の湯治の様子を思いに馳せながらの湯浴みもよし、打たせ湯で凝りをほぐすもよし、いろいろと楽しめるお風呂だと思います。
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
59.2℃ 250L/min(自然湧出)
北海道河東郡上士幌町糠平源泉郷本通4丁目39 地図
01564-4-2121
ホームページ
夏季→8:00~21:00 冬季→8:00~20:00
500円
私の好み:★★