伊豆大島の三原山が噴火して全島民が避難するの事態になったのは昭和61年といいますから、今から23年前のことになります。この大島や近年噴火した三宅島などは、伊豆諸島が火山活動の活発な地域であることを我々に知らしめてくれます。
この三原山の中腹に一軒宿「大島温泉ホテル」があります。ここでは午後の特定の時間に日帰り入浴を受け付けてくれます。春の某日、三原山を登って火口を一周し(お鉢巡り)、一面火山灰の荒涼とした景色が延々と続く裏砂漠ルートをひたすら歩いて、汗を流すために「大島温泉ホテル」へ立ち寄りました。
建物はちょっと古めかしいのですが、中は綺麗に保たれており、従業員の方も快く迎えてくれました。脱衣所も浴室もとても広く、浴槽もちょっとしたプールのような大きさで、雰囲気としては昭和40~50年代を思わせる造りです。訪問時は客が私一人だけだったので、広い浴室と浴槽では却って落ち着かず、早々に露天風呂へ。ここは露天風呂が非常に素晴らしいのです。内湯から出る扉を開けてびっくりしました。左右前方の視界を遮るものが何一つなく、そのど真ん中に三原山がデンと構えているのです。これぞパノラマ。誰もいないのをいいことに、すっぽんぽんのまま三原山の雄大な眺めをずっと独り占めしていました。さっきまであの山の頂上にいて歩いてここまで来たんだと思うと、何だか不思議な気持ちになります。目下のツバキ林では小鳥がさえずり、大空は限りなく広く、そよ風が吹く裾野の向こうで三原山が静かに聳える、まさに大自然に抱かれた絶景の露天風呂です。
さてお湯についてですが、地下約300mから汲み上げられたお湯は無色透明無味無臭で、特にこれといった癖はありませんが、海水由来の食塩泉が多い大島にあって、まっさらなお湯が湧いているとは珍しいように思われます。癖の無いのが幸いして湯上りはさっぱりします。
三原山観光の際には是非立ち寄って、大島の地熱の恵みであるお湯に浸かりながら絶景のパノラマを堪能して、大島の自然を満喫していただきたいものです。
山頂から見下ろした噴火口
黒い火山灰の地が延々と続く裏砂漠地帯
山頂から裏砂漠ルートを降りてひたすら歩くと三原山温泉に辿り着きます
単純泉(5号井・6号井)(高温のため加水・放流式)
5号井:83.3℃ pH6.39 80L/min 成分総計0.806g/kg
6号井:69.3℃ pH6.34 108L/min 成分総計0.903g/kg
岡田港または元町港から三原山頂口行バスで18分、三原山温泉下車
大島バス ホームページ
東海汽船 ホームページ
東京都大島町泉津字木積場3-5 地図
04992-2-1673
大島温泉ホテル ホームページ
13:00~16:00及び18:00~21:00 無休
800円
私の好み:★★★