カレンダーも薄くなりましたが、“正月飾り”ではありません。
天皇陛下の生前退位についての有識者からのヒヤリング結果を読んで、フトそんな風に感じ
たのです。
大勢の識者の中から、選りすぐられた有識者の皆さんの深く考えられた中での意見ですから、
私なんぞの浅才凡人がとやかく言えるはずもありませんが、何ともストンと合点が行かない
のです。 座長代理の御厨貴氏の記者会見で「何対何でどっちが勝ちとの見方はしていない」
とのコメントにあるように、点数での考えには馴染まないとされていますが、全くその通り
だと思います。
これまで第2回のヒヤリング結果では、11名中、退位を認めるが5名、認めないが6名でした。
退位には反対、天皇は象徴として安定であるべき、摂政で十分である、公務を軽減すれば
よい・・などの意見にはどうしても賛同しかねるのですね。これらの意見の基にあるのは、
天皇は世襲制で、途中退位などはあり得ない、揺るぎないものとして、体力などの理由で
十分公務が果たせない場合には、代理(摂政)で行うか、公務そのものを減らすという合理的
な見方だと思うのですが、これは天皇という存在を形式的なものとして捉えられているのでは
ないかと思うのです。 いわば、天皇は、その代にある限り、不変として、実行にあっては
代理などと考えるのは、すなわち天皇をお祀りしているのであって、言い換えれば“お飾り”
として扱っているのに等しいのではないかと思えるのです。
「天皇は、宮中にあって国と国民のためにお祈りくだされば、天皇の仕事は本質的に十分
なさったことになる。」などの意見は、そのような心を垣間見た感じで許せないのです。
先のビデオによる天皇の“お気持ち”の深遠なる象徴としてのあり方を追求された真意は
汲み取られていないのではないでしょうか? 単なるシンボルとして祀り上げておけば良い・・
という考えに終始しているのではないか・・などと苦言を呈した次第です。
この30日には、憲法の専門家5人から意見を聞き、計3回にわたるヒヤリングを終わると
ありますから、総合的にどのような結果となるのでしょうか。
雨で直接見ることが出来なかったスーパームーンの十六夜版です。
(11月15日23時頃、天中東寄り ベランダより)