蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

重力波  (bon)

2016-02-13 | 科学・生物

 昨日(2/12)の朝刊トップ記事の「重力波を初観測」に目が吸い付けられました。
 わが浪漫倶楽部としては、見過ごしてしまう訳には行かないと思い、記事アップした次第です。
しかし、私の知識、理解力の限界の外にあるため、理解できていないまま記事アップする非礼を、
先ずもってお許しいただかねばなりません。 そして本件についてご支援くださる方がおられましたら、
どうかご教授賜りますようお願いする次第です。

 以前にも、重力波の話を聞いて、その時に少し調べてみたのですが、どう言うものなのか? 
光、電磁波のように基本的な重要な現象であるようですが、今一つ具体的なイメージがつかめないまま
時が過ぎてしまいました。

 そんな状況にいたところに、このトップ記事が飛び込んできて、ノーベル賞クラスの快挙だと報じられて
いて、新聞の解説を何度も読み返しましたが、“池の外側を回っているような”感じで、その水は冷たいのか?
底は深いのか? 何か生物はいるのか?・・何一つつかめないもどかしい思いでいます。 得意のネットに
頼るしかない・・という思いで、片っ端からネット記事をあさって見ましたが、どうも基本となる出所が
同じでは? と思われるような記事内容ばかりで、親切心もなく、“まる写し?”みたいな感じで
がっかりしました。やはり安直ではだめなんですね。

 質量の重い物体が衝突などを起こした時に、“時空の揺らぎ”が発生し、それが“さざなみ”として
光速で拡散する。その波(重力波)が今回、地球上で観測されたというのですが、簡単に“時空の揺らぎ”
というのが、具体的にどのようなことなのでしょうか?

 池に石ころを投げると、ポチャッと音がして、さざ波が周囲に拡散(伝搬)して行きますね。
水面つまり空間に歪が生じ、時間と共に拡散して行きます。これは波動であって、重力波もこの波動現象では
ありますが、さらにこれとは違う特徴を持っているというのです。 重力波は“時空の揺らぎ”
と言っていますから、時間の揺らぎが伴うのですね。つまり、時間が早く進んだり、やや遅く進んだり
しながら拡散して行くのですね。 以上から、重力波というのは、それが発生すると空間に波面のような
ものが出来、それが時間が早遅の歪を伴いながら拡散すると理解してよいのでしょうか?

 観測装置・・装置といっても今回観測に成功したアメリカの「LIGO」は、長さ4kmもある2本の
真空パイプを直角に設置して、そこにレーザー光線を照射して、各々200回往復させるという巨大なもの
だというのです。真空パイプの遠端に鏡を置き、レーザー光線を反射させるのですが、直角に設置された
両パイプの基点では、通常はこの両レーザー光の位相がちょうど打ち消すように調整されていて、
もし、重力波の歪が生じた時は、両真空パイプの長さが変化し、両レーザー光の位相のずれが基点で
測定できるとしたものだそうです。  なるほど・・。これだと微小な変化も測定可能であるでしょう。 
ところで、この現象は、重力波の歪により長さ4kmの真空パイプが、直角に設置された一方で縮み、
他方が延びる・・というのはどうしてでしょう? 重力波は時間と空間を歪ませるというが、空間の中には
物体自体も含まれることになるのですね。 また、直角に設置しているのは、押し寄せる波を感知するためなんですね。(腕の長さが4kmというのは、これ以上だと地球が丸いため、光が直進できないから)

 この歪の大きさは、ごく微小であるらしい・・ので、これまでは技術的に観測出来なかったのですが、
どの記事を見ても、太陽~地球の距離(1億5000万km)でも、わずか1億分の1cm変化させる程度だと
述べられています。 4kmのパイプ、往復で8km、それを200回繰り返すと、 8000m×200=1600000
ですから、センチでいえば、1億6000万となり、十分 センチ単位の観測が可能であることが分かります。
しかし、この重力波は、どこで起きたのでしょうか? 太陽とは無関係で、もっともっと遠いところで
起こるのですね。

 このような観測所は、アメリカの「LIGO」の他、イタリアの「VIRGO」、そして、日本の「KAGRA」が
あるのですね。KAGRAは、Kamioka GRAvitational wave からつけられた、大型低温重力波望遠鏡で、
日本らしく「神楽」をイメージした命名だそうですが、現在岐阜県神岡に建設中で、来月(3月)
には、
試運転が開始され2017年度には観測運用に入るそうです。この点から言えば、一歩先んじられた感は
否めませんが、KAGRAは、地下200mに建設(真空パイプは3kmで、やはり直角に設置)され、振動の軽減や
反射鏡の冷却による熱雑音の軽減の点でより優位な条件であるのだそうです。新しい発見が期待されるところです。

 KagraHP (http://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp)にもいろいろと解説がなされていました。 
ちょうど100年前、1916年にアインシュタイン博士が提唱した「一般相対性理論」で予想されていて
「最後の宿題」とまでいっているこの“重力波”の観測に成功したということは、人類が初めて新しい
“観測手段”を手に入れたことに大きな意義があるのだと理解できるのです。 つまり、人類は、
もともと可視光でしか自然を観察することが出来なかったですが、19世紀になって電波やX線が発見されると、
遠くに情報を伝えたり、人体や物質の内部の様子を観察することが出来るようになりました。つまり、
次々と新しい観測手段が発見されると、それまで未知であった世界への扉が開かれ、人類の知識の増大、
そして新しい可能性へと期待が広がるのです。ここに、今回の観測成功の最大の意義があるのだと思います。
すぐに何かの役に立つ・・とか、そのような可能性ではなく新しい手段が手に入ったことによるもっと広い、
今まで想像もつかなかったような可能性が期待されるのですね。

        KAGRAポスター
           (KAGRA HPより) 


 KAGRAホームページには、

「科学者たちが期待しているものは、
・アインシュタインの一般相対性理論の検証
・宇宙誕生のより初期の情報の取得、および宇宙重力波背景放射の検出
・非常に強い重力場での物理現象の観察 」

とされていますが、更に広く我々にも関連した新しい発見や実現があるかもしれません。

 

 当ブログに「宇宙の謎 解明に挑む」(2014.1.7)の記事アップをしていますが、この時は、従来型の
観測手段である電磁波を用いた、新しい観測能力として、TMT(直径30mの電波望遠鏡)の建設でした。
この望遠鏡により、134.4億年前の「宇宙の夜明け」くらいまで観測可能とされていますが、今回の重力波に
よればさらにその先「宇宙の晴れ上がり」(ビッグバンから38万年後)あたりまでも観測・解明されるかも
しれません。つまり、「宇宙の暗黒時代」が解明されるかもしれないのですね。 
この時に、参照しました図を再掲しておきます。

         

 


 消化不良のままの駄文を長々と辿っていただきまして恐縮です。さわやかな音楽でスッキリとされてください。

 

 

 

 

 

 

 

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この地球  (bon)

2016-01-30 | 科学・生物

 海底下深部の話が出ていました。

 かって聞いたことがある中に、我々の科学は、地上はるか上空―宇宙まで かなりの部分まで解明
されていて、月や惑星などの観測も進んでいるのに、地下部分に至っては、皆目わかっていない・・
そんな話を覚えていましたので、先の会報 新年号に出ていた「海底下深部」の話(平朝彦氏、
海洋研究開発機構理事長)は、大変興味を持って読みました。

 しかし、話の内容は、その範囲が広く難しいので、ネット調べと並行しながら理解に努めたのですが、
ストンとくるどころか、海底下深部を知るために、マントル(地殻と核の間にある岩石の層、
地下10km)や、それに乗っかるようにして移動するプレート(岩盤)など、そもそもの地球誕生の
歴史みたいな方向にどんどん進んで、止まらなくなりました。

 そういうことで、深海に入る前に、地球史について、これまた興味がある話ばかりですが、
とてつもなく大きな(古代の)話ですので、ガバッと端しょって見て行きたいと思います。

 プレートテクトニクス(plate tectonics)は、プレート理論とも言われて、1960年代後半以降に
発展した学説で、地球の表面が、何枚かの固いプレート(厚さ100kmの岩盤)で構成されており、
このプレートが、海溝に沈み込みながら、対流するマントルに乗って移動しているとする理論の事
なんだそうです。 地球上には、南北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどの大陸がありますが、
これらの大陸は、この理論によって、2~3億年前に存在していた超大陸が、分裂・移動して現在のような
形になったと説明されています。アフリカと南アメリカの海岸線はほぼ一致していますね。地質、
古生物などからこれが証明されているのです。

 10億年くらい前から、大陸は分裂したリ、集まったりを繰り返していましたが、2~3億年前に存在していたパンゲア超大陸が南北に分裂を始めて、北はローラシア大陸、南はゴンドワナ大陸となり、両大陸は、更に分裂して現在のような形になったのです。

  パンゲア超大陸(ウイキペディアより)   地質時代区分(ウイキペディアより)
             


 この頃から1億5000年前頃はジュラ紀と呼ばれ恐竜や鳥類がいたそうです。あの映画“ジュラシック
パーク”を思い出します。  地球上の大陸も何億年のオーダーで考えれば、変化しているとなれば、
現在の地球の姿もはるか未来には、また違った世界となっているのでしょう。地球史のうち、
5億4200万年前の「カンブリア紀」以降のいわゆる「顕生代」について、当ブログの2012.2.24記事
“絶滅種”をご参照ください。

 戦後になって、大西洋の真ん中に中央海嶺(海底山脈)を発見し、新しい海洋底が形成され、それが
少しずつ左右両側に拡大しているという。アメリカの深海掘削船の調査で、中央海嶺から遠ざかるにつれ、
海洋底の年代は古くなることが確認され、海洋底拡大が証明されています。

 また、日本列島はというと、5000~3000万年前頃、ユーラシアプレートの東端および北アメリカ
プレートの2つの大陸プレートの下に太平洋プレートとフィリピン海プレートの2つの海洋プレートが
沈み込む運動によって、その原型が形成され、2000~500万年前あたりに日本海が形成されて、
ユーラシア大陸から切り離された弧状列島になったと考えられているのだそうです。(日本神話では、
イザナギ、イザナミノミコトによって、先ず淡路島が作られたとなっています。) 

 したがって現在も、北米プレートとユーラシアプレートは押し合って、その下にフィリピン海プレートが
沈み込み、さらに太平洋プレートが北米とフィリピン海の下に沈み込んでいるというのです。
つまり、太平洋プレートは、3つのプレートの下に沈み込んでいる異常なプレート構造を成していて、
その境界上に日本列島があるのだそうで、この海洋プレートの沈み込みが原因で、世界有数の火山地帯と
なっているのです。 会報では、「東京はこれら4つのプレートが相互作用する、地球上で最も活動的な
場所で、直下型大地震のリスクが世界有数に高い場所に3000万人もの人が住んでいる。」と怖いことを
言っています。

 地球深部探査船「ちきゅう」(57,000t)が、就航して昨年が丁度10周年に当たりますが、
他の科学掘削船と違って、世界初の「ライザー掘削」方式という、ライザーパイプ(太いパイプ)の中に
ドリルパイプ(細いパイプ)を入れ、二つの間に泥水を循環させることで堀くずを全部船上に上げるため、
海底下 7kmまで掘削が可能な優れものだそうです。

         地球深部探査船「ちきゅう」
           (JAMSTEC HPより)
 

 で、この「ちきゅう」の活動目的は4つあり、①巨大地震の震源域を直接観測することを第一目的と
しています。プレート境界面を直接調査することによって地震発生のメカニズムを解明し、地震予測に
つなげる。 ②マントルの試料採取で、マントルの組成や物性を調べること。しかし、まだ掘削技術が
マントルまで達していないので、今後の課題とされています。 ③地下生物圏の探査。これにより、
地球生命の誕生と進化のなぞを解明に役立てる。 ④地球環境の変動調査。過去の地球の姿を調査する
ことによって、未来の地球の姿を予測する。 とされています。

 東日本大震災(2011.3.11)の震源域で、太平洋プレートと北米プレートの境界断層帯の部分が移動した
ことを、プレートの摩擦熱の余熱を測定することで立証されたのでした。 史上初めて巨大地震が
発生した震源域の断層を掘削し、7km海底のさらにその下820mのプレート境界断層の異常な
温度上昇(0.2℃:摩擦熱=余熱)が観測され、“北海道~東北地方を載せた北米プレートが、太平洋
プレートの粘土層の上を滑った。”時の余熱であることが判明し、これが、大地震と大津波の原因である
ことが立証されたとありました。

 また、地下生命圏の探索についても目覚ましい成果を上げているとあります。海底には多くの微生物が
いるようで、海底400m位までは、1cm²あたり10万を超える微生物がいるそうですが、さらに深海に
なると、数はぐっと減って、海底下2.5kmともなれば極端に減少して生命圏の限界と推定されています。
これらの調査を通して、青森県八戸沖の海底下1.5kmあたりは、2000万年前には湿原と森林だったことが
分かったそうです。

 これらの微生物は、海底下でも有機物を分解し、メタン(天然ガス)を生成して、それが海底付近まで
上がってくると、メタンハイドレートとなり、日本近海に多く分布していることが分かっています。
科学掘削船「ちきゅう」は、メタンハイドレート事業にも協力しているという。 既に渥美半島沖の
海底からメタンハイドレートをくみ上げて、メタンを産出する試験に世界で初めて成功したという。

 地球の内部を深く調査することは、地球がどのようにできたか、そして将来的にどのようになるのか
などの解明に役立つだけでなく、直接的には、大規模地震の原因の解明およびその予知などの切実な
目的を達成する重要な役割を担っていますが、併せて地球資源の探査にも大きな期待がもたれている
ことが分かりました。

 遥か遠い昔、137億年前に宇宙が出来て、それから90億年ほど経った、46億年前に地球が出来た。
マントルの移動や火山爆発などにより大陸の分散・集合が繰り返されて、6億年前にはゴンドワナ超大陸が
出来、2億5000年前にはパンゲア超大陸となり、その5000年後にはこれが分裂を始めて、現在の地球上の
大陸の形が出来たという。

 生物も、当初はバクテリアのような物から、光合成の生物が出現し それから30億年もすぎて、
クラゲやコケ類が出現し、5億4200万年前のカンブリア紀を迎え、生物の多様化が一気に進み、
植物の上陸が始まり、脊椎動物の出現から、哺乳類の出現、6500万年前には霊長類が出現し、
それがヒト科とオランウータン科に分欺するのが1500年前。ヒマラヤ山脈は、4500万年前にできた
のだそうです。

 どれも気の遠くなるような話ばかりですが、よくもまぁ、これらのことが分かったものだと思います。
しかし、世の中には、まだまだ未知のことがいっぱいあるってことも分かりました。

 

 

 

 

 

 

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エピジェネティクス  (bon)

2015-07-10 | 科学・生物

 聞きなれない言葉ですが、ご存知でしたでしょうか。

 最近急に、活発に議論されてきているそうで、論文数も激増しているようです。
ライフサイエンス(生命科学)の一つなのです。
難しく専門的ですので、なかなか理解はできませんが、
どのようなことか? ホンの入り口だけご紹介したいと思いました。

 それというのも、先日手元に届いた会報に、エピジェネティクス入門(仲野徹 阪大大学院生命
機能研科長・教授・医博)と題する記事があり、DNAの構造が同一であっても遺伝的に異なった
現象が起こるという、生命科学分野の新しい解明が出来るというだけでなく、このことが生活習慣病などの
疾患の発症から、植物の生理、動物の社会生活まで幅広く関与していることが明らかになっていると
いうのです。

 では、エピジェネティクスとはどういうモノか、にわか勉強で分かりにくいですが、サワリをご紹介します。

 エピジェネティクスの具体例として、エピジェネティクス最新の研究動向(伊藤裕子、科学技術・
学術政策研、薬博)と題する論文に次のように述べられていました。
「一卵性双生児は、ゲノムの遺伝情報が同じであるのにもかかわらず、その身体的特徴および性格や
嗜好に違いがあり、さらに、病気の発症の有無や症状の程度に差が見られることが知られている。
しかも、これらの両者の“違い”は、幼少期には小さく、成長するに従って大きくなる。また、
動物では、ゲノムが同一であるにもかかわらず、元の動物の毛色や模様のパターンがクローン動物に
受け継がれないことが知られている。 可愛がっていた三毛猫のクローンをつくることを試みても、
誕生したクローン猫は似ても似つかぬパターン模様の二色の毛色のネコになってしまうということである。
これらは全てエピジェネティクスの身近な例である。」と

 また、他の記事からも別の見方として引用しますと、

「 私たちの遺伝子は、DNAで構成されています。このDNA配列に変化が起こると、その変化は細胞分裂を
介して、あるいは個体を通して、次の世代に受け継がれます。このような変化を、遺伝的変化と呼びます。
そしてこのような遺伝子の変化と表現型の変化を結びつける学問を遺伝学(ジェネティクス)といいます。
 一方、DNA配列に変化は起こらないのに遺伝子の機能が変化し、その表現型が次の世代まで受け継がれる
ことがあります。たとえば、私たちの身体を構成する細胞は、基本的には同じ遺伝情報をもっています。
ところがそれぞれの細胞は発生分化の過程で、特異的な性質を子孫細胞に伝えるようになります。
このようにDNA配列の変化がないのにその形質が子孫(細胞)に受け継がれることをエピジェネティクスと
いいます。」

 そうなんです。おなじDNA配列なのに、遺伝的に異なる発現があるというのですね。
いったいどういうことなのか? 仲野教授は、アナロジーとして、下図の“巻物”で説明されています。

 


                                              (仲野教授発表資料より)

 つまり、図のように23,000の文章からなる巻物があるとして、この巻物の文章が、それぞれ、
読み取る(活性的付箋)、読まない(抑制的付箋)、読めない(伏せ字)などが施されており、
これらの情報に従って、巻物の“発現状況”が異なるという訳です。 この23,000の文章というのは、
ゲノム(全遺伝情報)の中の遺伝子の数であり、ここに付箋などに従って発現した個体は、おなじ
DNA配列でも性質などが(遺伝的に)異なるというのです。

 もう少し、専門的にその構造を見てみますと、図にありますように

        DNAの構造
          (国立がん研HPより)

DNAは、数珠あるいはネックレスのように、ヒストンというたんぱく質に巻き付いていて、
このヒストンの尻尾であるヒストンテールがアセチル化という化学修飾を受けると、遺伝子が発現
しやすくなる、すなわち読みなさいという付箋が付いた状態になる。 反対に、このヒストンがメチル化
修飾を受けると、読んではいけませんという付箋が付いたようになるというのです。また、DNAの
4つの文字であるACGTのうちC(シトシン)だけがメチル化修飾を受け、そうなると巻物の伏せ字に
されて、遺伝子が発現しにくくなる。つまり、これらをまとめて、仲野教授は、次の図のように表しています。

 
                              (仲野教授発表資料より)


 DNAが同じでも、遺伝的に少し違った個体が出来る理屈がわかったような気がしますが、では、

このエピジェネティクスが疾患と どのようにかかわりを持つのか、次第に明らかになっているといいます。
たとえば、“がん”についても、エピジェネティクスが重要な発症原因であることが分かってきたり、
さらに、骨髄異形成症候群といった白血病の疾患には、DNAメチル化を阻害する薬剤が有効である
などもわかってきた。エピジェネティクスは、殆どの生命現象に多かれ少なかれ関係しているのであるから、
ある意味ではすべての病気に関係しているという言い方も出来る。
最近では、がんや生活習慣病だけでなく、自閉症や統合失調症をはじめとした精神疾患、アレルギー性
疾患など、様々な疾患においてエピジェネティクスが関係しているのではないかといわれている。
しかし、これらを解明するには、今後さらなる研究が必要であると、教授は力説されていました。

 また、伊藤博士も、「異常な遺伝子発現を正常な遺伝子発現の状態に戻すといったエピジェネティクスに
関する基礎研究が進められている。さらに、再生医学でもエピジェネティクス研究の発展が期待されて
いる。再生医療で利用されるES細胞やiPS細胞のような全能性をもつ細胞(どの組織や臓器にも分化できる
細胞)から、目的の細胞や臓器を自由に作製(カスタマイズ)するためには、エピジェネティクスに
ついてのより多くの進んだ知識が必要になる。

 エピジェネティクスにおける遺伝子発現のメカニズムには、代表的な「ゲノムDNAのメチル化」
以外にも様々なものが知られている。 このメカニズムにはまだ不明な部分も多く、解明研究も活発に
進められている。」と述べています。

 これまで、動物や植物などで不思議と思われてきたことも、少しずつ解明されてくると同時に、
それらの仕組みが明らかになるとともに、そのことを医療などに活用することによって、より快適な
生活向上に向けた活動がなされているのですね。

 仲野教授の簡潔なまとめがありました。

 

                              (仲野教授発表資料より)


 

 

 

 

 

 

 

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古事記から(3)  (bon)

2015-05-07 | 科学・生物

天の岩屋戸

 アマテラスオオミカミは恐ろしくなって、天の岩屋戸の中に隠れてしまいました。

 そんなわけで、高天原(たかまがはら=アマテラスオオミカミが支配する天の国)も真っ暗になり、
葦原の中国(あしはらのなかつくに=高天原と黄泉の国の中間、すなわち地上の世界)も闇に
つつまれました。 こうして永遠の暗闇が続き、あらゆる邪神の騒ぐ声は夏のハエのように世界に満ち、
あらゆる禍が一斉に発生しました。

 このような状態となったので、八百万(やおよろず)の神様たちは、高天原の安の河原に次々と
集まって来て相談をしました。 まず、思金の神(オモヒカネノカミ=思索、思慮の象徴神)に考え
させて、不死鳥である長鳴鳥(ながなきどり)を集めて鳴かせ、次に安の河の川上にある堅い岩を取り、
天の金山から鉄を採ってきて、鍛冶師の天津麻羅(アマツラマ)という人を尋ねて洗練させ、
イシコリドメノミコトに命じて鏡を作らせ、また、多くの神々に命じてたくさんの勾玉(まがたま)を
貫いた玉の緒の飾りを作らせ、天の香具山の牡鹿の死体から抜いた肩の骨を、採ってきた樺(かば)
の木で焼いて占わせました。

 こうして神のお告げにより、天の香具山から枝葉の繁った五百本以上の賢木(さかき)を根こそぎ
抜いて、上の方の枝には、先ほどの玉の緒の飾りを取り付け、中には八尺の鏡(やたのかがみ)を
取り付け、下の枝には白と青の御幣(ごへい)を垂らしました。フトダマノミコトが、これらの品々を
神聖な幣として捧げ持ち、アメノコヤネノミコトが、荘重な祝詞(のりと)を唱え祝福しました。
その時、タジカラオノミコト(手力男命)が、天の岩屋戸のわきに隠れて立ちました。
そうしたところに、アメノウズメノミコト(天宇受売命)は、天の香具山の日陰の蔓(ひかげのかづら
=シダ系の植物)をたすきに懸け、マサキの蔓を髪にまとい、笹の葉を束ねて手にもって、
天の岩屋戸の前に桶を伏せて、それをドンドンガラガラ踏み鳴らし踊りだし、神懸かり(かみがかり)
になりました。女神のダンスはエスカレートし、乳房をかき出し、裳の紐を陰部まで押し下げたのです。
その様子に、高天原はとどろくばかりに、見ていた八百万の神様たちは、どっと大声で笑いだしました。

 岩屋戸の中のアマテラスは、外の大騒ぎを不思議に思って、岩戸を細めに開けて言いました。
「私が、ここにこもってしまったので、高天原も葦原の中国も闇につつまれ暗くなったというのに、
どうしてアメノウズメは、舞楽をし、八百万の神様たちは大声で笑っているのだろう。」 
そこで、アメノウズメが申すには、「あなた様にも勝る貴い神がいらっしゃるので、われわれはみな
喜び笑い、歌舞しております。」と申し上げている間に、アメノコヤネノミコトとフトダマノミコトは、
鏡を差し出してアマテラスに見せると、その姿が鏡に映ったので、ますます不思議に思って、
そろそろと岩屋戸から出て鏡の中を覗こうとしたところ、戸の側に隠れていたタヂカラオノミコトが
アマテラスの手をとって引き出し、すぐにフトダマが、注連縄(しめなわ)を天の岩屋戸の入り口に
引き渡し、 「もう、ここから中へは、帰ることはできません。」といいました。

 こうして、アマテラスが、天の岩屋戸から出てこられたので、高天原も葦原の中国も自然に太陽が
照り明るくなったのです。(神の死と復活再生の信仰が伺われるという。)

 そこで、八百万の神様たちは一同相談して、この事件の原因を作ったスサノオに罰として貢ぎ物を
出させ、ヒゲを切り、手足の爪を抜き、高天原を追放してしまったのでした。

 

ヤマタノオロチ(八岐大蛇)

こうしてスサノオノミコトは、高天原を追い払われ、出雲の国の肥河の川上、鳥髪という場所へ降り
立ちました。 この時、箸が川を流れ下って来たので、上流に人が住んでいるに違いないと思い、
たずねて行くと、老人と老婆が、少女を間に置いて泣いていました。 スサノオが、「あなた方は、
だれか。」と尋ねると、その老人が、答えました。「わたしは、この国のオオヤマツミ(大山津見)
という神の子で、名をアシナヅチ、妻の名はテナヅチ、娘の名は、クシナダヒメと申します。」
「あなたたちは、どうして泣いているのか。」  「わたしたちの娘は、もともと8人いましたが、
ヤマタノオロチが毎年襲ってきては、娘を食べてしまいます。今年も今、その大蛇がやってくる時期と
なったので、泣いているのです。」

                ヤマタノオロチ
                      (ネット画像)


 スサノオは、「そのヤマタノオロチというのは、どんな形の動物なのか。」と尋ねると、
「はい。それはもう恐ろしい怪物です。その目は、ホオヅキの花のように真っ赤で、胴体一つに
頭と尾が八つづつある大蛇です。そのからだには、コケや杉やヒノキの木などが生え、その長さは
八つの谷と八つの山ほどもあり、その腹は、一面にいつも血が滲んで、ただれています。」と
老人が説明しました。 スサノオノは、少し考えて老人に言いました。「あなたの娘を私の妻に
下さらないか。」 「恐れおおいことですが、しかし、あなた様はどなたでしょうか。」 
「わたしは、アマテラスオオミカミの弟です。今、高天原から降りてきたところだ。」 老夫婦は、
「なんと、それは恐れおおいことです。わたしの娘を差し上げましょう。」と答えました。

 こうして、スサノオは、その娘を爪形の櫛に変身させ、髪に刺しました。そして、アシナヅチ、
テナヅチの老夫婦にこう命じました。「あなたたち、幾度も繰り返し醸した濃い酒をたくさん造って
ください。そして、家の回りを垣で囲んでその垣に八つの門を作り、その門すべてに、桟敷を作り、
その上に酒桶を置いて、そこに濃いお酒をたっぷり入れて待ち受けなさい。」

 老夫婦は、命じられたとおりに準備をして待っていると、やがてその言葉通りヤマタノオロチが
やって来ました。大蛇は八つの頭をそれぞれの酒桶に突っ込んで、酒を飲み始めました。
大蛇は、とうとう酔っぱらって、その場に大きな音とともに倒れて寝てしまいました。このとき、
スサノオは、身に着けていた十拳剣(とつかつるぎ)を抜いて、大蛇をずたずたに切り刻んでしまった
ので、肥の河が血の川となって流れていきました。そして、大蛇の中ほどの尾を切り裂く時に、
剣の刃が少し欠けました。不審に思って、剣の先を刺し、切り開いてみると、一本の立派な太刀が
現れました。スサノオは、これは珍しい変ったものだとお思い、アマテラスにこの事を話し、
これを献上しました。
これが、後にヤマトタケルが、敵から火ぜめにあったときに、草をなぎはらったということで有名に
なる「草薙の剣」(くさなぎのつるぎ)なのです。


 こうして、スサノオは、自分の宮殿を作る場所をこの出雲の国に決め、須賀の地にたどりついた時に、
「私は、この地にやってきてから、心がたいへん”すがすが”しい。」といって、ここに新居(宮殿)を
建てました。それで、そこを今でも「須賀」というのです。そして、初めて宮殿を建てられたときに、
その地から雲がもくもくと立ちのぼったので、次のような歌を詠まれたのです。


 や雲たつ 出雲八重垣(いずもやえがき) 妻隠(つまご)みに 八重垣作る その八重垣を
 (たくさんの雲がわき立つ わたしの宮殿 妻と一緒に暮らすための宮殿を造ろう その見事な宮殿を)


 そして、アシナヅチの神を呼んで、「あなたは、わが宮殿の首長に任じましょう。そして、稲田の
宮主(いなだのみやぬし)須賀の八耳(すがのやつみみ)の神と名乗りなさい。」と命じたのでした。

(クシナダ姫が、大蛇に呑まれるというのは、年ごとに雨期になると肥河が氾濫して流域の稲田が
壊滅する恐怖を、神話的に語ったものであるとされる。)

 スサノオは、妻のクシナダと寝所で夫婦の交わりを始めて、生んだ神の名はヤシマジヌノ神といい、
この神の五世の孫として大国主命が生まれるのです。大国主命は、またの名をオホナムヂノ神といい
この他計五つの名があります。 
(大国主命は、スサノオの六世の孫にあたるのですね。)         つづく


 

 

 

 

 

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雨にぬれても  (bon)

2015-01-26 | 科学・生物

 一昨日の記事、“愛宕山” の末尾の音楽(u-tube)に、たまたま表題の “雨にぬれても” をアップしましたら、偶然、
その夜のテレビ映画に、この歌が主題歌の西部劇 “明日に向かって打て” が放映されました。 
最近のテレビでは、EPG(番組表)機能によって、1週間程度の番組が画面で読めるようになっていますが、
このような機能も使っていなかったので、全くの偶然でした。  “なんだ!こんなことってあるのか?” と一人驚きました。

 で、その夜、21時からのテレビ映画 “明日に向かって打て” を観ました。
1969年のアメリカ映画で、数々のアカデミー賞を受賞しており、当時話題作であったのです。 実在の二人の
銀行強盗の逃避行が、緊迫した状況の中でも 独特のユーモアあふれる会話と共に描かれた名作です。

               明日に向かって打て
                   (ネット画像より) 


 ご存知の方には、不要な話ですが、あらすじは、もともと銀行強盗を繰り返す二人が別の二人組と組んで
ユニオン・パシフィック鉄道の列車強盗を繰り返し、鉄道会社はついに、最強の刺客を雇いひたすら彼らを猛追する。 
二人は、スペイン語が達者な恋人と共に南米ボリビアに移り、ここでも銀行強盗を重ねていくうちに、すっかり
ボリビアでも有名になってしまった。 
 やがて足を洗い錫山のマネージャーに雇われて給料袋のガードマンとなるが、給料袋を運んでいる時に
山賊に奪われてマネージャーは殺されてしまう。 二人は山賊を襲い給料袋を取り返した。 
しかし、二人は既に強盗を働くお尋ね者になっていた。
アルパコ鉱山の給料袋を奪って、近くの村の宿屋で食事をしていたところを 地元警察に見つかり 打ち合いと
なったが、やがて大勢の警察本体が取り囲み、二人は銃弾の雨に打たれてしまう・・と 
まぁこんなあらすじで、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード演じる二人の強盗が西部の荒れ地、岩山を
馬で逃げたりするシーンの圧巻振りに堪能しました。

                主役の二人
                    (アマゾンHPより) 

 

 まったく意識せずに、たまたま記事アップした音楽が、その日のテレビでその映画が放映されるなんて、
しかも、50年近くも前のアメリカ映画が・・・。こんなことがあったと、ブログ記事に記録させていただきました。

 

ふたたび、この映画のシーンと主題歌を・・

 

 

 

 

 

 

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孫とのお正月  (bon)

2014-01-10 | 科学・生物

 これまで何度も巡ってきたこの時期の過ごし方は、
当然ですが、年々成長と共に大きく変化していることに気づきます。

 今年のお正月では、孫は高1と中2(の女の子)で、その遊びもいわゆる双六やかるた(昔はいろはかるた、
昨年は歴史人物かるた)などは全く要求されず、ゲーム的なものでは、トランプ(7並べとかババ抜き、マジックなど)が
根強い人気の他、 新しく百人一首が主流となりました。
百人一首といえば、私の場合は高校になって、学校の授業にもあったりして初めて興味が出て 家族の仲間入りを
したように記憶していますが、今頃の子は既に中2で6~7割は、“上の句” つまり出だしを詠んだだけで、
字札を取ってしまいます。 
以前は単純なゲームだけでしたが、今年などはどれも白熱するというか、どうかすると既に負けているのでした。 
体力などは、さらに明らかに差があることを認識させられます。 
毎年、近場ですが初詣と称して出かけますが、長時間立ったままだったり、長く歩いたりすれば、こちらは
アゴが上がってしまいますが連中は平気なんですね。

 パソコン画面の文字の読み取りや、マウス操作などの速さは全くついて行けません。
持参してきた “お絵かきアプリ(ソフト)” も自分でインストールして、何時間も向かって絵を描いているのです。

 休み中の宿題も持参してきていて、姉妹が並んで一定時間取り組んでいる時が、小生にとってはその時ばかりは
静かで平穏な時なんですね。  時折、“この問題が分かんない!” と、お呼びがかかります。 
大体が数学や理科なので、こちらも安閑としていおれるのです。

 数学で、グラフや確率の問題のいくつかは、問題集の例題などをヒントに何とか答えられましたが、一つだけ、
回答が出来なかった “図形問題” がありました。 
これは、私の宿題として、後日ようやく答が出ましたが、図形問題なので電話で伝えにくく、奮闘してパソコン
(ワード)で解答を作成してメール添付しました。

皆さん、久しぶりに挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

問題です。

 三角形ABCの辺の長さが、図のようにAB=4、BC=2、CA=3 であり。
頂点Aの外角を2等分する線分とBCの延長線と交わる点をQとしたとき、

線分CQの長さ x の値を求めよ。
                                       

  ちょっと、考えてみられてはいかがでしょうか・・・ 
                       (私なりの回答を文末に載せていますのでご参考までに。) 

                                      

                

 

 

考え方と答えです。

 線分ACに並行な点Qを通る線分を引き、値3の点をPとする。
また、線分BAの延長線上で点Aから値3の点をRとする。
AC∥PQ、CQ∥APで四角形ACQPは平行四辺形である。

 一方、∠RAQと∠AQPは等しく、かつ                  
線分AR=QP=3で、四角形AQPRは等脚台形である。
この等脚台形の各頂点を結ぶ線の交点をMとする。

 

ここまでが、補助線を使った準備段階です。ここからが回答へ一直線・・。

 今、三角形RBQに着目して、底辺BQと辺AMの関係を求めれば、辺BQ=2+xだから、xを求めることができる。
では、線分AMはどのように表すことができるか?

AM∥BQだから、三角形RBQの辺RQは、RM:MQ=3:4となりますね。
等脚台形の対角線等しく、RQ=AP かつ、AM=MQとなる。
APは、平行四辺形ACQPだからAP=CQ=x である。

RM:MQ=3:4 で、RQ=x だから、RM=3/7・x、MQ=4/7・x となる。

 ここで、三角形RBQに戻って、

① AM:BQ=3: であるから、AM、BQに数値を代入する。

     AM=MQ=4/7x 、 BQ=2+x であるから ①に代入して

 4/7x:(2+x)=3:7

   3・(2+x)=4/7x・7

      6+3x=4x  ⇒  x=6(答え)     

 

 簡単でしたか?    

 

 

 

 

 

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宇宙の謎 解明に挑む  (bon)

2014-01-07 | 科学・生物

     (ちょっと長めで、申し訳けありません。

 宇宙には、我々の住むこの地球と同じような星“第2の地球”は存在するか? 
宇宙で出来た最初の星(一番星)を見ることはできるか? 
宇宙の暗黒時代が終わり“宇宙の夜明け”を迎える様子を直接見ることができるか?

 このようなワクワクする発見を目指して、世界中の天文学界で挑戦が続けられています。 これは他でもなく、
望遠鏡開発の歴史でもあるのです。
 

 お正月号として届いた会報に、14ページにわたる講演記録が掲載されていて、大変興味深い記事でしたので、
大胆に端折りながらここにアップさせていただきました。

 講演は、“次世代超大型望遠鏡TMTで見る宇宙” と題して、国立天文台教授・TMT推進室長 家正則氏が
昨年7月に行われたものです。(氏は、H23年秋に紫綬褒章受章、昨年度日本学士院賞に輝く。) 
 以下には、この講演記事の順を変えて、抜粋しながら私見も入れて記述させていただきました。

 

 TMTとは何か? Thirty Meter Telescope の略。 なんだ、そうか!

で、これまでで最大の、直径30mの超大型望遠鏡を開発するというのです。 日本、アメリカ、カナダ、インド、中国の
参加で今年(2014年)着工、2021年完成予定の国際プロジェクトです。 建設場所は、ハワイ島マウナケア山頂。
この山には既に “すばる望遠鏡” はじめ “ケック望遠鏡”、“ジェミニ望遠鏡” などが立ち並んでいるところです。

 直径30mの望遠鏡というのはどれくらい大変なものなのか? 
今から15年前に試運転を開始した当時世界最大の日本の “すばる望遠鏡” の直径は8.2mでした。
 この開発は、夜間の冷気等で反射鏡のガラスが縮んで変形しないよう、膨張率ゼロの特殊ガラス製でなければならず、
当時そのようなメーカーは世界に2社しかない。 その1社で製造可能なゼロ膨張ガラスは、直径2mなので、
これを44枚張り合わせるという作業で作り上げたという。

 しかし、これら44枚のガラス1枚1枚に若干個性があって、変形を最小にする組み合わせは、
すべての組み合わせが10の62乗通りもあり 不可能なので、その内の10万通りを選んで計算により
もっとも歪が少なくなるように並べて、さらにこれを研磨する方法がとられた。
研磨は、鏡が単純な球面ではなく、“回転双曲面” という非球面で、わずかな凸凹を測り、凸の部分を少しずつ
磨いて行く方法をとるが、万一凹の部分を磨いて深くしてしまうと、その分だけ全面を磨きなおさねばならなくなるので、
細心の注意を要し、かつ忍耐強く研磨を続けるという作業です。 また、研磨の際に、生活振動や風や日照などで
揺れたりすることの無いよう、地下37mのところに専用の設備を用意したそうです。 
で、研磨作業は4年も続いたとか。
これをハワイ島マウナケア山頂まで運搬するのも大変だったと・・。

 

 望遠鏡がシャープな画質で観測できる、すなわち “視力を上げる” ために、3つの工夫が施されている。 
その一つは、観測中の鏡の歪を除去する工夫です。 重さ23t の鏡を261本のコンピュータ制御の支柱で、
常に歪の無い形状を保持できるようにされている。 各支柱には平均90kgの重さがかかる計算となるが、
この時わずか1gの変化も見逃さない精度を保つのです。 
仮にこれを体重計とすれば、飴玉1個をなめても発見されるという精度だそうです。

その二つは、温度変化への対策です。  ガラスは気温より遅れて冷えてくるので、夜間、外気が下がり
鏡の方が温かくなると “陽炎” が立ち、測定データの精度が落ちてしまう。従って鏡の冷却を実施されている。 
三つ目は、大気の揺らぎで乱れる天体からの光を補正するハイテク技術です。 新開発の “補償光学装置” により、
波面センサーで光の揺らぎを測定し、瞬時にこの光の揺らぎを打ち消す方式です。 
これにより、すばる望遠鏡の視力は10倍改善されたそうです。

 (20年ほど前、若くして急死された後輩の天文学者、磯部三さんを三鷹の天文台に尋ねた折、そこの天体望遠鏡を見学している時、“観測中は人の出入りは禁止なんです”といっていたことを思い出しました。途中で人が観測室に入ってくると風や温度の微妙な変化が観測を妨げるというのです。)

 

 この、すばる望遠鏡と1990年に稼働した “ハッブル宇宙望遠鏡” の性能を比較してみると、
ハッブルの主鏡は 直径2.4mで、すばるに比べて小型です。 しかし、ハッブルは宇宙に浮かんで観測するので、
大気や天候の影響を受けないのでその分有利といえます。 で、約40億光年の彼方にある銀河団をハッブルが
70分間、すばるが60分間露出して得た画像には、どちらも28等星まで捉えていて、その能力はほぼ等しい
ことが分かりました。 
しかし、鏡の直径が大きいすばるはそれだけ集光能力が勝っているため、より多くの期待が持てるのです。

 このように、天文学の興味は、さらに遠い銀河の発見、観測に向けられています。 
遠くにある銀河からの光が地球に届くまでに、空間が揺らぎ、光の波長も長くなる性質があるため、
本来の光は紫外線なのに地球に届く頃には赤外線の波長に変化してしまうのだそうです。
この現象を “赤方偏移” といい、赤方偏移の値が大きいほどその銀河は遠方にあるということになります。
そして、これを実現して行くのは、望遠鏡の主鏡の直径を大きくすることと、種々の補正装置の開発なのですね。

 

 すばる望遠鏡の観測チームは、赤方偏移4.8(124.1億光年)や、5.7(126.5億光年)、6.6(128.2億光年)と、
どんどん遠くの銀河まで発見して行くのです。 
2004年には、15時間撮影した41,533個の銀河の中で、ただ1つ目的の銀河、赤方偏移7.0を発見した・・とあります。 
当時、人類が見つけた最遠銀河なのだそうです。

 その後、次々とギネス記録を塗り替えて、2010年には赤方偏移7.215(129.1光年)の再遠方銀河の
世界記録保持者となったのです。

 ここで、興味深い図を転写させていただきました。

 (会報から転写しました。) 

 137億年前、宇宙は高温・高密度の火の玉状態 “ビッグバン” により始まり、その後、急激な膨張により、
図に示すように38万年後には約3000度にまで冷え、以降9億年頃まで中性水素原子と暗黒物質が主成分である
冷たい宇宙の時代 “暗黒時代” が長く続くこととなるのです。
その後、約3億年(赤方偏移14)~9.5億年(赤方偏移6)の間に宇宙再電離現象が起こり、これを
宇宙の夜明け” ともよばれる現象へと移って行く・・。

 2021年完成予定の “TMT望遠鏡” は、“すばる望遠鏡” に比べて、集光力13倍、解像力3.6倍、
効率感度180倍になるので、32等星、赤方偏移17 まで観測可能と想定されています。
 これにより、近い将来地球と同じように、暑すぎず寒すぎず、水が存在し、生命の居住が可能な“第2の地球”を
発見できるかもしれない。  また、TMTでは、赤方偏移17(134.4億年前)の宇宙まで観測可能と想定されていて、
“宇宙の夜明け” を迎える様子をより詳しく直接見ることが出来るかもしれない。 さらに、宇宙の構成要素の
70%弱を占めるという “暗黒エネルギー” の性質の解明に迫ることができるかもしれないという。

そんな壮大なことを目指して・・研究が進められているのですね。

            お疲れさまでした。

 

 

 

 

 

 

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黒豆 鹿被害から逃れて(pooky)

2013-12-10 | 科学・生物

お正月用の黒豆が無事収穫できました。

我が家ではお正月の「おせち料理」には欠かせない一品です。

                          収穫された黒豆 

黒豆の収穫までの経緯を見てみましょう。

今年の黒豆の種はTさんから提供を受けたもの 発芽して間もない状態 

鹿に食べられないように黒豆の成長点を網を掛けて保護 このようにしないと柔らかい新芽が食べられ花も咲かない。

今年は写真のように周りを囲い上部にも網を掛けて・・・入れないように防御しました。

毎年作っていましたが、昨年は油断して上の覆い網をしなかったら周りの網を乗り越え鹿に全部食べられ収穫ゼロ、

その教訓で上のような対策で鹿被害を抑えることに成功しました。

聞くところによると黒豆の産地、丹波篠山でも鹿の被害が出ているそうです。

無事収穫

枝から鞘を取った状態 これが結構面倒な作業ですが・・・

ここまで乾燥するのに約一ヶ月掛かりました。

全部が大粒とは?いかず 形の悪いもの、はじけてしまっているものなど色々ありますが、

久しぶりに沢山の収穫ができて満足しています。

一昨年の黒豆と比較してみると今年の黒豆は粒が大きいのが沢山あり煮豆にした時が楽しみです。

丹波黒を作っている篠山も寒暖差が大きいところですが、蓼科の畑も同様の気候で育っているので美味しさには期待できるでしょう!

黒豆の煮方は色々とありますが、私はふっくらと柔らかく炊くのが好きです。

黒豆には大豆イソフラボンや植物繊維、ビタミンなどが豊富に含まれいます。

その中でも、黒豆の黒い皮に含まれているアントシアニンは様々な効果・効用があると言われています。

年中食べるほど収穫量はありませんが、来年も頑張ってより良いものを作ってみたいと思っています。

 

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ちょっと大きな話   (bon)

2013-06-26 | 科学・生物

 夜空を見上げると無数の星が重なり合って、空が埋め尽くされているように見える。
都市部では空が明るいから無数の星は見えにくいけれども、望遠鏡などで見るとたくさんの星が見える。

 私たちの銀河系には、およそ2,000億個~4,000億個の恒星があるといわれ、
さらに宇宙全体には1,700億個の銀河が存在するといわれている。

 しかし、この宇宙はほとんど“からっぽ”だという。
星たちの大きさはといえば、平均的に太陽の大きさぐらいで、その直径は100万kmとか200万kmくらいの巨大なガス球だという。
そしてその巨大なガス球をグッと縮小して “夏みかん” くらいの大きさとすると、一番近い隣の星は、そこから
2,000kmも離れたところにあるのだという。実際の距離は、およそ4光年程度という。
星で埋め尽くされたように見える宇宙は実は“からっぽ”なんですね。

 反対に、ミクロの世界はというと、原子1個の大きさは、およそ1,000 万分の1mmくらい。
その中心にある原子核は、原子の10万分の1の大きさ。 
そこで、この原子核を今度は “りんご” の大きさまで拡大したとすると、原子の大きさは、なんと直径およそ10kmとなり、
原子の中にうっすらと電子が飛び交うような、やはり“からっぽ”なんですね。

 

 私たちの宇宙は、いまからおよそ150億年の遠い昔、限りなくまばゆい一粒の光が誕生した、いわゆるビッグバンですね。
そして急速に膨張しながら冷えて行く過程で光のしずくは原子のもととなる小さな基本粒子を生み、粒子は銀河となり、
銀河は星を、星は私たち人間を作りました。

 私たちの生命体を作っている重要な元素に炭素がある。この炭素は星が自分の重みでつぶれながら内部の温度を上げ、
核融合反応の過程で作られたものなんだそうです。
この星が、一生を終えて爆発し、炭素がちりばめられて我々が作られた・・。

 そして、この星が炭素を作ることができるということは、宇宙の重力の大きさが今あるような大きさでなければできなかったのです。
すなわち、重力の大きさが今より、10%大きいとすれば、星は激しくつぶれて急速に燃え上がり炭素は出来ずに死んでしまう。
逆に、今よりも10%小さかったとすれば、星の温度は十分に上がらずやはり炭素をつくることはできなかった。 
 あぁ、なんと素晴らしいバランスなんだろう。

 

 ここでのお話は、10年以上も前に読んでみた「宇宙の不思議」(佐治晴夫著、PHP文庫)から抜き読みで綴っていますので
分かりにくいかもしれませんが、たまには、このような壮大な浪漫に想いを巡らせるのもいいのではないかと・・。

天の川銀河 

      http://matome.naver.jpより転写)

 

 ここに、“宇宙カレンダー”という下りがあり、簡潔に紹介しておきたいと思います。

「宇宙史150億年を1年間に縮めたカレンダーを考える。
つまり、1月1日午前0時に宇宙が誕生したとして、現在はその年の12月31日午後12時だとします。
とすると、桜の季節前後の4月中旬に銀河系が形成され、初めての恒星が光りはじめるのは菖蒲の花が美しく咲き染める5月中旬。
紫陽花が初夏の風の中で香る頃、6月初めにはそれらの中で巨大な星は超新星爆発を起こして最期を迎え、
この超新星の “かけら” から、太陽系が出来始めたのは9月に入ってからです。
 やがて、10月の足音が近づいてくるころ地球が誕生する。そして師走も中旬を過ぎた頃に原始生物である三葉虫が動きだし、
12月31日、つまり大みそかの午後9時過ぎに人類の祖先がアフリカあたりに猿人として誕生したのです。
更に午後11時59分50秒ころに人間文明の証としてピラミッドなどが作られ、現代科学が急速に進歩して来ましたが、
その時間は、わずか0.1秒しか経過していないのです。」

 

 そして、この書のあとがきの著者の言葉を引用します。

 「この単行本が世に出てから5年の歳月が流れましたが、その間に私たちの地球は太陽の周りを毎秒30kmのスピードで
5回まわり、太陽系を含む恒星団は私たちを巻き込んだまま、銀河の中心に対して半径3万光年の円を描いて
秒速300kmで、470億kmという道のりを駆け抜けました。
そして、地球上ではいつものように雨が降り、風が吹いてさまざまなことが起こり、そして過ぎ去っていきました。・・(後略)」

 

<!-- Hawaian Songs -->

 

 

 

 

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助六        (mak)

2013-06-11 | 科学・生物

 新しい歌舞伎座の杮葺落六月大歌舞伎は、連日満員で熱気のこもった公演が行われております。

昨夜 6時から始まる3部目の演目は、幸四郎主演の「ご存知鈴ヶ森」と海老蔵主演の「助六」を観劇しました。



 先ず、銀座三越に立ち寄り幕間に食べる弁当を買い、そのまま地下を歩いて5分で歌舞伎座へ。弁当は演目に因んで助六寿司。
 
 演目が舞伎十八番のひとつ『助六由縁江戸桜』でしたので、主人公が『花川戸助六』、その恋人が『三浦揚巻』です。
おいなりさん・・・揚げ
のりまき・・・・・・巻き
 
余談はさておき、

   

 助六は、江戸の古典歌舞伎を代表する演目のひとつ。「粋」を具現化した洗練された江戸文化の極致として後々まで日本文化に決定的な影響を与えた歌舞伎宗家市川團十郎家のお家芸である歌舞伎十八番の一つで、その中でも特に上演回数が多く、また上演すれば必ず大入りになるという人気演目です。つい最近亡くなった市川団十郎の長男の海老蔵が花川戸助六
を演じるということで、観客席は熱気が沸騰していた。

出派の唄:
歌舞伎には、三味線、笛、太鼓と謡からなる伴奏がオペラのオーケストラ演奏なみに重要で、
 助六が花道から出る時の伴奏音楽を特に「出端の唄」という。助六では、浄瑠璃の流派の一つである「河東節」が謳われ、専業で行う者は今も昔も非常に少ない。このため、『助六』が上演されるときは、かつては蔵前の旦那衆が、そして今日では「十寸見会」(ますみ かい)という愛好会に所属する素人の語り手たちが、交代でこれを務めることになっている。ただしここでいう素人とは本職が別にあるという意味で、その技量は玄人はだしであることはいうまでもない。
 私の会社の同期入社の友達が「河東節十寸見会ご連中」のメンバーに加わっており、
なかなか手に入らない人気演目助六のチケットを購入出来、貴重な経験が出来た次第。

助六のあらすじ:
花川戸助六(はなかわど すけろく)という侠客に姿をやつした曾我五郎は、源氏の宝刀「友切丸」を探すため吉原に通っている。様々な男が集まる吉原で、遊客にわざと喧嘩を吹っ掛けて刀を抜かせようというのである。そこに助六を情夫にしている花魁の揚巻(あげまき)と、揚巻に言い寄る髭の意休(ひげの いきゅう)が登場。意休が友切丸を持っていると勘づいた助六は刀を抜かせようとするが、なかなかうまくいかない。そこへ白酒売に身をやつした兄の曾我十郎がやってきて弟に意見するが、助六の真意を知った十郎は自らも喧嘩を売る稽古を始める。

やがて揚巻が一人の侍を伴って再登場。助六はその侍に喧嘩を売ろうとするが、驚いたことにその侍は、兄弟を心配してやってきた母の満江であった。満江は助六に破れやすい紙子の衣を着せて、激しい喧嘩を戒めると十郎とともに帰ってゆく。

舞台には再び意休が登場。意休は実は助六が曾我五郎と見抜いており、友切丸を抜いて源氏を裏切ることをそそのかす。助六はもちろん応じず、意休(実は平家の残党・伊賀平内左衛門)を斬り、友切丸を取り返して吉原を抜け出す。

そしてこの多彩な登場人物たちが繰り広げるのが、江戸の名物「喧嘩」と「啖呵(たんか)」、「男伊達(おとこだて)」と「女伊達」です。「粋(いき)」と「きっぷ」です。

そうです。この「助六由縁江戸桜」というお芝居は「江戸を見る」お芝居です。そういう意味で、「時代物」というより「時代世話」と言った方が当たっているお芝居です。まるで豪華絢爛を誇る江戸吉原仲之町にタイムスリップしたような気分にさせてくれるお芝居なのです。


下記YouTubeは団十郎が演じた助六ですが、連続9ビデオですべてを観賞できます。

助六

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ザックジャパンの秘密兵器は「おにぎり」      (mak)

2013-06-06 | 科学・生物
Tunein,com 先ずこのtunein.comをクリック(Ctrlを押しながらクリックすると別タブで開く)して、ブログを読む前に音楽を流しましょう。このインターネットラジオは世界中7万曲を網羅しており、選ぶのが大変ですので、お気に入りに小生が選んである中から選んでお試しください。

 


サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)がアジア杯を乗り切るため、疲労回復の秘密兵器として「おにぎり」を導入ししていると、新聞が報じた。


運動直後に、タンパク質(アミノ酸)と炭水化物(おにぎり)を同時に摂取すると、筋肉の破壊を防ぐ効果が大きいという分析がある。同時に、スタミナの源「グリコーゲン」を蓄える効果もある。運動終了後、時間が経過すればするほど効果が薄れるため、迅速な摂取が効果的。


我が浪漫倶楽部の畑仕事においても、昼食におにぎりを定番としているのは理にかなっていることになる。




そこで、如何においしくおにぎりを作るか?
そこで美味しいおにぎり の作り方について、ネット散策をした。

5月16日「ためしてガッテン」ー究極のおにぎり 新発想握り術ーで美味しいおにぎりをつくる方法が詳しく放映されていた。ここをクリック。
 
 この番組の言わんとすることは、ご飯の炊き方、美味しい塩を使うことは勿論だが、やはり握り方が決め手であるということ、
 出来るだけ炊き立てのアツアツのご飯をやわらかく中に空気を閉じ込めるように握るのがコツであるということに尽きる。3回程度握れば十分でそれ以上握るのは握りすぎとのことです。
 今までは、力をこめてしっかり握るのがよいと思ってたので、まったくの思い違いであったことになる。
次回の畑仕事が待ちきれず、早速美味しいおにぎりをつくってみたくなった。

 

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笹本恒子ー98歳のカメラウーマンの好奇心と情熱      (mak)

2013-05-27 | 科学・生物
知人から笹本恒子の事を知った。 98歳にして、心身共に矍鑠として、30歳は若く見える才色兼備、好奇心旺盛、チャレンジング精神を未だ持つ、すごい女性であると。
71歳にして、報道カメラウーマンとして再出発し、昨年9月に98歳になり、今や引っ張りだこの人気者となっている。彼女からすれば70歳なんて若者です。
今からでも遅くないという気にさせてくれる、元気を与えてくれる好奇心ガールです。
 今年は、パリ郊外の芸術家向け老人ホームを撮影する海外取材に行く計画をしているという。また、社会の片隅でいい仕事をしている無名の方々を撮り紹介したいとか、その視線はどんどん広がっていく。
 肉とワインが大好きで、毎日英語の勉強を欠かさない日課としているというから、こんな女性が世の中にいるのかと驚きである。


大分前から話題の人でしたので、ご存知の方も多いでしょう。興味をひかれたので、ネット情報から抜きだし引用してみました。




 笹本恒子氏は日本ではじめての女性報道写真家です。カメラをとおして戦時下の日本を伝え、戦後はフリーの写真家として活躍、その活動は半世紀を超えます。

 氏が初めてカメラを手にしたのは1940年、日中戦争の真っ最中でした。戦時下の情報宣伝の重要性を感じていた東京日日新聞(現毎日新聞)社会部の林健一氏が「日本は宣伝戦で立ち後れている」と、写真による国外宣伝機関「写真協会」を立ち上げます。そこでは世界各国の写真やグラフ誌をまとめる一方、国内のニュースや文化を広く海外へ発表していました。面白そうだから行ってみないかと知人にすすめられ、笹本氏は思いきって写真協会の門を叩きます。そこで出会った林氏の熱弁に好奇心をくすぐられ、何も知らない写真界に飛びこむ決意をしたのでした。「女性の目をとおして物を見る、女性だけが撮れる写真が必ずあるはず」、その言葉を胸に、男性ばかりの職場に少々怖気づきながらもシャッターを押し、報道写真家としての道を今日まで歩きつづけました。
 順調だったかに見えた仕事も転機が訪れた。毎日、現場に通ってトラックに乗り、撮影したという「60年安保闘争」が終わった頃、長年写真を提供してきた雑誌が次々と廃刊になったのだ。この頃、皇太子夫婦の成婚パレードをきっかけに、テレビが一般家庭に普及しつつあった。また写真家の数が増え、競争は激しくなる一方だった。気がつけば積極的に売り込まないと、仕事が得られない時代に突入していた。
 収入を稼ぐために、職を転々と変え気づくと1970年以降、写真の世界からは完全に遠のいていた。笹本さんが写真家としての復活を遂げるきっかけは、夫が末期がんで亡くなった後の71歳の時、1985年のことだった。昭和時代に撮りためた写真を素材にした写真展開催の話が、にわかに持ち上がったのだ。貴重な写真の数々を紹介した写真展は新聞でも紹介されて大成功。それをきっかけにフリーの写真家として再始動した。






女性社会派写真報道家としての腕前を発揮した写真:

女性だけを招待したストリップショー

ストリップショーが各地で上演されるようになったころ、本場浅草のある劇場では、
これは決して、いかがわしいものではないということを女性に知ってもらおうと、地元の
主婦や女性文化人たちを招待した。
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動物、植物のちがい   (bon)

2013-03-20 | 科学・生物
なんだ、これは・・! 
突然このようなタイトルで申し訳ありません。

 じつは、ずっと前から、気になっていてきちっと調べておこうと思いながら・・
しかし、こんなテーマだから延び延びになっていました。 
どうってことないのでお忙しい方は飛ばしてください。


どういうことかといいますと、植物は、枝の途中などを切ってもその付近から再び組織が再生されるけれども、
動物では、途中で折れたり切れた場合は、そこから再生されることはない。

昔、何かで読んだ話では、動物と植物の組織を建築に例えてうまく表現している言い方があり、
その部分だけ未だに覚えているのですが、つまり、動物のそれは“鉄筋コンクリート”で
植物のそれは“レンガ積み”に似ていると・・。

なるほど、鉄筋コンクリートの途中を切れば、そこから再生させることは不可能であるが、
レンガ積ならば、途中で壊れてもそこから新たなレンガを積んで行けば再生されると・・。

 で、ここでは、これだけではなくもう少し根本的な違いなどを調べてみました。

一般的な違いは、ネットの“知恵袋”にありました。

「(1)細胞壁があるかないか。あるのが植物、無いのが動物。

(2)独立栄養であるか、従属栄養であるか。独立栄養であるのが植物。従属栄養であるのが動物。

(3)盛んに動き回るかどうか。動き回らないのが植物(そのため独立栄養で生きていける)。動き回るのが動物(そうやって他の生き物を摂取するため従属栄養である)。

(4)異なる遺伝子が何万とあること。植物にしかない遺伝子が多い、動物にしかない遺伝子が多いなど。

(5)植物は光合成を必ずする。動物は光合成をしない。

 厳密に言うと、植物は土から栄養を摂取していますので、独立とも言いがたいし、それに、細胞壁がある動物も発見されるかもしれないし、細胞壁の無い植物が発見されるかもしれない。」
       植物の細胞壁
        (ウイキペディアより)


ちょっと横道にそれるみたいですけど、動物性プランクトンと植物性プランクトンと言ったりしていますが、
「そもそも生物の世界を五界に分ける、すなわち原生生物界、原核生物界、菌界、植物界、動物界の
五界に分けたとき、プランクトンは原核生物界の存在なので、これらは植物でも動物でもありません。」
ということだそうです。


上の分類で、難しい言葉が出てきましたので、ついでに調べました。

従属栄養生物(じゅうぞくえいようせいぶつ、)とは、生育に必要な炭素を得るために
有機化合物を利用する生物をいう。食物連鎖における消費者または分解者である。  
(中略)  動物・菌類のすべて、また細菌の多くが従属栄養生物である。
植物は一般には独立栄養生物であるが、寄生植物および腐生植物は完全または部分的に従属栄養に
変化したものである。食虫植物は生育に必要な窒素を虫から得ているが、炭素は二酸化炭素から得ているので、
独立栄養といえる。
従属栄養生物は無機化合物から炭素を得ることができないので、他の生物から有機化合物を得なければならない。」

 また、
独立栄養生物(どくりつえいようせいぶつ)は、無機化合物(二酸化炭素、重炭酸塩など)だけを
炭素源とし、
無機化合物または光をエネルギー源として生育する生物をいう。食物連鎖では生産者に当たる。

独立栄養生物は、エネルギー源により2つに分けられる:
•光合成独立栄養生物:植物やそのほか多くの光合成生物をいう。
•化学合成独立栄養生物:無機化合物(硫化水素、アンモニア、2価鉄イオンなど)を酸化して
エネルギーを得る細菌(化学合成細菌)をいう。」 

そして、
「独立栄養生物はあらゆる生態系の食物連鎖において不可欠の存在である。環境からエネルギーを取り出し、
生育に必要な有機化合物の合成に用いる。従属栄養生物は独立栄養生物またはその生産物を炭素源として利用する。
従って従属栄養生物である動物、菌類や多くの細菌などはエネルギーと栄養の両面で独立栄養生物に依存している。」


なるほど、そういうことか・・!  
当たり前に言えば平易な事柄でも、学問的に言うにはかなり難しい表現になるのですね。

さらに、ついでながら動物と植物の組織の成り立ち・・というか違いについて、
ネット上に詳しい分類がありましたので、その要点だけを引用しました。

動物組織の基本形は、 上皮組織、 結合組織、 筋組織、神経組織であり、 
植物の組織 は、 分裂組織、表皮組織、 通道組織、 機械組織である。

ここで、“上皮”は、皮膚や内臓などの膜(皮)で、“表皮”は、葉や茎の表面のことなんです。
そして、“細胞の分化”という働きがあって、植物の茎や根の細胞は、活発に体細胞分裂し、
特に決まった働きをまだ持っていない、“未分化な細胞”が存在している。
そして、未分化な細胞から構造や働きの異なる細胞ができ、それぞれの細胞が特異性を持つように
細胞の分化(細胞分化)を行う。

動物と植物の分化のちがいをまとめると、
 動物では、個体が出来たときには、ほとんどの細胞が分化を終えている。そして、未分化な細胞が各所に有り、
その細胞が分化し、その一方で、老化した細胞が組織から脱落する。

一方、植物では、常に未分化な細胞の集まりが存在していて、茎頂、根端、形成層に未分化な細胞の
集まりが有り、これが分裂組織を形成している。


なるほど・・・。

まだスッキリしない部分がありますが、まぁ、大体わかったような気がしました。



 今日は、春分の日で薄日でしたが近くの黒目川の桜を見に散歩しました。
桜はもう少しですが今年は早いですね。川では鯉が産卵の為でしょうか、時折バシャバシャと激しい音を立て
水しぶきを上げて流れをさかのぼっていました。
カルガモはそれを横目にゆうゆうと浮かんでいました。

    菜の花と東上線(電車は、副都心線)    振り返ると黒目川(桜堤)
      



















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六斎日   (bon)

2013-01-30 | 科学・生物

一か月のうち、人間は慎むべき日が6回あるという。 
この起源はインドに始まるらしいのですが、
六斎日(ろくさいにち)とは、1ヶ月のうち8日・14日・15日・23日・29日・30日の6日で、
前半の3日と後半の3日に分け、それぞれの3日を三斎日と称したようです。

今日は1月30日でこの日に当たるというのですね。

この日は、四天王自らが、または使いを派遣して人の善悪行為を調査して、その人が死ぬときは、
生前の行為によって苦楽いずれかの世界に送るというので、この日は特に行為を慎むのが良いとされているそうです。

 この思想は、古く大和時代の仏教伝来(538年または553年)とともに日本に来たもので、
民間信仰と深く結びつき後世に至るまで日常生活を支配したという。
六斎日には、鉦鼓を慣らし念仏を唱える“六斎念仏”が行われたとのことです。



また、話は変わりますが、宮城県の一部において古くから、2月1日を正月として祝う例があり、
その前夜である昨日1月29日と今日30日(まだ31日はなかった?)を初晦日(はつみそか)、
晦日宵などと呼ばれた。 いわゆる“年取り”行事として行われていました。

 ここで、この2月1日を“次郎の正月”とか“次郎の朔日(ついたち)”というのだそうです。
そこで早速、ネットブラウズして調べてみました。

「次郎の朔日とは、元日(1月1日)から起算して二度目の朔日の意で、東日本で2月1日のこと。
一日(ひとひ)正月。初朔日(はつついたち)ともいう。
また、“太郎の朔日(たろうのついたち)”という言い方もあってこちらは、中国・四国・九州などで
2月1日をいうそうです。 
つまり、1月15日の小正月から起算して、初めての朔日であるところから。ひとひ 正月。初ついたち。」とあります。

次郎やら太郎が出て来て面白いですね。 一説には、この“次郎”というのは、曽我兄弟の五郎の名前を
誤ったともいわれているようです。


 ところで、“朔日(ついたち)”つまり1日というのは、以前月の年齢(月齢)で、このブログにもアップした
ことがありましたが、新月と 満月のことから名づけられており、「朔」は1日、「望」は15日(陰暦の1日と15日)。
で、1日は朔で“朔日”=ついたち となるのですね。

朔望月という言い方があって、朔(新月)から次の朔まで、または望(満月)から次の望まで
の平均時間つまり29.530589日をいうのです。
またまた、話が硬くなってしまいました。












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映画 Les Miserables (mak)

2013-01-26 | 科学・生物

映画『レ・ミゼラブル』日本版予告編



今ヒットしている映画Les Miserables(レ.ミゼラブル)を映画館で鑑賞した。

 ビクトル ユーゴが1862年に書いた小説で、日本では明治36年に『噫無情』(ああむじょう)の題名で翻訳された。
世界43カ国、21ヶ国語で上演され、各国の劇場観客動員数記録を塗り替えるとともに、27年間という驚異的ロングランと6千万人を超える動員数を達成した伝説の大ヒット舞台ミュージカルの映画版。

あらすじ:
 格差と貧困にあえぐ民衆が自由を求めて立ちあがろうとしていた19世紀フランス。ジャン・バルジャンは、パンを盗んだ罪で19年間投獄された。
仮釈放されたものの生活に行き詰まった彼は、再び盗みを働くが、その罪を見逃し赦してくれた司教の真心に触れ、身も心も生まれ変わろうと決意。マドレーヌと名前を変え、市長の地位に上り詰める。
そんなバルジャンを執拗に追いかける警官のジャベール。そして、不思議な運命の糸で結ばれた薄幸な女性ファンテーヌ。彼女から愛娘コゼットの未来を託されたバルジャンは、ジャベールの追跡をかわしてパリへ逃亡。コゼットに限りない愛を注ぎ、父親として美しい娘に育てあげる。
そんな中、パリの下町で革命を志す学生たちが蜂起する事件が勃発し、誰もが激動の波に呑まれていく・・・。
 
 これは、ひとりの徒刑囚ジャンバルジャンが偉大なる聖人として生涯を終えるまでの波乱に満ちた物語であり、その底を流れているのは、永遠に変わることのない真実の『愛』である。
 
 あまり期待せずに映画館に入ったのですが、最後のシーンで涙が出て、感動させられました。

イギリスのTV番組 I got Talentで2007年の優勝者Paul Pottsと2009年のSusan Boileの素晴らしい歌声に大喜びの審査員と聴衆者:




奇跡の歌姫Susan" Boile I dreamed a dream"を歌う。下の画像をCTRLを押しながらクリックすると、Youtubeの動画が別タブで開きます。

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