◇ 7-9月期は2.2%成長だったが = 内閣府は14日、7-9月期のGDP速報を発表した。それによると、物価の変動を調整した実質成長率は年率換算で2.2%に上昇。4-6月期の0.7%を大きく上回った。これで3四半期連続のプラス成長になったが、景況感に近い名目成長率は0.8%にとどまっている。つまり物価の下落が、実質値を押し上げたわけだ。
内容をみると、個人消費は0.2%しか増加しなかった。企業の設備投資も0.1%の増加にとどまっている。その半面、輸出が8.1%増加。低金利の恩恵を受けた住宅投資が9.6%増加した。したがって成長率を引き上げたのは、ほとんどが外需。政府が意図する内需の拡大による経済の好循環は、全く影を潜めている。
問題は名目成長率が低すぎることだろう。名目成長率が高く、そこから物価上昇を調整した実質成長率が2%強なら、経済は好ましい姿だと言える。しかし今回のように名目成長率が低く、そこから物価の下落を調整した実質成長率が2%強になるのは、あまり歓迎されない。企業の売り上げや利益、個人の所得はすべて名目値だから、名目成長率が低いと景況感は悪くなるからだ。
近年は、こうした状況が続いているようだ。そこで7-9月期の名目GDPの実額を調べてみると、およそ123兆5000億円だった。この金額は10年前の06年7-9月期にほぼ等しい。さらに20年前の1996年7-9月期は125兆2000億円だった。したがって最近の名目GDPは、まだ20年前の水準を回復していないことになる。これでは景況感も、盛り上がらないはずである。
≪15日の日経平均 = 下げ -4.47円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
内容をみると、個人消費は0.2%しか増加しなかった。企業の設備投資も0.1%の増加にとどまっている。その半面、輸出が8.1%増加。低金利の恩恵を受けた住宅投資が9.6%増加した。したがって成長率を引き上げたのは、ほとんどが外需。政府が意図する内需の拡大による経済の好循環は、全く影を潜めている。
問題は名目成長率が低すぎることだろう。名目成長率が高く、そこから物価上昇を調整した実質成長率が2%強なら、経済は好ましい姿だと言える。しかし今回のように名目成長率が低く、そこから物価の下落を調整した実質成長率が2%強になるのは、あまり歓迎されない。企業の売り上げや利益、個人の所得はすべて名目値だから、名目成長率が低いと景況感は悪くなるからだ。
近年は、こうした状況が続いているようだ。そこで7-9月期の名目GDPの実額を調べてみると、およそ123兆5000億円だった。この金額は10年前の06年7-9月期にほぼ等しい。さらに20年前の1996年7-9月期は125兆2000億円だった。したがって最近の名目GDPは、まだ20年前の水準を回復していないことになる。これでは景況感も、盛り上がらないはずである。
≪15日の日経平均 = 下げ -4.47円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫