経済なんでも研究会

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世界貿易戦争の 勃発 (下)

2018-03-29 08:10:28 | 貿易
◇ アメリカ・ファースト vs 中国第一 = 各国間の貿易戦争は、これまで何回も勃発している。日本の輸出を、アメリカが制限したケースも少なくない。戦後は繊維に始まり、鉄鋼、電機、自動車がヤリ玉に挙がった。ただ、ほとんどの場合、日本側が輸出を自主規制して問題を鎮静させている。またアメリカの貿易赤字を解消させるため、主要国が一致して為替を切り上げたこともあった。有名なプラザ合意である。その根底には、最大の経済国であるアメリカが不調になれば、世界全体が損失を被るという共通の認識があった。

ところが今回は、少しばかり様相を異にする。主たる相手が中国だからだ。もちろん中国も、貿易戦争がプラスにならないことは十分に承知している。しかしメンツを重んじる国だから、自主規制などはできない。またトランプ大統領が「世界第2位の経済大国にのし上がってきた中国を、ここらで叩いておこう」と考えていることも、よく承知している。したがって、柔軟な姿勢はとりにくい。

不幸なことは世界を見渡しても、こうした状況下で“調停役”になれる政治家がいないこと。ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、イギリスのメイ首相。いずれも国内に大きな政治問題を抱えており、それどころではない。日本の安倍首相も、森友問題で足元が揺らいでいる。ロシアのプーチン大統領は、中国寄りの姿勢を鮮明にした。

米中が報復の応酬を重ねれば、世界貿易は縮小し、経済も危うくなる。米中ともにその危険性はよく判っているから、水面下では解決に向けての話し合いも始まっているとも伝えられた。しかし世界第1位と第2位の経済大国が争うと同時に、アメリカ・ファーストと中国第一のぶつかり合いとなっている。そんなに簡単に話がまとまるとは思えない。

      ≪28日の日経平均 = 下げ -286.01円≫

      ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ


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