甲府界隈には温泉銭湯がたくさんあるものの、いずれも中小施設が多く、玉岡設計チックな和風の大規模スーパー銭湯が意外に少ないような気がします。この「源泉湯 燈屋」はそんな甲府市内に存在する数少ない和風大規模スーパー銭湯のひとつです。
(一応私が調べたところ、ここは玉岡設計が手がけた施設ではないようです)
全体的に落ち着いたシックな造り。材木木を多用しており、温もりが伝わってきます。
食堂スペースが広く確保されているのが、いかにもスーパー銭湯らしいところですね。
山梨県にはこの手の綺麗系温泉は少ないですから、かなり貴重な存在です。
内湯はジャグジー付きの中温槽と高温槽。スーパー銭湯なのでカランは沢山用意されており、混雑時でも待つことはないでしょう(数は失念)。この他浴室内にはドライサウナと水風呂も併設。
他の温浴施設でたまに見かける座湯がここにもありました。「流湯青石の座湯」と称するんだそうです。座湯ってのぼせることなく熱めのお湯を楽しめて、とってもきもちいいんですよね。
壁面の高い位置に、山梨県の温泉ではおなじみのO短大T教授による解説文が掲示されています。相変わらず大袈裟な文章だこと。折角の先生の「名文」も高い所にあるので読みにくい…。
露天風呂は岩風呂、檜風呂、そして信楽焼の壺湯×3という、いかにもこの手の温浴施設にありがちなラインナップ。この他露天側には釜蒸し風呂(いわゆるミストサウナ)も設けられています。
お湯はほうじ茶を薄めたような色で透明、微かに苦みと重曹味を帯びているものの、ほとんど無味といっていいかもしれません。弱いモール臭も感じられます。つるすべ感もしっかり。各浴槽の湯口には木綿の布が巻かれており、これで湯中の浮遊物を漉しているんでしょうが、布の目が粗いためか、湯船の中では膜が剥がれたような感じの薄い茶色+灰色浮遊物がちらほら見られました(特に露天で)。各浴槽ともふんだんにオーバーフローしており、その流路は黒ずんでいます。加水されているものの掛け流しされているようです。
甲府盆地らしい褐色のモール泉的な温泉なんですが、正徳寺温泉「初花」や玉川温泉・トータス温泉・フカサワ温泉など、付近に存在する似たような泉質の温泉と比べると、いまいち主張が弱いような気がします。分析表を見ると、一応ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉に分類されているものの、溶存物質は1.022g/kgという数値であり、つまりギリギリのところでアルカリ性単純泉から逃れられている状態で、しかもここに高温を理由に加水しているのですから、薄い印象を与えてしまうのは当然なのかもしれません。
でもお湯は掛け流しですし、広くて綺麗で落ち着いていて使い勝手が良いので、十分利用する価値はあるかと思います。日曜午後に上りの中央道が混んでいる時なんかは、こちらでひとっ風呂浴びて時間稼ぎするものいいかもしれません
和こしの湯
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉 46.9℃ pH8.2 198L/min(動力揚湯) 溶存物質1.022g/kg 成分総計1.026g/kg
山梨県甲府市上阿原町590-3 地図
055-236-3515
ホームページ
10:00~24:00 無休
900円
100円リターン式ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり、タオル類の有料レンタルあり
私の好み:★★