温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

岩間温泉

2009年05月19日 | 北海道
本記事は2009年5月19日付で投稿したものですが、あまりに貧相な内容であったため、2011年9月21日に画像を追加し、文面などを大幅に再構成しました。


※2016年現在、豪雨により林道が崩れ、湯船も崩壊してしまったため、アクセスも入浴もできないようです。


大雪山国立公園のど真ん中、原生林が果てしなく続く山中に、濃い硫黄のお湯がそこここから湧き出でる素晴らしい場所があります。


上士幌町市街から国道273号線を北上して幌加を通過すると三股橋という橋が現れます(橋名標識があります)ので、この橋から左に折れて音更川本流林道に入ります。


「熊出没注意」の注意に少々ビックリしながらダートをひたすら走行。意外と走りやすいかも。途中で突然出没するエゾシカとの出会いガシラの事故に注意。

 
数キロほどで途中Y字の分岐に突き当たりますが(画像左(上))、ここは左方に進んで御殿橋を渡ってください。画像右(下)に写っている看板の方へ進むとすぐに広い駐車スペースとなるため、そこに温泉があるものと勘違いしてしまうかもしれませんが、そこには特に何もないようです(かく言う私は初回訪問時にここで迷いました)。


橋の先は路面状態が幾分悪くなります。一部サイトではオフロード車でないと無理と説明されていますが、私は普通のセダンで問題なく走れました。悪路を突き進むと、やがて道が途絶えて「岩間温泉」とスプレー書きされた杭のある場所にたどり着くので、そこに車を停めここから先数百メートルは徒歩で進みます。


すぐに渡河するのですが、橋は無く、じゃぶじゃぶ川の中へ足を突っ込むか、川に架かった丸太の上を進むかのいずれかの選択となります。川幅も深さも結構あるので私は丸太で渡りましたが、丸太は手摺などなく足元も滑りやすいので肝を冷やします。なお、川の水が少ない時は、車高の高いオフロード車なら渡河できるみたいです。

 
緊張の渡河を終えて対岸(川の左岸)へ移り、森の中を数分進むと、視界が開け再び川が現れます。対岸(右岸)の崖の至る所から硫黄の温泉が湧き出し、線状に変色しているのが確認できます。
胸を躍らせながら再び丸太(こちらは手をかけるロープあり)で右岸へ渡ればようやく到着です。画像右(下)は丸太を渡った対岸から撮ったもの。

 
浴槽の傍にはちゃんと「岩間の湯」と書かれた看板が立っています。菰が立てられ、ちょっとした脱衣スペースが確保されていることも…。


お目当ての岩間温泉に到着です。

 
有志の手によって造られた浴槽は川に沿っていくつかあり、浴槽によってお湯の色が若干違います。まず石とモルタルでこさえられたメイン槽と思われる長方形の浴槽は緑がかった白濁のお湯が満たされており、一方その上流側にある丸い浴槽には無色透明のお湯が張られていました。無色透明の方が熱かったので、おそらく源泉の泉質や湯温の違いで色に変化がもたらされているのでしょう。

 
お湯は上述のように河岸の崖の至る所から湧き出しているので、そのお湯をそのまま黒いホースで浴槽へ導いています。ただ源泉のままでは熱すぎるので、やはりホースで川の水を入れて冷ましています。お湯からは強い硫黄の匂いと優しい酸味が感じられ、溶き卵のような白や黒の湯の花も大量に浮遊していました。湯の華が多すぎて若干鬱陶しいのですが、手付かずの雄大な自然の中で湧いたばかりの濃い硫黄泉に入れる喜びといったら筆舌に尽くしがたいものがあります。

私はここへ3度訪問していますが、初回訪問時は温泉の対岸の開けた場所でキャンピングしている御夫婦2組が先客として入浴されており、山菜の美味しい食べ方についての話で盛り上がっていました。私が冷や冷やしながら渡ってきた川も、オフロード車なら苦も無く渡れるようで、2組ともここまで車でいらっしゃっていました。
2回目と3回目はいずれも先客後客ともおらず、ひたすら独占できちゃいました。山奥でひとり全裸状態でいると、爽快であるのは確かですが、その一方で孤独感と恐怖感と無防備感に苛まれるのも事実だったりして…。でもこの素晴らしいお湯に入りたいから、そんなマイナス面やリスクなんてどうでもよくなっちゃうんですよね。

この岩間温泉はマスコミで取り上げられて有名になりましたが、交通の不便さが幸いしてか訪問客で賑わうようなことは無く、相変わらずひっそりとした秘湯であり続けています。


泉質不明(おそらく酸性硫黄泉)

北海道河東郡上士幌町三股 地図

野湯につき無料 24時間可 冬季到達困難

私の好み:★★★
コメント (8)
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