どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(90)

2009-02-16 04:26:14 | 自然
     
      噴火後の浅間山

 東京で気温が21度を超えるとの予報につられて、土曜日から北軽井沢に行ってきた。
 温泉に浸かり、畑の手入れや荷物の整理をしたいとの思いもあったが、2月2日と2月9日に噴火した浅間山の、その後の様子を知りたいというのが第一の理由であった。

 軽井沢の町に入って大きく見え始めた浅間の山頂には、予想に反してほとんど噴煙が上がっていなかった.
 もともと、こちら側から見る山肌は穏やかで、優等生的な印象を与えることが多いのだが、いつにもましてなだらかで拍子抜けするほどだった。

 街中でさえ気温15度を表示する暖かさのせいか、それともマグマを抱える地熱も加味してか、山腹は雪が解けてまだら模様になっている。
 眺めているうちに、『まえちゃんねっと』の凄い映像が頭をよぎり、活動は小休止しているだけと思い当たり、かえって不気味な感じがしてきた。

 テレビや新聞で大々的に取り上げられていたから、『まえちゃんねっと』の存在は多くの人に知られることになった。代表者は前嶋美紀という人で、一躍時の人になってしまった。
 浅間のほかにも監視カメラを各地に設置してあり、リアルタイムの映像を送ってくるそうだ。
 日本だけでなく、オーロラの映像まで見せてくれたから、世界のここぞと思う場所には前嶋氏開発のシステムが置かれることになるのかもしれない。

 ともあれ国道146号も、鬼押し出し方面への有料道路も開通していた。二週間前の大騒ぎは嘘のようで、とりあえずほっと胸をなでおろした。
 眠さと共にくしゃみが出たのは、春爛漫を思わせる陽気と花粉のせいだろう。こんな具合じゃ、真夏の東京が思いやられるのだが・・・・。

 大事にしている太郎冠者の樹は、冬囲いの甲斐あって無事に冬越えできそうだ。去年はあまりの寒さで葉一枚残らず、枯れ木状態になってしまった。
 枝を全部切ってからの復活だから、ことのほかうれしい。
 今シーズンは無理でも、次の年には奥ゆかしい花をつけてくれるかもしれない。艶々した葉っぱを見ていると、大いに希望が湧いてきた。

 帰りがけに浅間山の写真を撮った。
 ポイントは限られているので変わり映えはしないかもしれない。
 それでも嬬恋方面、北軽井沢方面から見ると、朝のうちならヨーロッパアルプス的な山容を楽しめる。
 彫りの深い、男前の山なのだ。

 今回も満足して帰路に着いた。
 土曜の夜は、北軽井沢の広場で<火のまつり>といったイベントが行われたようで、花火がボンボン上がっていた。
 冬の花火もいいもんだと思いつつ、食事時なのと温泉疲れで見に行く気力は残っていなかった。
 雪だるまを模ったのか、ビニール製の置物が会場入口にまだ並んでいた。
 いずれ撤去するのだろうが、酪農関係者の手づくり風のにおいがして苦心のあとが偲ばれた。

 

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1 コメント

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浅間山を活写 (くりたえいじ)
2009-02-17 17:07:53

最新の浅間山の映像を見させてもらうと、ほんとに惚れぼれしますね。「男前の山」とはよく言ったもので、まったく同感。

それでも「浅間山が噴火」の第一報に接した時は、やはり驚かされました。桜島も同様でした。
活火山、健在なりを思い知らされたからです。強いては、日本列島はやはりマグマを抱えているんだという実感。

でも、北軽井沢にも新たな春を迎えるのは、もう間近でしょう。
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