今日は紀元節と言って国を挙げて祝った日であったことを知る人は少なくなった。
小学生の頃、普段はボロを纏っていてもこの日ばかりは、ふだん着ない樟脳の匂いする羽織袴で登校し校長先生が奉読する教育勅語や、神武天皇の話など謹んで聞くのが恒例だった。その時歌った歌、今でも懐かしさとともに歌唱することができる。
雲に聳ゆる 高千穂の。
高根おろしに 草も木も。
なびきふしけん 大御世(おほみよ)を。
あふぐ今日こそ たのしけれ
その式典も終戦とともに絶えたが、善し悪しは別として想い出の一つである。
ところで母に着付けてもらって心が引き締まったあの羽織袴どうしたのだろう。