1月10日(水)晴れ
災害が起きる度に無力感に苛まれる。
そしてその時に思い出されるのが「何もできないなら笑え」的な、余計なことはするな、みたいな、お前が落ち込んだって何の役にも立たないのだという戒め。
そして、今、自分にできる事だけを考えるようにする。
震災関連、海保とJAL機の事故関連のツイートを見るたびに、考え方の違いを感じてまたも「世界から戦争がなくならないはずだよ」と諦めの境地になってしまう。
被災地に出向いて悪事を働く輩(この存在がまずは信じられないのだがどの震災の時にも沸いて出てきていた)や、ツイートでわざわざ嘘情報を流す奴はさておき(これはもう人間ではなく鬼畜だからね)
善意のベクトルの向きが皆同じ方向というわけでは無いなあということ。
災害状況を知って、居ても立っても居られない。駆けつけて何かお役に立てるであろうと先走る人たち。
現地に乗り込まずとも、救援物資をすぐに送る人。
いや、わたしゃ送る前に役所に問い合わせる常識は持ち合わせてるわと、今、日本中で一番過酷な労働状況下にある当該役所にジャンジャン電話しちゃう人。
基本的に善人で、熱血漢で、情の濃い人たちではありそうなので、浅はかと切り捨てるには可哀想な気もするが、しかし、想像力の欠如なんだろうな。
あと、情報がアップデートされていないのかもしれない。
阪神淡路大震災の時、救援物資をトラックで届けた武勇伝を聞いて、あゝ世の中にはフットワークが迅速な方がおられるものだなあと感心した記憶。
しかし、その当時の事は今どう語られているか知らんが、今現在、この能登半島地震に関しては、個人のボランティアはまだ動くな!物資は送るな!
そして過度な自粛も良くないとの事。
貧乏な我が家なりに、少しでも経済を回すことを考える事くらいが今のワタクシにできる事だ。
飛行機事故で、奇跡的に乗客は全員無事だったという話で、ひとまず安心した。
が、ペットが犠牲になった件を娘は激しく非難する。
わかる。ワタクシも石田ゆり子さん同様、機内に持ち込ませてくれよと以前から思っている派。
(とはいえ、手荷物持たずシューターで降ろされるのだから機内に連れててもペットは置き去りにされるのだろうか)
ペットはモノ扱いなのだと声高に言う人と、ワタクシは一生分かり合えないと思う。
ワタクシ以上にペット愛の深い娘は今後飛行機に猫を連れては乗らないとまで宣言する。
いや、でも、現実問題として、東京から鹿児島間を新幹線乗り継いで、猫のケージ持って移動は不可能に近いよと言うと「だから当分帰省しない」
そうなるよねえ・・・
ペット嫌いの人、アレルギー持ってる人等問題は色々あるが、方法は皆無ではないと思いたい。
娘がハッとしたように「おばあちゃんって、現地に千羽鶴を送ろうという話が持ち上がった時に送っちゃうタイプかなあ」
ちょっと考えてみる。
老母はテレビっ子である。
千羽鶴やら寄せ書きやらが、被災地で要らない物ベスト3入りしている事は情報として知ってると思うよ。
そして、元々の性格がドライで現実的である。
ふと母の友人Fさんを思い出す。
少し前に、老人を狙った強盗殺人事件が多発した時、我が老母は鍵を二重にしたりつい立て持ってきてみたり、効果云々は別としてそれなりに防犯対策を試行錯誤していた。
お友達とも防犯の情報交換をする中で、お金持ちの独居老人であるFさんが言う。
「もし強盗が入ったら、お茶を出しておにぎりでも食べさせて話をしようと思うのよ」
いやいやいや、昭和のコソ泥じゃないんだから。
ひもじくて盗みに入っちゃうんじゃなくて遊ぶ金欲しさの借金まみれの愚連隊(・・・死語)な奴らだからね。
お茶を入れてあげようと沸かしたお湯、頭からぶっかけられちゃうよ。
Fさんは、犯罪そのものが昭和のままでアップデートされていない。
こういう人達が、良かれと思って千羽鶴やら励ましの手紙やらを誰彼構わず送ってしまうのかもしれない。
ツイッターには、これでもかこれでもかと微妙な意見の食い違いが流れてくる。
首相は自衛隊機をさっさと飛ばせよ!とか。
するとまたそれに食ってかかる人達もいて・・・
その中で「だから、三日分の水や食料はなんとか自分達で用意しているべきなんだ」というツイートを見てハッとする。
三日なんとかしのげれば、支援の手が回ってくる。大抵の所には。
何度も聞いた事なのに、納得していた事なのに・・・
それなのに、喉元過ぎればすっかり忘れて、食料は二日は何とかなるとしても水は全くと言っていいほど準備していない。
お風呂の水を抜かない事だけは続けているけど、水道水が止まったらもう飲み水は無いと言っても過言では無い。
ビールや焼酎、ワインに日本酒、酒ならたっぷりあるが、マリーアントワネットじゃないんだから被災して朝からビールで喉の渇きを癒す豪快さは持ち合わせていない。
災害が起きなければ目が覚めないのかと自分を罵りながら今また備蓄を増やし始めている。