11月6日(水)晴れ

読書の秋です。
図書館に予約していた内館牧子著「すぐ死ぬんだから」の順番が回ってきたので読む。
「マチネの終わりに」を中断して。
面白かった。
前作の「終わった人」が定年小説のジャンルなら、これはさらにその先になるのだろうか。
図書館に返却してしまったので、詳しくは書けないのだが、ざっくり説明するに、
主人公が78歳の女性である。
きちんとオシャレして、「終活」だの「リュック」だの老人の定番を蹴散らしながら生きているハナさん。
老人達への痛烈な批判に耳が痛いような、小気味いいような。
娘と息子がいるが、それぞれに独立しており、その子供達への対応も、のめり込むでなく程よい距離感を保ち、なんというか理想的な老後のように思える。
夫婦仲も良好で、夫は妻を褒めちぎる愛妻家である。
すでにファッション的には老人の域に達しているようなワタクシにしてみれば、ぐうの音も出ませんとうなだれるほかない。
そんなハナさん、夫が突然倒れて亡くなる。
抜け殻のようになるハナさん。
そこへ、夫の遺書が出てきて、夫には40年来の愛人がいた事、子供もいる事が発覚。
ハナさん、そこから俄然元気が出てきて、この愛人との丁々発止のやりとりが始まる・・・
愛人は、医師で、息子はもう35歳くらいだったか。
子の認知も要求せず、ひっそり日陰の身として母息子は生きてきたというシナリオであったが、徐々にそれも崩れていき・・・
最初の頃は、あまりのスーパー婆さんぶりが鼻について好きになれないと思っていたが
いつの間にかハナさんのことを好きになっている自分に気づく。
ハナさんほどファッションや美容や生き方にブレないものを持つ自信はないが少しは「小綺麗な婆さん」を目指すべきだななんて思ったりもする。
それにしても、何に腹立つって、この死んだ夫岩造に腹立つ。
ワタクシ、この優しい愛妻家の岩造が唯一好きなキャラクターだったのだ、読み始めた頃。
アクの強い人たちだらけの中で、折り紙が唯一の趣味で、朴訥な人かと思わせておいて妻には優しい言葉をかけられる人格者。
「ハナと結婚してよかった」が口癖。
だから、倒れた彼があっけなく亡くなった時は「えっ!?」と絶句したほどの衝撃だった。
それなのに・・・浮気もせず、妻の言いなりに服も格好も生き方までも従ってたように見せかけて、その実40年も裏切っていた。
百歩譲ってそれはそれで良い。
そういう人もいるでしょう。
妻も愛人も両方大事で捨てられなかったのならそれはそれでいいです、納得も許可もしませんけどね。
今見ている韓流ドラマ「品位のある彼女」の夫も、妻と愛人との共存を切望しているバカ夫だ。
世の中に不倫がなくならないのは、愛がすべてではないからということだ。
いや、不倫している連中は「愛がすべて」だから、家庭なんか関係ないというのかもしれない。
が、ワタクシに言わせりゃ、「愛がすべて」というなら独占すべく、離婚という形を取れ!と思うね。
と、こういう話になると小説の話そっちのけで熱くなってしまう。
この小説に戻って、ワタクシが腹立つのは、岩造が自分の死後にそれが発覚するようなことをやったことだ。
生きて矢面に立つ自信がないなら、それはもう墓場まで持って行って、閻魔様に舌を抜かれろ。
舌を抜かれるのが嫌なら不倫なんかすんな。ということです。
と、キーーーっとなりながら読みましたが、面白く、最後は元気になる小説でありました。

読書の秋です。
図書館に予約していた内館牧子著「すぐ死ぬんだから」の順番が回ってきたので読む。
「マチネの終わりに」を中断して。
面白かった。
前作の「終わった人」が定年小説のジャンルなら、これはさらにその先になるのだろうか。
図書館に返却してしまったので、詳しくは書けないのだが、ざっくり説明するに、
主人公が78歳の女性である。
きちんとオシャレして、「終活」だの「リュック」だの老人の定番を蹴散らしながら生きているハナさん。
老人達への痛烈な批判に耳が痛いような、小気味いいような。
娘と息子がいるが、それぞれに独立しており、その子供達への対応も、のめり込むでなく程よい距離感を保ち、なんというか理想的な老後のように思える。
夫婦仲も良好で、夫は妻を褒めちぎる愛妻家である。
すでにファッション的には老人の域に達しているようなワタクシにしてみれば、ぐうの音も出ませんとうなだれるほかない。
そんなハナさん、夫が突然倒れて亡くなる。
抜け殻のようになるハナさん。
そこへ、夫の遺書が出てきて、夫には40年来の愛人がいた事、子供もいる事が発覚。
ハナさん、そこから俄然元気が出てきて、この愛人との丁々発止のやりとりが始まる・・・
愛人は、医師で、息子はもう35歳くらいだったか。
子の認知も要求せず、ひっそり日陰の身として母息子は生きてきたというシナリオであったが、徐々にそれも崩れていき・・・
最初の頃は、あまりのスーパー婆さんぶりが鼻について好きになれないと思っていたが
いつの間にかハナさんのことを好きになっている自分に気づく。
ハナさんほどファッションや美容や生き方にブレないものを持つ自信はないが少しは「小綺麗な婆さん」を目指すべきだななんて思ったりもする。
それにしても、何に腹立つって、この死んだ夫岩造に腹立つ。
ワタクシ、この優しい愛妻家の岩造が唯一好きなキャラクターだったのだ、読み始めた頃。
アクの強い人たちだらけの中で、折り紙が唯一の趣味で、朴訥な人かと思わせておいて妻には優しい言葉をかけられる人格者。
「ハナと結婚してよかった」が口癖。
だから、倒れた彼があっけなく亡くなった時は「えっ!?」と絶句したほどの衝撃だった。
それなのに・・・浮気もせず、妻の言いなりに服も格好も生き方までも従ってたように見せかけて、その実40年も裏切っていた。
百歩譲ってそれはそれで良い。
そういう人もいるでしょう。
妻も愛人も両方大事で捨てられなかったのならそれはそれでいいです、納得も許可もしませんけどね。
今見ている韓流ドラマ「品位のある彼女」の夫も、妻と愛人との共存を切望しているバカ夫だ。
世の中に不倫がなくならないのは、愛がすべてではないからということだ。
いや、不倫している連中は「愛がすべて」だから、家庭なんか関係ないというのかもしれない。
が、ワタクシに言わせりゃ、「愛がすべて」というなら独占すべく、離婚という形を取れ!と思うね。
と、こういう話になると小説の話そっちのけで熱くなってしまう。
この小説に戻って、ワタクシが腹立つのは、岩造が自分の死後にそれが発覚するようなことをやったことだ。
生きて矢面に立つ自信がないなら、それはもう墓場まで持って行って、閻魔様に舌を抜かれろ。
舌を抜かれるのが嫌なら不倫なんかすんな。ということです。
と、キーーーっとなりながら読みましたが、面白く、最後は元気になる小説でありました。