経済なんでも研究会

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世界貿易戦争の 勃発 (中)

2018-03-28 07:49:07 | 貿易
◇ 適用除外は巧妙な策略 = トランプ大統領が中国製品への制裁的な輸入制限を発表したあくる日、こんどは全世界を対象にした鉄鋼とアルミの輸入制限が発効した。輸入する鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の関税をかけるという内容。安全保障上の理由から、通商拡大法232条を適用した。ところがアメリカ政府は同時に、カナダ・メキシコ・EU・韓国・オーストラリア・アルゼンチン・ブラジルは適用除外にすると発表している。

このうちオーストラリアはアメリカ側が貿易黒字を出しており、適用除外とした理由が明白だ。だが残りはすべてFTA(自由貿易協定)を交渉中、あるいは交渉を始める対象になっている。その交渉で譲歩しないと「鉄鋼とアルミの輸入関税を免除しないぞ」と脅しているに等しい。その証拠に、アメリカ政府は「本当に適用除外にするかどうかは4月末に決定する」と漏らしている。

日本は適用除外国に入らなかった。その理由は必ずしも明らかではない。しかし推量すれば、アメリカ側は近く日本に対してもFTAの締結を迫ってくるはず。しかも4月になると、安倍首相が訪米する。放っておいても、日本は何らかの“お土産”を持参してくるだろう。トランプ大統領はこう考えているのではないだろうか。

日本のアメリカ向け鉄鋼輸出量は、17年で190万トン。国内生産量用の2%に過ぎない。しかも鉄道のレール、油田用のパイプ、自動車のボディなどアメリカでは生産量が少ない鋼材が多い。このため業界では関税をかけられても、影響は限定的だとみている。ただアメリカ市場から締め出された各国産の製品がアジア市場に殺到すると、値崩れが起こりやすい。これが日本の鉄鋼メーカーにも影響することを、いまから警戒している。

                                 (続きは明日)

      ≪27日の日経平均 = 上げ +551.22円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ


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