経済なんでも研究会

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動く原発 ・ 動かぬ原発 (上)

2022-06-08 08:00:35 | エネルギー
◇ 北海道電力と中国電力の落差 = 原子力発電所の再稼働をめぐる重要な決定が、相次いで発表された。札幌地裁による北海道電力・泊原発に対する運転差し止め命令と、島根県知事による中国電力・島根原発の再稼働に対する同意の表明である。これによって島根原発2号機は来年にも動き出すが、泊原発1-3号機の再稼働は難しくなった。この夏や冬の電力不足が真剣に心配されている状況で、泊原発が動けなくなったことは非常に痛い。

札幌地裁は5月31日、泊原発の運転差し止めを命令した。理由は「津波に対する安全性の基準を満たしていない」こと。この裁判は10年も続いてきたが、北海道電力は裁判所が求めた説得力のある資料を提出しなかったようだ。判決文をみると、地裁側はかなり憤慨している様子がうかがえる。一方、島根原発の方は、中国電力が松江市や島根県など地元の説得に成功したらしい。

日本の原発は、東日本大震災の前には54基あった。それがいま、規制委員会の審査に合格したのは17基。地元の同意も得て再稼働できるのは、わずか10基にすぎない。合計した発電量は584㌔㍗、日本の電力消費量の6%にも満たない。しかも定期検査中の原発を除くと、実際に再稼働しているのは4基のみ。あとは東北電力の女川原発2号機が審査に合格、地元の同意も得て24年春の再稼働に向けて準備中だ。

泊原発1-3号機の出力は合計210㌔㍗。もし動けば、北海道の電力需要の約4割を賄うことができる。全国の電力需給は非常に逼迫しており、たとえば冬の電力不足は350万㌔㍗、110万世帯分にのぼるという予測もある。こうしたなかで泊原発が稼働できなくなったことは、大きな打撃と言えるだろう。その原因は、北海道電力の努力不足だけではない。根底には、政府の原発に対する方針の欠如がある。

                        (続きは明日)

        ≪7日の日経平均 = 上げ +28.06円≫

        ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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