経済なんでも研究会

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正常化はゆっくりが いい / 中国

2022-06-07 08:02:50 | 中国
◇ 急激な回復は世界インフレに拍車 = 上海市の厳重きわまる都市封鎖が、2か月ぶりにほぼ解除された。市民2500万人の約9割が外出自由となり、地下鉄やバスなどの公共交通機関も動き出したという。コロナの新規感染者が、ピークだった4月の1日2万人から最近は15人に減ったためだ。ただ経済活動は再開されたものの、完全な正常化には時間がかかりそうだと新聞やテレビは報じている。

中国最大の経済都市、上海の完全封鎖は予想以上の損失をもたらした。上海市の小売り売上高は、1-4月で前年比14.2%の減少。4月の新車販売は、なんとゼロ台になった。鉱工業生産は61.4%も低下、コンテナの取扱量は17.2%減少した。この結果、中国経済全体にも悪影響が及び、習政権が目標とする22年の成長率5.5%の達成は難しいのではないかという予測さえ広がっている。

さらに外国企業にも、大きな損失を与えた。まず現地に進出した工場や商店が、2か月にわたって営業停止。加えて部品や製品の輸出が止まったため、多くの国で生産活動に支障が生じた。日本でもトヨタやスバルの国内工場が一時閉鎖されたり、半導体の不足でエアコン・洗濯機などの電気製品が品薄になっている。

こうした状況だから「正常化は早く」と願うのは、人情かもしれない。新聞やテレビも、そういう姿勢で解説している。たしかに早く正常化すれば、供給不足は早く解消するだろう。しかし回復が早すぎると、こんどはエネルギーや資源の奪い合いが始まり、世界インフレを助長することになりかねない。したがって上海市の経済正常化は「ゆっくり、着実に」の方がいい。

        ≪6日の日経平均 = 上げ +154.32円≫

        ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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