◇ 強すぎるアメリカの雇用市場 = アメリカ労働省が発表した2月の雇用統計は、農業を除く雇用者の増加数が多すぎて関係者を驚かせた。雇用者の増加数は、なんと31万3000人。事前予想の20万人をはるかに上回った。建設、製造、小売りなど広範な部門で増加しており、アメリカの景気拡大が予想以上に強いことを示している。失業率も4.1%で、17年ぶりの低水準。雇用者の平均時給は前年比2.6%の増加だった。
アメリカの中央銀行であるFRBは、今月20-21日に金融政策を決定するFOMC(公開市場委員会)を開く。こんなに強い雇用統計が出たため、ここで政策金利の引き上げが決まることが確定的になった。FRBは15年末から5回にわたって金利を引き上げてきており、今回引き上げれば6回目。金利は年1.75%の水準になる。
市場関係者は、むしろ“その後”に関心を寄せ始めた。これまでのFRBの方針は「18年中に3回の利上げ」だったが、これが「4回」に増えるのかどうか。トランプ大統領の大規模減税とインフラ投資の影響で、物価にも上昇圧力がかかってきた。平均時給の伸びが鈍かったため「3回説」も根強いが、いま市場では「4回説」が「3回説」を上回りつつあるようだ。
年4回の引き上げ予想が定着すると、市中の長期金利は確実に3%を上回るだろう。仮にそうなると、債券投資の方が株式投資よりも有利になる可能性が出てくる。またアメリカの債券市場を目指して、新興国から資金が移動し始めるかもしれない。来週のFOMCが近づくにつれて、長期金利の動きから目を離せない。
≪12日の日経平均 = 上げ +354.83円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
アメリカの中央銀行であるFRBは、今月20-21日に金融政策を決定するFOMC(公開市場委員会)を開く。こんなに強い雇用統計が出たため、ここで政策金利の引き上げが決まることが確定的になった。FRBは15年末から5回にわたって金利を引き上げてきており、今回引き上げれば6回目。金利は年1.75%の水準になる。
市場関係者は、むしろ“その後”に関心を寄せ始めた。これまでのFRBの方針は「18年中に3回の利上げ」だったが、これが「4回」に増えるのかどうか。トランプ大統領の大規模減税とインフラ投資の影響で、物価にも上昇圧力がかかってきた。平均時給の伸びが鈍かったため「3回説」も根強いが、いま市場では「4回説」が「3回説」を上回りつつあるようだ。
年4回の引き上げ予想が定着すると、市中の長期金利は確実に3%を上回るだろう。仮にそうなると、債券投資の方が株式投資よりも有利になる可能性が出てくる。またアメリカの債券市場を目指して、新興国から資金が移動し始めるかもしれない。来週のFOMCが近づくにつれて、長期金利の動きから目を離せない。
≪12日の日経平均 = 上げ +354.83円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫