◇ 専門家も首をひねった = アメリカ大統領選挙ではトランプ氏が勝ったのに、どうして円安になったのだろう。選挙の結果も大番狂わせだったが、為替の読みも大きく外れた。大多数の専門家は、事前に「仮にトランプ勝利なら円高。100円をかなり突破する可能性もある」と予想していた。じっさい9日の東京市場では、トランプ氏の優勢が伝えられると、円は101円台にまで上昇していた。それがトランプ氏の勝利確定で、一挙に106円台に急落した。
選挙戦を通じて、トランプ氏はTPP(環太平洋経済連携協定)に反対するなど、保護貿易的な主張を貫いてきた。保護貿易的になれば、アメリカの貿易量は減少しドルの需要は減る。また同氏は中国をはじめとする海外諸国の通貨安を、一貫して批判してきた。さらにFRBの利上げにも反対だから、12月の利上げは困難かもしれない。こうしたことから、専門家は「トランプ氏なら円高」と予想したわけだ。
だが結果は大違いだった。トランプ氏が大々的な景気対策を実行すれば、アメリカの国債増発は免れない。すると長期金利は上昇するだろう。こうした思惑が働き、アメリカの長期金利は直ちに2.1%台に跳ね上がった。すると投機筋は一斉に新興国から資金を引き揚げ、ドルは急騰した。さらにトランプ政権は、企業が海外から資金を国内に移す際の税率を引き下げるとの見方が強まり、ドル高を後押しした。
この結果、ブラジルなどの南米諸国、インドネシアなどの東南アジア諸国の通貨は急落。株価も大きく下落している。円の対ドル相場も、約3か月半ぶりの水準に下落した。ただし専門家の間では、今後の見方が真っ二つに割れている。トランプ・ショックによる円安の流れは、来年いっぱいは続くという予想。反対に年内のうちに、円相場は再び上昇に向かうという推測。こんどはどちらを予測した専門家が、首をひねるのだろうか。
≪14日の日経平均 = 上げ +297.83円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
選挙戦を通じて、トランプ氏はTPP(環太平洋経済連携協定)に反対するなど、保護貿易的な主張を貫いてきた。保護貿易的になれば、アメリカの貿易量は減少しドルの需要は減る。また同氏は中国をはじめとする海外諸国の通貨安を、一貫して批判してきた。さらにFRBの利上げにも反対だから、12月の利上げは困難かもしれない。こうしたことから、専門家は「トランプ氏なら円高」と予想したわけだ。
だが結果は大違いだった。トランプ氏が大々的な景気対策を実行すれば、アメリカの国債増発は免れない。すると長期金利は上昇するだろう。こうした思惑が働き、アメリカの長期金利は直ちに2.1%台に跳ね上がった。すると投機筋は一斉に新興国から資金を引き揚げ、ドルは急騰した。さらにトランプ政権は、企業が海外から資金を国内に移す際の税率を引き下げるとの見方が強まり、ドル高を後押しした。
この結果、ブラジルなどの南米諸国、インドネシアなどの東南アジア諸国の通貨は急落。株価も大きく下落している。円の対ドル相場も、約3か月半ぶりの水準に下落した。ただし専門家の間では、今後の見方が真っ二つに割れている。トランプ・ショックによる円安の流れは、来年いっぱいは続くという予想。反対に年内のうちに、円相場は再び上昇に向かうという推測。こんどはどちらを予測した専門家が、首をひねるのだろうか。
≪14日の日経平均 = 上げ +297.83円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ≫