紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

パリ・ドイツの旅・12

2008-07-14 07:15:57 | 5・旅の日記
■道をまちがえ、迷子の子を助ける

ガソリンスタンドのおじさんに、サイドミラーも、きっちりと付けてもらった私たちは、一路フルトバンゲンを目ざした。
なにしろ1本道なのである。しかも、わずか12kmの距離。ゆっくりいったって、30分もあれば着けるだろう。


ところが、ずいぶん走っても、フルトバンゲンの「フ」の字も見あたらないのである。

そこで、ようやく1人の男の人を見つけて、フルトバンゲンはまだなのか聞いてみる。
そうしたところ、肩をすくめた。えーーっと思って、地図を出して、今どこにいるか聞いたら、トリベルクから南のフルトバンゲンに向かっているはずなのに、北に進んでいるのであった。

あらあら、1本道じゃなかったんだ。ということで、Uターン。
再び来た道をもどる。
もうここは二度と来ない所なので、車からおりて、写真を撮ることにした。



のどかな牧草地。




それから、再びトリベルグ方向を目ざしていた時、家も何も見あたらない道の真ん中に、小さな自転車に乗った女の子がいたのである。
アブナイ! そんなところにいたら、車にひかれちゃうよ。
しばらくよけるのを待っていると、女の子が私たちの車の方に向かってきた。

私が車からおりると、女の子は、お家が見あたらないの(多分そうだろうと予想)、といって目にいっぱい涙をためている。
困ったなあ。1人で置いていったんじゃ、車にでもひかれるかもしれない。
今写真を見ると、けっこう突っ張っている感じね。でも、かわいい。




そこに通りかかったきこりの車。
すみません。この子迷子なんです。といって、女の子をきこりの車に連れて行く。
女の子は、何か訴えている。




そこにまた別の車がやってきた。運転してきた男の人は、どうやら、その女の子を知っているようである。向こうの村のゲストハウスの子だといっている。
よかった。そこに連れて行ってくれるんだと思っていると、男の人は、車に乗って、去っていってしまった。

きこりの人に、この子を乗せていってくれないかと頼む。私たちの車に乗せてあげてもいいけれど、言葉が通じないから、おろす所がわからないまま、遠くまで連れて行ってしまうと困る。
女の子は、この人はダディじゃない、などといっているが、とうとうきこりの車が乗せてくれることになった。やれやれ。

そうして、次の村に着いたところ、女の子はもう車からおろしてもらっていて、私たちにピースサインを送って、「ハロー」といった。

こんなことをしているので、なかなかフルトバンゲンにたどり着かないのである。でも、次回はちゃんと着きます。

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