◇ EUが「10月末までの延期」を認めた真意 = EUは10日の首脳会議で「イギリスの離脱期限を10月31日まで延期する」ことを承認、イギリス側に通達した。ただし5月下旬に開くヨーロッパ議会に、イギリスが議員を送り込むことが条件になっている。このため今後の可能性としては①イギリス議会が10月末までに協定案を批准し、その時点で離脱する②ヨーロッパ議会に議員を送らず、6月1日に“合意なき離脱”となる――の2つに絞られたとみられている。
だがアイルランドとの国境問題を巡って、イギリス議会がまとまる気配は全くない。しかしイギリス議会は「合意なき離脱には反対」の決議をしている。すると①も②も実現する可能性はゼロに近い。残された道は、国民投票によって“残留”を決めるしかないのではないか。EUはそのために必要な時間を、イギリスに与えたのではないか。
いまのイギリス議会は離脱派と残留派が伯仲しており、メイ首相がどんな提案を出しても否決されてしまう。だが“合意なき離脱”の恐ろしさが判ってきたので、これだけは避けたいという主張が多数を占める。この点は一般国民も同じで、いまもし国民投票を実施すれば“残留”票が過半数を占める確率はきわめて高い。
EUはこの方向を、最も望ましいと考えている。イギリスには大きな貸しを作れるし、他の加盟国に対する“みせしめ”にもなる。経済に及ぼす悪影響も、最小限度に抑えられる。もっとも、その場合でもイギリス国内での離脱派と残留派の激しい対立は続くだろう。しかし分裂はイギリスの国内問題に限定されるから、EUとしては傍観していればいい。
≪11日の日経平均 = 上げ +23.81円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
だがアイルランドとの国境問題を巡って、イギリス議会がまとまる気配は全くない。しかしイギリス議会は「合意なき離脱には反対」の決議をしている。すると①も②も実現する可能性はゼロに近い。残された道は、国民投票によって“残留”を決めるしかないのではないか。EUはそのために必要な時間を、イギリスに与えたのではないか。
いまのイギリス議会は離脱派と残留派が伯仲しており、メイ首相がどんな提案を出しても否決されてしまう。だが“合意なき離脱”の恐ろしさが判ってきたので、これだけは避けたいという主張が多数を占める。この点は一般国民も同じで、いまもし国民投票を実施すれば“残留”票が過半数を占める確率はきわめて高い。
EUはこの方向を、最も望ましいと考えている。イギリスには大きな貸しを作れるし、他の加盟国に対する“みせしめ”にもなる。経済に及ぼす悪影響も、最小限度に抑えられる。もっとも、その場合でもイギリス国内での離脱派と残留派の激しい対立は続くだろう。しかし分裂はイギリスの国内問題に限定されるから、EUとしては傍観していればいい。
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≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫