経済なんでも研究会

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骨がない ‟骨太の方針” (下)

2022-06-16 07:44:11 | なし
◇ 将来像が全く見えてこない = いま日本は、数多くの問題を抱え込んでいる。コロナ禍やウクライナ戦争が惹き起こしたエネルギー・資源・食料の高騰。少子高齢化ガもたらした年金・介護制度の弱体化。そして低成長が続くなかでの人々の生活不安・将来不安・・・。しかし政府が決定した4つの計画を読んでも、これらの問題を解決するための具体策はほとんど見当たらない。

たとえばエネルギー・資源・食料の高騰については「緊急対策を講じる」「ロシア以外の調達先を多角化する」と書いてあるだけ。また原発については「脱炭素効果の高い電源を最大限活用する」と、従来の言い分を繰り返しただけ。景気対策についても「賃上げや価格転嫁など成長と分配の好循環に向けた動きを確かなものとしていく」と、きわめて素っ気ない。年金や介護問題、あるいは経済成長率への言及はなかった。

たとえばの話。原発は「将来的には全廃を目指すが、いまは非常時なので出来るだけ多くの原発を動かす」とか。経済成長率については「年平均2%の成長を目標にして、そのための財政金融政策を進める」とか。こういう具体的な表現があれば、国民も政府の姿勢を知ることが出来たはずだ。

日本人はいま「先が見えない」ことに困惑している。大停電はないのか、食料は不足しないのか。物価はいつまで上がるのか、賃金は上がるのか。年金や介護制度は大丈夫なのか。そして10年後、日本はどんな国になっているのか--政府はこうした疑問や不安に応える義務を負っている。だが今回の4計画では、それが欠落してしまった。骨のない‟骨太の方針”だったわけである。

        ≪15日の日経平均 = 下げ -303.70円≫

        ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 

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