パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

街結君と太郎君⑭

2016年08月13日 | 野望
ただならぬ様子を察してたママ猿は、めずらしく俺たちをそっとしておいてくれた。
しかし、当分うちに泊めるとなると、事情を少し説明しておこうと思い、太郎が寝てる間に、おおまかな話をしに行く。
ママ猿は泣きながら「どっちもわかるわ。
けんちゃんの気持ちもわかるけど、健ちゃんママの気持ちもわかる。」
けんちゃんというのは太郎のことで、健ちゃんママというのは太郎のママのことで、
太郎はその昔、健太郎って名前で・・・ああもうめんどくさい、とにかく太郎と太郎のママのことだ。
そして「二人でおばあちゃんちに行ってきなよ」と言った。
え?九州の?
「気分転換したほうがいいよ、なんだかんだずっと母子ふたりべったりだったんだからね。
けんちゃんも、健ちゃんママも、お互い少し離れてみて、頭を冷やして、これからのこと考えればいいんじゃない?
まだ、年末には少し間があるから飛行機のチケットもとれるでしょ。
けんちゃんが起きたら、話してみたら。
おばあちゃんはまちゆいに会いたがってるから喜ぶだろうし、健ちゃんママにはママから話しとくよ。
あなたたち、背格好も同じくらいだからあなたの洋服を貸したげなさい。
ま、あっちに着いたらおばあちゃんがこれでもかこれでもかって洋服くらい買ってくれるだろうけどね。」

ママ猿があっという間に手配してくれて、次の日の最終便でオレたちは九州へ飛んだ。
なんで最終便かと言うと、太郎がどうしても一回うちに戻って準備をすると言って聞かなかったのだ。
「まちゆいの服のセンスはまだまだだからな。
まちゅママがジャニーズを意識して買ったようなカワイイ系の服しかないだろ。
このスタイリッシュな俺にはちょっとなあ。」
ふん!勝手にしろ。
遅れるなよ。
遅れたら俺一人で行くからな・・・って、俺一人で行く意味あるのか?
なんてことを考えながら搭乗口近くのソファに座ってたら、相変わらず真っ青な顔をした太郎が駆け込んできた。
俺にスーツケースを転がして、そのままトイレへ。
電車でこの酔いっぷり。これから「生まれて初めて乗る」という飛行機では一体どうなるんだろうか。



街結君と太郎君①
街結君と太郎君②
街結君と太郎君③
街結君と太郎君④
街結君と太郎君⑤
街結君と太郎君⑥
街結君と太郎君⑦
街結君と太郎君⑧
街結君と太郎君⑨
街結君と太郎君⑩
街結君と太郎君⑪
街結君と太郎君
街結君と太郎君⑬http://blog.goo.ne.jp/papatoyobanaide/e/674fd2bfe7d0fb8041776148342f1c16?fm=rss
コメント (2)
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