紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

物語の構想

2005-04-12 09:27:47 | 2・仕事の周辺
山が好きで、途中何年間か休みながらも、ずっと登り続けてきた。
その中で一番好きな山域はどこかというと、上越地方である。
とりわけ好きなのは巻機山。おそらく20回以上登ったと思う。東京で生まれ育った私にとって、巻機山あたり一帯は、第二の“ふるさと”という気がしている。
上越線六日町駅からバスで30分。清水にある民宿「和泉屋」さんに行くと「ただいまー。」といいたくなってしまう。

巻機山を舞台に「ぼくらの夏は山小屋で」を書いたあと、また上越の山を舞台に、別の話しが書きたくなっていた。そのために、家族で、何度もそのあたりの山に登りにいった。

清水峠で泊まったことがあった。
(写真右。めったにない泊まりがけの山で子どもたちは興奮した。)

その翌日清水まで下り、和泉屋さんに着いた時だ。
ふいに物語の構想が、私の頭の中におりてきた。私が書こうと思っていたのとは、全く方向性がちがう話しだった。が、そういう風に構想が生まれた時には、何かが私にそれを書かせたいのだと思い、書くことにした。
そして、できあがったのが「峠をこえたふたりの夏」である。

続き二作も、一作書き終わるたびに、ふわりと構想がおりてきた。こんな風に構想を考えるのではなく、おりてくるということはめったにない。たいていは、書きたいことがまずあって、それから取材などして、構想を固めていく。
ところが、この三作は、あまり考えることがなく、自然に生まれたという気がしている。いつ終わるのか、自分でもよくわからなかった。でも、三作書き終わった時に、もうこの話しはここでおしまいだというのがわかった。
(今書きながら思っているが、これって読んでいる人には、どういうことかわからないだろうなあ。舌っ足らずの説明ですみません。)

けれど、その三作を書いてしまったために、その時山に登ってから書こうと思った話しは、頭の中から遠のいてしまった。実はいまだに書いていないのである。それもすごく書きたい話しなので、いつか絶対に書こうと思っている。でも、どうやら構想はおりてきそうにないので、ウンウンいいながら、考えなくては書けそうもない。

(トップの写真:七ツ小屋山山頂)

8 コメント

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けんいっちゃんのお母さんへ (紅蓮)
2005-04-13 13:11:20
あらら、うーんと見られません。

ぜひ見たいですねえ。そちらのBlogにお伺いいたします。
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見てください (けんいっちゃんの母)
2005-04-13 12:31:53
紅蓮さま

講習会の参考にどうぞ!



http://www52.tok2.com/home2/pg/depot2/rak

uraku20.wmv



ブルー色にならない・・これでいいのかなぁ?すみません初心者で。
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遠さんへ (紅蓮)
2005-04-13 11:32:25
お久しぶりです。コメントありがとう。

気候がよくなり、そろそろ山の虫がうずきますねえ。

私もこの伸びやかな稜線というのが大好きです。

山の花に囲まれて、のんびり昼寝でもしたくなるような。



でも、たまに浮気して(?)、はしご・鎖場連続みたいな山にも登りたくなります。



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comugiさんへ (紅蓮)
2005-04-13 11:29:00
どちらかというと、自然に書けてしまう方が楽かもねえ。めったにないけど。

でも、どっちにしても、書きたいことがある状況は幸せなことで、ほんとうに困るのは、スランプというか、書きたいことがない状況かも。たまにおちいることがあります。
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Unknown ()
2005-04-13 08:48:58
なんだか、貴重な作家の側面を見ているようです。なるほど♪

朝もやの山小屋で駈ける少女!少しセピア色!いい写真です。

こういう山登りだ~い好き\(^o^)/
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Unknown (comugi)
2005-04-13 08:20:10
周りから固めて 作品を仕上げる・・

ぐいぐい筆が 意思しなくても進んで行く・・

どちらが 気分的には 楽なんでしょうかね

ひらめきが 楽そうに思えてるけど

きっちり 取材とかで 外堀を固めた方が

反対に気持は楽なのか・・

どちらにしても

作品を 産み出すのは 大変な作業でしょうね

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anikobeさん (紅蓮)
2005-04-12 21:35:56
なんだか書いていて、自分でもはっきりしない文章だなあと思いました。すみません。



「ひらめき」と自分でもよくわからない何かが、書いている間じゅう「こんな風に書いてください」と教えてくれたというか導いてくれたような・・。こんなこと書くと、怪しい世界みたいだなあ。
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こんばんは (anikobe)
2005-04-12 19:37:17
ふわりと構想がおりてくる。そして生まれた物語。

創作活動をされる紅連さんのひらめきみたいなものかしらなどと思ったりしていますが・・・



「ぼくらの夏は山小屋で」は、ハラハラどきどきしながら、山というものを知らない私は、物語の中の山に、引き込まれていきました。命というものに向きあう子供たちの行動に強く心を打たれますね。

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