◇ 前途にはいくつもの障害物 = 米ゴールドマン・サックス社の推計によると、全世界の自動車販売台数に占めるEVの割合は17年が1%。それが40年には32%に増大する。ところが富士経済社の予測では、16年の比率が0.5%、35年でも4.6%にしか上昇しない。これはEVの普及にはまだ多くの解決すべき問題が残っており、それらの問題を解決できる可能性をどう見るかで、推計に大きな差異が生じることを物語っている。
最大の問題は、やはり1回の充電で可能な走行距離。現在は280キロ程度で、各メーカーはこれを400-600キロに伸ばそうと懸命になっている。いまでも搭載するリチウムイオン電池を増やせば、走行距離の延長は可能だ。しかし、そうすると販売価格が大幅に上げってしまう。要するに、リチウムイオン電池の性能を急速に伸ばせるかがカギ。そのスピードが、EV普及のスピードをも左右することになる。
充電に要する時間の短縮も、大きな問題だ。ガソリンの給油は数分で済むのに、充電に何時間もかかるようでは勝負にならない。また日本国内にある充電スタンドはいま2万か所まで増えたが、これももっと増やす必要があるだろう。家庭用の電気を電源とし、EVそのものを家庭用の蓄電池として使えるようになれば申し分ない。
安全性の検証も欠かせない。衝突事故で車体が大破した場合、電流が車内に流れ出す危険はないのだろうか。洪水時に車体が水に浸かっても大丈夫なのか。そしてモーターや電池の耐用年数は。このように数多くの問題点が、まだ残っている。これらの解決に時間がかかれば、EVの普及は遅れることになる。
(続きは明日)
≪27日の日経平均 = 下げ -63.14円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
最大の問題は、やはり1回の充電で可能な走行距離。現在は280キロ程度で、各メーカーはこれを400-600キロに伸ばそうと懸命になっている。いまでも搭載するリチウムイオン電池を増やせば、走行距離の延長は可能だ。しかし、そうすると販売価格が大幅に上げってしまう。要するに、リチウムイオン電池の性能を急速に伸ばせるかがカギ。そのスピードが、EV普及のスピードをも左右することになる。
充電に要する時間の短縮も、大きな問題だ。ガソリンの給油は数分で済むのに、充電に何時間もかかるようでは勝負にならない。また日本国内にある充電スタンドはいま2万か所まで増えたが、これももっと増やす必要があるだろう。家庭用の電気を電源とし、EVそのものを家庭用の蓄電池として使えるようになれば申し分ない。
安全性の検証も欠かせない。衝突事故で車体が大破した場合、電流が車内に流れ出す危険はないのだろうか。洪水時に車体が水に浸かっても大丈夫なのか。そしてモーターや電池の耐用年数は。このように数多くの問題点が、まだ残っている。これらの解決に時間がかかれば、EVの普及は遅れることになる。
(続きは明日)
≪27日の日経平均 = 下げ -63.14円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫