LOVE モータサイクル 団塊世代のバイクライフ

02年式の古いロードキングで、ツーリングやキャンプを楽しんでいます。

グランドサークルツーリング 6/22 ⑩ 救急搬送寸前 

2012-07-06 19:14:43 | 2012北米ツーリング

食事が始まろうとする寸前に、気分不良でダウンしたMさん。

現地ガイドのKojiさんが、右手首の脈を診ようとするのだけれど、脈が取れない。
介護経験のあるFさんに交代しても脈が取れない。 

首の大きな動脈を探して、やっと脈拍の計測ができたけど、なにしろ脈圧が弱いらしい。

心拍数は1分間70回程だし、胸が痛いとか苦しい訳ではないのだけれど、寒気と冷や汗、それに頭のふらつきを訴えているんです。

もう、ホテルのオーナーやレストランスタッフのおばさん(おねぇさんかな? 40代くらいにみえたから、おばさんでいいか)も含めて、食事会場は騒然です。


(そういえば、その時、隣のテーブルにいた外国人夫婦はどうしてたかな? まったく記憶に残っていませんね)

救急車を呼んで、一晩入院させるしか無いのか? でも、言葉の通じないユタの病院で一人置いてけぼりになるし、その上、せっかくのツーリングも当然中止になるよね。

でも、命には代えられないし、救急車を呼ぶかなぁ。Photo   【でも】ばっかりですが。

それを嫌がるMさんは、『大丈夫だから』と言い張りますが、気持ちはわかるけどねぇ。 無理して大事に至ったりすると、大変な事だし。

レストランのおばさんは、「いつでも救急車を呼べるけど、どうするの?」と聞いてくるし。
さて、決断を下さないといけないのだけれど。

突然Mさんが、『痛てて 足がつった』というので、さわってみるとふくらはぎがカチカチに硬直しています。 下腿三頭筋といわれる部分ですね。

足首を曲げる方にゆっくりと力をかけて、筋肉をゆっくりとのばして行きます。同時に、筋肉を圧を加えて、硬直をとってやると、なんとか回復しました。 

ところが、次に太ももが(大腿四頭筋といわれる部分ですね。)、次にもう一方の足のふくらはぎ、そして太もも、脚全体が大変な事になってきました。

これは、水分や塩分が不足した症状で、カチカチに硬直しています。 こりゃあ、痛そうだ。

冷静になれ!慌てるな、俺!

ここで、冷静に症状の分析。って、慌てていなければ、すぐに判る事なんだけど、その場では、なかなか冷静な判断ができなかったんですよ。 
外国でのツーリング中という、特殊な環境だったし。(と言い訳のような)

 めまいでしょ、立ちくらみでしょ。こむら返りなどの筋肉の硬直に、大量の汗でしょう。
 それに、頭痛と吐き気がして、体がだるくて力が入らない、そして集中力の低下

そうか、熱中症の症状そのままじゃないか。 

あまりの暑さで、水分や塩分、糖分などが失われて、脱水症状を起こしかけているんだ。

意識障害や運動障害まで出ているようだと、速効で救急車要請、そして入院させるところですが、この程度なら熱中症としては中度の症状のようだし、一晩様子をみてから判断することでも良さそうです。

そこで、カップに水を貰って、テーブルの上にあった食塩とコーヒー用の砂糖をぶち込んだ簡易スポーツドリンクを作製。 頭を上げられないMさんのために、Hさんがストローで少しずつ飲ませてやります。

一番冷静だったのは、すぐ隣に座っていたYさん。 ビールを楽しんで鱒をメインにした食事もしっかりと食べていましたね。

このあとも、煙草も焼酎も楽しめましたけど、Yさんはその後が大変でした。って、ここらあたりの結末は、また後からブログに書き込みます。

大量に飲まさないといけないのだけど、幸い、アメリカサイズのカップはでかい。
日本のLLサイズは十分にあるんです。 Mさん、良かったねぇ。

コップ2杯のドリンクを飲ませて、少し体調が改善したMさんをベッドで休ませる為に、少し離れたキャビンに連れて行かなければいけません。

症状を心配してくれるレストランスタッフのおばさんに、「救急車はいらないから」と連絡して、現地ガイドのKojiさんが小型の4輪バギーを手配しに行ってくれた。

ホテルのオーナーが運転してきたのは、なんとKawasakiの4輪バギー車。 それに、『一人で歩ける』と介助をいやがるMさんを強引に乗っけて、キャビンまで運びました。

今夜、一晩中介護するのは、同室のHさんです。 頑張ってね。

とりあえず今夜一晩様子を見てみる事

明朝、症状の改善がなかったら、病院に入院になること。 

症状が改善しても、明日1日はバイク禁止、サポートカーで移動すること。

を納得してもらいました。 なかなか、説得は大変でしたけどね。

その後、参加者全員で安全運転と体調管理、特にのどが渇かなくてもこまめに水分補給 !を確認しあって、部屋に戻りました。  

翌日からのツーリングで、一人も脱水症状を訴えるメンバーが出なかったのは、Mさんのおかげなのかもしれませんね。(笑)

さすがに、この間の出来事は、だれも写真をとっていません。 それだけ泡を食っていたと言うことでしょうか。

誰かひとり、記録係を指名しておけば良かったかな。と、今だから言えます。

さて、満天の星でも眺めてから、寝ましょうかね。 ミルキーウェイがきれいな夜です。


グランドサークルツーリング 6/22 ⑨ レッドキャニオンのキャビン

2012-07-06 10:53:13 | 2012北米ツーリング

ブライスキャニオン手前の今夜の宿泊地レッドキャニオンに着きました。 周りを見ても、なんにも無い静かな高原です。  たぶん、標高は2000mを超えている位かと。 涼しいですね。

ハイウェイUs89 89号線とブライスキャニオンに向かう12号線の分岐点の近くです。

ロッジスタイルのレストランとログキャビン風のコテージが並んでいます。

舗装路から右にハンドルを切り、細かい砂利の敷かれたモーテルの敷地に乗り入れるときには、疲れていることもあって立ちゴケが怖くて、ちょっと肩に力が入ります。

Hさんのバイクは、ややエイプ気味のハンドルに、バンス&ハインズのうるさいマフラー。

そのバイクを駐めようと足を着いたとたん、ライディングシューズの靴底部分が、ペロンと剥がれてしまったらしいんです。 

気温の高さで、糊が熔けた訳じゃないでしょうけど。 残念ながら見ていないのだけれど、見ていたら大笑いです。 

その場でゴミ箱行き決定。 Hさんがアメリカに捨ててきたのは、靴とヘルメットと壊れた時計だったかな。

さて、今夜のモーテルは、道路脇にポツンと建っています。遠くになにか建物が見える位で、アメリカの村ってほとんどこんな感じなのでしょう。 

ESTAURANTと大きく書かれた建物の前にバイクを止めて周りを見渡すと、L字形に建てられた木造の山小屋風の建物が、どうやら今夜の宿になるらしい。

今夜の宿の組み合わせは?と、目で訊ねられたので、「昨夜のホテルと同じでいいですか?」と訊ねてみました。 
最初は、日替わりでメンバーを変えていこうかな?と思っていたのだけど、なんだか面倒くさくなってきた。 

それに、誰と組んでも特に支障があるようでもないし。 いびきに歯ぎしり、たばこにお酒、寝言に人間性などなど、すべて問題なし!(笑)   2組の夫婦については、関知しませんけどね。

部屋の鍵をKojiさんに貰って、それぞれのキャビンの前にバイクを移動させたら、ワイヤーロックとディスクロックでバイクを固定。 

まさか、こんな田舎で盗難に遭うとは、とても思えませんけど、契約ですから。
隣のキャビンの外人さん達(今は自分たちが外人なんですけど)のバイクも、なんにも盗難対策なしで駐めてあるし。




部屋は、大きなベッドと洗面所、それにシャワーとトイレが一つになったバスルームだけのシンプルな造りで、なかなかきれいな部屋です。
突き当たりの洗面所には、アメリカらしく、コーヒーメーカーとレギュラーコーヒーのパッケージが置いてありました。

で、あれ?と思うのは、ベッドです。 なんのために、大きな枕が3つも置いてあるんでしょうか? はっきりいって、旅の間、邪魔にしかならなかったのですけどね。

今日一日でかいた大量の汗をシャワーで洗い流して、さっぱりした所で、夕食を取るためにレストランに向かいました。
昼の食事で、おなかはほとんど空いていないのが残念。

レストランの一番奥にテーブルをセットして貰った私たち11名。 今日の感想を、鹿児島弁丸出しで思いっきりしゃべりまくるものだから、まあそのうるさい事と言ったら。 

初めてのアメリカ、初めてのインターステーツ道、初めての経験だらけですから、車で旅行中の隣のテーブルのご夫婦、許してくださいね。


食事の注文でも、肉だ、魚だ、ステーキだ、ビールは、なに、地元の生があるのか?などと一騒動です。 

あまりお腹が空いていない私が注文したのは、「スープ&サラダ」と水。  8$51¢

Mさんも食欲がなさそうで、同じものを注文しました。

料理が運ばれてきましたが、なかなか美味しそうだし、クリームシチュー風の料理だけでも十分すぎる位です。 

Mさんが元気がなさそうなので、「大丈夫? ちょっと元気がなさそうだけど」などと話をしながら食事を取っていると、料理にもてをつけないままで、横になるMさん。

「あれ?どうしたの?大丈夫?。」 具合が悪い人に、大丈夫?って聞くのはおかしいのだけど。

『うん、なんだかふらふらする。』 

「病院から貰ってきた薬は飲んでるの?」 「心臓は苦しくないよね。」 

『ちょっと、誰か私の脈を取ってみて。』

・・・・・・と、大変な騒ぎになってきました。 長くなりそうなので、次回に詳しく。