半年以上前ですが、信州・加賀井温泉「一陽館」へ行った時に撮った写真を載せます。
こちらには何度かお邪魔しており、いつも混んでいてとても撮影できる状況ではなかったのですが、その日は偶々殆ど他にお客さんがいなかったので、ちょこちょこっと撮らせてもらいました。
いつ行っても良い雰囲気です。湯治と外来入浴の二本に特化したお宿。受付で料金を支払うと、中から宿のお兄ちゃんが出てきて、(湯屋を指差し)これはとても古い建物だとか、泉質の影響で石鹸の泡が立たないだとか、日本でも他に類を見ない珍しい温泉だとか、効能だとか、入浴方法だとか、まさに立て板に水、早口で一気呵成に能書きをまくしたてられますが、何回聞いても耳に入ってこないのは、私の聴力が衰えているからなのでしょうか、それとも…。
ま、それはともかく内湯へ。
奥へ長い内湯。浴槽の長さは7メートルあるそうです。この湯屋は大正時代に建てられたんだとか。思わず息を飲みたくなるような時代の厚みを感じさせてくれますね。
確かカランは無いはず。桶で直接湯船からお湯を汲んで掛け湯するわけですが、浴室は奥の方へ向かって緩やかに傾斜しているので、排水の都合でその奥の方で掛け湯するのがこちらのルールとなっています。
湯口から絶え間なく、手が一切加えられていない源泉が投入されています。
浴槽の縁や湯口の樋など、お湯が触れるところは析出がコンモリと付着。長年の積み重ねが為せる業ですね。
浴槽のみならず、樹脂製の桶も温泉成分ですっかりコーティング。濃いお湯を見ただけで実感できるこうした道具類に、思わず興奮しちゃいました。溶存物質12240mg/kgという数値はやはり凄い。
加賀井温泉では1号泉と3号泉の2つが使われていますが、内湯に注がれているのは3号泉。橙色に強く濁り、お湯をよく見ると無数のコロイド粒子が漂っています。臭覚的には金気臭+土気臭+ちょっと油っぽい臭い、味覚的には金気味+土気味+(シジミ汁のような)出汁味+塩味+はっきりした炭酸味。炭酸ガスなのか、ちょっと気泡が付着。湯加減はちょうどよいのですが、なにしろ濃厚なお湯なので、長湯しなくても体力が奪われてヘロヘロになっちゃいます。
露天は混浴。スリッパを履いて一旦内湯の入口を出て、建物を廻って向かうことになります。専用通路はないので、普通に外へ出るのです。男性ですとタオルで前を隠しちゃえば何とかなりますが、結構歩きますので、女性だと一旦着替えるかバスローブ的なものを羽織らないと厳しいかも。
露天へ向かう途中、湯屋の裏では源泉が井戸の枡の中でボコボコシュワシュワと音を轟かせながら、もの凄い勢いで湧いています。
露天風呂の浴槽は二分されています。一方は1号泉のみが投入されており、橙色が濃くて内湯よりも更に強く濁り、ちょっとぬるめ。もう一方(湯屋側)は1号泉と3号泉の混合で程良い湯加減となっており、このため露天風呂に入るお客さんの多くはこちらを選択します。古くて味わい深いのですが、全体的に老朽化が激しく、排水もよろしくなく足元はビショビショなので、清潔好きの方にはあんまりお薦めできません。この露天風呂、一応屋根で覆われているのですが、その半分以上は屋根が抜けており、残っている部分もボロボロなので、どうせなら屋根などの構造物は全部取っ払っちゃった方がいいのではないかと思うのですが、まぁ余計なお世話ですよね。
なんだかんだ言いながら、お湯の濃さと湯屋の古さに惹かれて、私はきっとまたまた行ってしまうんでしょう。だって目の前で勢いよく湧いている新鮮且つ濃厚なお湯をたっぷり堪能できるんですから。
1号泉
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 37.8℃ pH6.5 溶存物質12726.9mg/kg 成分総計13530mg/kg
3号泉
含鉄(Ⅱ)-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 40.8℃ pH6.3 400L/min(自然湧出) 溶存物質12240mg/kg 成分総計12970mg/kg
長野電鉄屋代線・松代駅より徒歩20分(約1.7km)
長野県長野市松代町東条55 地図
0262-78-2016
8:00~20:00
300円
備品類なし
私の好み:★★★
こちらには何度かお邪魔しており、いつも混んでいてとても撮影できる状況ではなかったのですが、その日は偶々殆ど他にお客さんがいなかったので、ちょこちょこっと撮らせてもらいました。
いつ行っても良い雰囲気です。湯治と外来入浴の二本に特化したお宿。受付で料金を支払うと、中から宿のお兄ちゃんが出てきて、(湯屋を指差し)これはとても古い建物だとか、泉質の影響で石鹸の泡が立たないだとか、日本でも他に類を見ない珍しい温泉だとか、効能だとか、入浴方法だとか、まさに立て板に水、早口で一気呵成に能書きをまくしたてられますが、何回聞いても耳に入ってこないのは、私の聴力が衰えているからなのでしょうか、それとも…。
ま、それはともかく内湯へ。
奥へ長い内湯。浴槽の長さは7メートルあるそうです。この湯屋は大正時代に建てられたんだとか。思わず息を飲みたくなるような時代の厚みを感じさせてくれますね。
確かカランは無いはず。桶で直接湯船からお湯を汲んで掛け湯するわけですが、浴室は奥の方へ向かって緩やかに傾斜しているので、排水の都合でその奥の方で掛け湯するのがこちらのルールとなっています。
湯口から絶え間なく、手が一切加えられていない源泉が投入されています。
浴槽の縁や湯口の樋など、お湯が触れるところは析出がコンモリと付着。長年の積み重ねが為せる業ですね。
浴槽のみならず、樹脂製の桶も温泉成分ですっかりコーティング。濃いお湯を見ただけで実感できるこうした道具類に、思わず興奮しちゃいました。溶存物質12240mg/kgという数値はやはり凄い。
加賀井温泉では1号泉と3号泉の2つが使われていますが、内湯に注がれているのは3号泉。橙色に強く濁り、お湯をよく見ると無数のコロイド粒子が漂っています。臭覚的には金気臭+土気臭+ちょっと油っぽい臭い、味覚的には金気味+土気味+(シジミ汁のような)出汁味+塩味+はっきりした炭酸味。炭酸ガスなのか、ちょっと気泡が付着。湯加減はちょうどよいのですが、なにしろ濃厚なお湯なので、長湯しなくても体力が奪われてヘロヘロになっちゃいます。
露天は混浴。スリッパを履いて一旦内湯の入口を出て、建物を廻って向かうことになります。専用通路はないので、普通に外へ出るのです。男性ですとタオルで前を隠しちゃえば何とかなりますが、結構歩きますので、女性だと一旦着替えるかバスローブ的なものを羽織らないと厳しいかも。
露天へ向かう途中、湯屋の裏では源泉が井戸の枡の中でボコボコシュワシュワと音を轟かせながら、もの凄い勢いで湧いています。
露天風呂の浴槽は二分されています。一方は1号泉のみが投入されており、橙色が濃くて内湯よりも更に強く濁り、ちょっとぬるめ。もう一方(湯屋側)は1号泉と3号泉の混合で程良い湯加減となっており、このため露天風呂に入るお客さんの多くはこちらを選択します。古くて味わい深いのですが、全体的に老朽化が激しく、排水もよろしくなく足元はビショビショなので、清潔好きの方にはあんまりお薦めできません。この露天風呂、一応屋根で覆われているのですが、その半分以上は屋根が抜けており、残っている部分もボロボロなので、どうせなら屋根などの構造物は全部取っ払っちゃった方がいいのではないかと思うのですが、まぁ余計なお世話ですよね。
なんだかんだ言いながら、お湯の濃さと湯屋の古さに惹かれて、私はきっとまたまた行ってしまうんでしょう。だって目の前で勢いよく湧いている新鮮且つ濃厚なお湯をたっぷり堪能できるんですから。
1号泉
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 37.8℃ pH6.5 溶存物質12726.9mg/kg 成分総計13530mg/kg
3号泉
含鉄(Ⅱ)-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 40.8℃ pH6.3 400L/min(自然湧出) 溶存物質12240mg/kg 成分総計12970mg/kg
長野県長野市松代町東条55 地図
0262-78-2016
8:00~20:00
300円
備品類なし
私の好み:★★★