◇ 景気動向との乖離が目立つ = 株価は政治・経済・社会面で生じる雑多な出来事が影響して、連続的に形成される。なかで最も連動性が強いのは、景気動向との関連だろう。景気の上下動で、企業の収益が変動する。株価は基本的に企業価値を表しているから、景気との関連は常に最も深い。ところが最近の株価は一時的にもせよ、景気との関連性を薄めているように見受けられる。どうしてだろう。
世界経済の動向をみると、昨年秋からは明らかに勢いを弱めている。中国やEU経済の減速。アメリカ経済の先行きにも、警戒論が広がっている。ことしの予測については、国際機関も民間の研究所も「成長率の鈍化」で一致している。たとえばIMF(国際通貨基金)は、先進国の成長率を2.0%に下方修正した。しかし株価は下がらない。
最近の事例をみても、アメリカでは2月の雇用情勢が大幅に悪化。景気後退の前兆といわれる長短金利の逆転も、11年半ぶりに出現した。だがダウ平均株価は、いま史上最高値に接近中だ。日本でも3月の日銀短観では、経営者の業況感が大幅に悪化。政府も月例報告で「景気の弱さ」を3年ぶりに認めた。しかし日経平均は上昇基調にある。
その最大の原因は、やはり膨れ上がった投機資金にあるだろう。企業や個人が金融資産を貯め込んだところへ、中央銀行による膨大な資金供給が重なった。08年のリーマン・ショック後に、米欧中日の中央銀行が放出した資金量は20兆ドル(2200兆円)に達したとみられている。これらの資金の大半が、常に株式市場への参入を狙っているわけだ。
(続きは明日)
≪9日の日経平均 = 上げ +40.94円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
世界経済の動向をみると、昨年秋からは明らかに勢いを弱めている。中国やEU経済の減速。アメリカ経済の先行きにも、警戒論が広がっている。ことしの予測については、国際機関も民間の研究所も「成長率の鈍化」で一致している。たとえばIMF(国際通貨基金)は、先進国の成長率を2.0%に下方修正した。しかし株価は下がらない。
最近の事例をみても、アメリカでは2月の雇用情勢が大幅に悪化。景気後退の前兆といわれる長短金利の逆転も、11年半ぶりに出現した。だがダウ平均株価は、いま史上最高値に接近中だ。日本でも3月の日銀短観では、経営者の業況感が大幅に悪化。政府も月例報告で「景気の弱さ」を3年ぶりに認めた。しかし日経平均は上昇基調にある。
その最大の原因は、やはり膨れ上がった投機資金にあるだろう。企業や個人が金融資産を貯め込んだところへ、中央銀行による膨大な資金供給が重なった。08年のリーマン・ショック後に、米欧中日の中央銀行が放出した資金量は20兆ドル(2200兆円)に達したとみられている。これらの資金の大半が、常に株式市場への参入を狙っているわけだ。
(続きは明日)
≪9日の日経平均 = 上げ +40.94円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫