◇ 金融バブルの残り火 = 先週末のダウ平均株価は3万3391ドル、年初に比べると244ドルの値上がりだった。同様に日経平均の終り値は2万7927円、年初来1832円の値上がりだった。ことしに入ってダウ平均は3万2500ドルと3万5000ドルの間を行ったり来たり。日経平均も2万5500円ー2万8000円のボックス圏から抜け出せなかった。それでも日米の株価は、ともに値下がりはしていない。
ところが企業の業績は、この間に大きく悪化している。アメリカでは物価上昇の勢いがなかなか収まらず、FRBの金融引き締めは長引く見込み。このため景気後退は避けられず、その影が企業の業績にも表れ始めた。ファクトセット社の集計によると、主要500社の1株当たり利益は22年の217ドルから、23年は190ドルに減少する見通し。
日本も似たような動き。コロナ規制の解除で経済の正常化ガ進むことは、唯一の明るさ。だが物価高で、個人消費や設備投資は委縮し始めている。欧米の景気が悪化し、中国の回復も緩やかになりそうだから、環境もこれから悪くなる。日経新聞が上場企業1153社の10-12月決算を集計したところ、純利益は前年比7.3%の減少となった。この3月期決算の見通しも、全産業で2.2%の増益と業績は急速に落ち込む。
業績が悪化する一方で株価が下がらなければ、PER(株価収益率)やPBR(株価総資産倍率)は悪化する。にもかかわらず株価が下落しないのは、まだ市場に豊富な資金が滞留しているからだと考えるしかない。FRBが金融緩和で市場に放出した資金量は、およそ9兆ドル。昨年6月から始めた量的引き締めで回収した資金は、まだ1兆ドルにも達していない。引き締めの効果が現われるまでには、まだ時間がかかりそうだ。
≪6日の日経平均 = 上げ +310.31円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
ところが企業の業績は、この間に大きく悪化している。アメリカでは物価上昇の勢いがなかなか収まらず、FRBの金融引き締めは長引く見込み。このため景気後退は避けられず、その影が企業の業績にも表れ始めた。ファクトセット社の集計によると、主要500社の1株当たり利益は22年の217ドルから、23年は190ドルに減少する見通し。
日本も似たような動き。コロナ規制の解除で経済の正常化ガ進むことは、唯一の明るさ。だが物価高で、個人消費や設備投資は委縮し始めている。欧米の景気が悪化し、中国の回復も緩やかになりそうだから、環境もこれから悪くなる。日経新聞が上場企業1153社の10-12月決算を集計したところ、純利益は前年比7.3%の減少となった。この3月期決算の見通しも、全産業で2.2%の増益と業績は急速に落ち込む。
業績が悪化する一方で株価が下がらなければ、PER(株価収益率)やPBR(株価総資産倍率)は悪化する。にもかかわらず株価が下落しないのは、まだ市場に豊富な資金が滞留しているからだと考えるしかない。FRBが金融緩和で市場に放出した資金量は、およそ9兆ドル。昨年6月から始めた量的引き締めで回収した資金は、まだ1兆ドルにも達していない。引き締めの効果が現われるまでには、まだ時間がかかりそうだ。
≪6日の日経平均 = 上げ +310.31円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫