温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

上北温泉郷 上北さくら温泉

2012年04月05日 | 青森県
 
青森県東北町の上北町駅周辺には温泉浴場が点在している温泉の隠れた宝庫でありまして、このブログでもいままで何軒か取り上げておりますが、今回は東北町の役場裏にある「上北さくら温泉」にスポットライトを当ててみます。こちらは銭湯とともに旅館業も営んでいますが、こうした銭湯と旅館を兼業している営業形態は、青森県ではよく見られますね。


 
訪問したのは朝8時頃。まだ館内は閑散としていました。券売機で料金を支払い、券をカウンターに置いて奥へと進みます。


 
券売機には、オーナーさんの息子さん2人が着ぐるみを纏ってポーズを決めている写真が貼ってあり、そこにはどちらかか一方を指名すれば無料で背中を流すと書かれていました。三助さんをやってくれるのですか。こりゃすごいサービスだこと! お二方とも中村獅童系のお顔立ちのようにお見受け致します。仲の良いご兄弟なんですね。私なんて唯一無二の弟と何年口をきいていないことか…。



休憩スペースに並んで食堂もあるようですが、さすがに朝早い時間とあって、まだ開いていませんでした。



青森県の公衆浴場によく見られる、いかにも銭湯らしいスタイルの更衣室ながら、室内はとっても綺麗で内装からは古さが微塵も感じられません。それもそのはず、こちらは2011年の地震によってお湯が出なくなったため、約2か月にわたって改修工事を実施したんだそうでして、それゆえに館内は隅々まで綺麗でピカピカなわけなのです。


 

(↑の2画像、クリックで拡大)
いずれも更衣室内に貼ってあった案内。一方は湯使いに関する説明で、「源泉掛け流し」のモール温泉という題名とともに、こちらでは加水加温消毒循環を実施しておらず源泉100%のお湯を提供しているという旨が述べられていました。もう一方は、2011年の地震により配管などが破損した後に実施され修繕工事の様子を画像とともに紹介したもので、その文章や画像から配管工事の苦労が窺えます。


 
浴室内は青森県の公衆浴場らしく、中央に大きな浴槽が据えられ、その周囲を洗い場のカランがズラリと取り囲んでいるレイアウトです。ほぼ全体がタイル貼りですが、男女仕切りの塀の一部などに檜が用いられているためか、室内には檜の芳香が漂っていました。また天井や壁面はいかにも塗装したばかりという感がわかる純白そのもので、お風呂にありがちなカビや水垢などによる汚れは一切見られず、とっても気持ち良く利用できました。

浴槽は湯口のある仕切りを境にして前後の二つに分かれています。手前側は大きくて10人近く同時に利用できそうなサイズとなっており、丁度よい湯加減(41度くらい)のお湯が張られていました。また3人分に仕切られたジェットバスも設置されていました。一方、奥側は4~5人サイズで手前側の約半分程度となっていますが、そのサイズゆえかお湯は若干熱め。でもお湯から体へ伝わるフィーリングはこの小さな浴槽の方がいい感じでした。

なお、浴室内には他にサウナや電気風呂と思しき浴槽もありました。



湯口から絶え間なく注がれる源泉。こちらでは26℃の自噴源泉と46~8℃の二つをブレンドして温度調整をしつつ浴槽へと供給しているそうです。見た目はごく薄い黄色の透明でほぼ無味無臭ながら、僅かにモール泉の痕跡みたいな知覚が感じられました。強くないもののはっきりと肌に伝わるツルスベ浴感が心地よく、全体的に癖が少ない優しいお湯と言えそうです。ただ、館内説明で書かれているようにこのお湯がモール泉であると断言できるかどうかは微妙なところ。



洗い場には青森県の銭湯標準である古典的な押しバネ式カランと壁直付けの固定式シャワーの組み合わせが計24か所ズラリと並んでおり、手前側半分についてはシャワーに短いホースが接続されているため、ある程度の可動領域が確保されていました。水栓から出るお湯は源泉です。青森県ってどれだけ新しい銭湯でもこのスタイルの水栓を設置していますが、これは県独特の文化なのでしょうか。あるいは県の銭湯業界の取り決めみたいなものがあるんでしょうか。同じ県でありながら普段は反目しあう津軽と南部ですが、銭湯についてはお互いに似たような独特の共通文化があるんですよね。


 
銭湯なのに露天風呂があるのは立派。雪見風呂ができるんですから贅沢じゃありませんか。和風テイストを強調した造りで、頭上は屋根で覆われており、浴槽は岩風呂風の四角形。周囲を塀に囲まれているので入浴しながら景色を楽しむことはできませんが、ポストみたいな形状の湯口から源泉がしっかり掛け流されており、内湯同様に優しいお湯を堪能できました。お湯でのぼせかかった体を厳冬の外気で一気に冷却すると、その温度差がとっても気持ちいいんですよ。


単純温泉 47.5℃ pH7.2 360L/min(動力揚湯) 成分総計450.8mg/kg
Na+:31.80mg(33.87mval%), Ca++:29.96mg(36.61mval%),
HCO3-:206.9mg(81.36mval%),
HwSiO3:129.9mg,

青い森鉄道・上北町駅より徒歩10分強(約1km)
青森県上北郡東北町上北南4丁目32-487  地図
0176-56-3900
ホームページ

6:00~22:00
280円
ロッカーあり(12個あるが一部は常連により占有されているようなので、実質的に使えるのは12以下)、ドライヤー(有料20円だったかな?)、その他販売あり

私の好み:★★★
コメント
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