蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

不思議な日本語(31) (bon)

2022-11-28 | 日々雑感、散策、旅行

 サッカーW杯は、初戦、強豪ドイツを逆転勝利した勢いで昨夜のコスタリカに臨
みましたが惜しくも敗退しました。 ドイツ-
スペインが1-1のドローでしたので、
決勝トーナメントに進出できる可能性はあります。奮起して、スペインに勝利した
いです。

 大相撲九州場所では、本割で高安―阿炎が対戦し、阿炎が勝ち3敗同士となり、
26年ぶりの優勝決定巴戦となりました。阿炎が2連勝し初優勝に輝きました。高安
はまたしても優勝には届きませんでした。

 不思議な日本語、少し長くなりましたがお許しを・・。

 

 ・水引 御祝い事に使う袋や包装紙の上に紅白や彩のある和紙の糸で編んだ飾り
紐のアレです。  この水引には3つの意味があるそうです。 1つ目は開封されて
いないという未開封を保証する意味、2つ目は魔よけの意味、3つ目はひもを引いて
結ぶということから人と人を結びつけるという意味なのだそうです。  現在では
特に、3つ目の意味合いで使われることが多いようです。

       水引例
        (ネット画像より)

 起源は古く飛鳥時代に溯り、遣隋使として派遣された小野妹子が持ち帰った隋から
の答礼品に、紅白に染められた麻紐が結ばれていたことがはじまりだとありました。
以来、平安時代の宮中で贈答品の装飾として水引が使われるようになり、さらに武家
社会においては、丈夫で水にも強いことから元結(武士の髪を結ぶ紐)としても使
われるようになったそうです。現在でも大相撲の髷(まげ)に使用されていますね。

 水引の語源は諸説あるそうですが、漲り水で打って引き締めることから「水引」と
呼ばれるようになったや、和紙をこより状にしたものを水糊で固める製法から「水引」
と呼ばれるようになったなどがありました。
 形から、水が引いた(流れている)ようにも見えるからそのように言うのかと思っ
ていましたら、意外に、その製法にあったのですね。(もっと風流かと思っていま
した。)

 全国の水引製品のおよそ7割を長野県飯田市が生産しているそうです。 これを
飯田水引と呼んでいるそうです。もともと飯田は和紙の製造が盛んで、江戸時代に
普及した元結を当時の藩主が和紙を活用して作らせたのが始まりだったようです。

 元禄年間に、美濃から招かれた紙すき職人・桜井文七という人が、当時の弱く扱
いにくい元結を改良して、光沢のある丈夫な元結造りに成功し「文七元結」の名が
全国で知られるようになったそうです。

 飯田のほか全国の水引紐・細工の産地は、愛媛県四国中央市(伊予水引)、石川県
金沢市(加賀水引)、京都(京水引)などがあるようです。

 水引の形(結び方)とその意味はよくご存じですが、おさらいをしますと、

       (ネット画像より)

 上図で、基本的には、上に開いた形の結び切(一度だけの時)と下に開いた
結び
(何度でも)があり、結び目のところを工夫した鮑結び(あわじ結び)や梅結び
などが一般的です。そしてこの紐の本数も5本、7、10本などがあります。 色も
慶事には紅白、金、銀など色物が使用され、弔事は白黒が一般的ですね。 慶事で、
結び目をいろいろとデザインして豪華にした水引なども多くの種類があるようです。

       デザイン結び
        (ネット画像より)

 

 ・お膳立て 「お膳立て」の「お膳」とは、調えられた食事や料理、もしくは
料理を乗せる台のことですが、これに「お」が付いて食事を出す相手を敬って丁寧
に表わした表現となりますね。「立て」は名詞の後に付くことで、取り立ててその
ことを行う様子を表します。「かばい立て」などもあります。
 子供の頃、夕飯などの時に、「~ちゃん、お膳立てしてくれる?」みたいに使わ
れていたことを想い出しました。

 しかし、最近ではこのような使われ方はあまり見られないというか、むしろビジ
ネスシーンで「お膳立て」の言葉が使われているようです。 これは、たくさんの
人に料理を準備する時に、お膳に乗せて運ぶと効率がいいことから、「お膳立て」が
「準備しておくこと」を意味するようになり、それが単に準備に対して使われる言
葉よりは、どちらかといえば人が見えないところで先回りして準備を行う場合に、
その行動に対して使われるようです。

 例えば、プレゼンテーションが成功するように、周囲の人が裏で準備を整えてお
くような状況での行動を指しているようです。「プレゼンテーションが成功できた
のはAさんのお膳立てのおかげだ」、「あのおばさんはお見合いをお膳立てするのが
趣味だ」などがあります。

 また皮肉っぽく「明日のプレゼンテーションに役立てばと思いお膳立てしておい
たよ」などと使われることもあるようです。

「お膳立て」は目上の人に対して自分の行動を報告する場合や、葬式の準備などの
不幸ごとには使わないのが普通ですね。

 

 ・尾根  山の峰と峰を結ぶ稜線のことですが、「尾」も「根」もどちらかとい
えば下の方みたいなイメージがありますが、どうして山の高いところを指す言葉に
なっているのでしょうか?
 屋根もありますね。こちらも、家屋の上の方の瓦などが葺かれている部分ですね。

         (ネット画像より)

 「尾」も「根」も細く長く伸びた・・イメージというのがあり、確かにそのよう
な意味ではあるようですが、山のてっぺんという意味が含まれないですね。

 デジタル大辞泉に、「根」をしらべてみましたら、「物事の基礎、土台」「地に
根差している、立っている」の意味があり、例として、「垣根」「屋根」「岩根」
さらには「性根」などがありました。 また、日本国語大辞典の「尾」の項に、
「山の裾野の延びた所。ふもと。山裾。」があり、こちらは、尻尾のイメージ通り
ですが、これらから。山の裾野に続く元がその頂きであり、「尾根」が生まれたの
かもしれないと想像してみました。「屋根」については、家屋のもとにあるところ
の意で、「元」とは、土台ではなくその頂き(トップ)を指していることになります。

 あまりしっくりとしなかったのですが、不思議な言葉ですね。

 

 ・猫も杓子も 意味は、誰も彼も。なにもかも。ということですが、語源由来
辞典に、その出典がありました。すなわち、寛文8年(1668年)の『一休咄』に
『生まれては死ぬるなりけりおしなべて 釈迦も達磨も猫も杓子も』とあり、それ
以前から使われていたことが分かります。この「猫も杓子も」の語源は正確には分
からず、諸説あるとあります。
 1、猫は「神主」を表す「禰子(ねこ)」で杓子は「僧侶」を表す「釈氏・釈子
(しゃくし)
」で、「禰子も釈氏(神主も僧侶も)」から変化したとする説、2、
猫は「女子(めこ)」、杓子は「弱子(じゃくし)」で「女も子供も」が変化した、
3、「寝子も赤子(せきし)」で「寝る子も赤ん坊も」などやこの他にもありまし
たが、1の説が有力かもしれません。

         (ネット画像より)

 しかし、面白いですね。釈迦も達磨も、神主も僧侶も‥なんて、まあ、一休さん
ですから!?
 この意味の言葉を現代語でいえば、誰も彼も/どいつもこいつも/エブリワン/
皆が皆/誰もが皆/あの人もこの人も/誰でも/どんな人も/あらゆる人々/老い
も若きも/揃いも揃って/一人残らず・・なんでしょうか。

 

 ・しょうもない 意味は、つまらない。くだらない。とるに足りない。ですね。 
 言語由来辞典に、『本来「しうもない(仕様もない)」で、発音のしやすさか
ら変化したもの。「仕」は当て字で、動詞「為る(する)」の連用形「し」。「仕
様」は「するさま」のことで、方法や手段を意味した。しうもない(しようもな
い)は、手段や方法がないことを行おうとしたり、考えたりするのは無駄なことな
ので、「つまらない」を意味する』とありました。

         (ネット画像より)

 関西方面では、「しょうない」と発音する場合が多いようです。普通言葉では、
「しょうむな!」などと言い捨てる感じに使われることがあります。また、金沢あ
たりでは、「しょむない」という言葉があります。音だけ聞くとどうしても「しょ
うもない」に聞こえるので、
「くだらない」とか「ばかばかしい」のようなニュア
ンスで伝わるかもしれませんが全く違う意味なんですね。これが・・! 意味は、
「味が薄い」「水っぽい」という意味なんです。

「この味噌汁しょむないわ!」

 

 

As Time Goes by (From "Casablanca")

 

 

 

コメント (2)
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