経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

“トランプ流”の 先を読む (上)

2020-01-23 08:21:45 | アメリカ
◇ 中国はそんなに輸入を増やせるのか = トランプ米大統領と劉鶴中国副首相は15日ホワイトハウスで、経済交渉に関する「第1段階の合意文書」に署名した。その内容は、①中国は今後2年間でアメリカからの輸入を2000億ドル(22兆円)増やす②アメリカは制裁関税のうち1200億ドル分の関税率を15%から7.5%に引き下げる――というもの。この結果、中国の対米輸入額は、約1.5倍に跳ね上がる。一方、アメリカの制裁関税は、中国製品の7割弱に対しては継続されることになった。

アメリカが問題視して鋭く追及していた中国の補助金政策などは合意に至らず、協議を続けることになった。したがって米中経済戦争が終息したわけではない。しかし18年7月に始まった関税戦争のなかで、今回はじめて引き下げが実現したことは事実。またアメリカが中国を“為替操作国”の指定から外したこともあって、市場には大きな安心感が生まれ、ダウ平均株価は連日のように史上最高値を更新した。

最大の注目点は、中国がそんなに輸入を増やせるかだろう。合意書によると、中国はことしだけで工業製品の輸入を329億ドル、農産品を125億ドル、エネルギーを185億ドル、サービスを128億ドル増やさなければならない。しかし中国経済は鈍化しており、自動車やLNG(液化天然ガス)が、そんなに売れるのか。アフリカ豚コレラで1億頭以上の豚が死んでいるので、大豆の需要も減っているはずだ。

もし中国政府がムリにでも合意を守ろうとすると、こんどは第三国がとばっちりを受ける可能性がある。たとえばブラジルは大豆の中国向け輸出が減るかもしれない。同様に日本やEUは自動車、オーストラリアはLNGといった具合に。したがって中国がどんな輸入政策をとるかは、世界的な影響を持ってくる――というのが、米中の第1段階合意を巡る現状の解説だ。さて、その先まで予想してみると・・・。

                                  (続きは明日)

       ≪22日の日経平均 = 上げ +166.79円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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