経済なんでも研究会

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トランプ保護貿易の 衝撃度 (上)

2018-03-06 07:10:43 | 貿易
◇ 中間選挙対策の第1弾 = トランプ大統領は1日、鉄鋼には25%、アルミニウムには10%の輸入関税をかけると発表した。すべての国からの輸入に適用、無期限に実施する方針。通商拡大法232条に基づき、安全保障上の見地から輸入を規制すると説明している。この発表を受けてEU、カナダ、中国などは猛反発。輸入制限が実施されれば、報復措置をとる姿勢を明らかにした。最悪の場合は、世界貿易戦争に発展する危険性も否定はできない。

アメリカはこれまでも、中国などからの不当に安い製品には反ダンピング税を課してきた。しかし反ダンピング税は個々の商品に課税するため、効果には限界がある。また第3国経由で輸入されると、課税がむずかしい。そこで今回はすべての鉄鋼・アルミ製品を対象とし、すべての国からの輸入品に適用することになった。

ただ安全保障を理由とする通商拡大法232条の発動は、きわめて異例なことだ。これまでには1982年に、リビアからの原油輸入を禁止した例があるだけ。それだけにEUなどの反発は強く、アメリカ国内からも「やり過ぎではないか」という批判の声が上がっている。ニューヨーク市場の株価も、貿易戦争への発展を懸念して大幅に値下がりした。

トランプ大統領の最大の狙いは、ことし11月に予定される中間選挙対策だろう。その証拠に、この発表は鉄鋼・アルミ業界の代表者をわざわざホワイトハウスに招いて行われた。一昨年の大統領選挙では、鉄鋼やアルミ産業が多い北西部で“アメリカ・ファースト”をぶち上げ、これが勝利に大きく貢献した。今回の発表は、この経験から導き出された選挙対策第1弾だと考えられる。つまり第2弾もありうるわけだ。

                           (続きは明日)

      ≪5日の日経平均 = 下げ -139.55円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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