さてさて、冬の仙台巡りも終盤戦。鳴子温泉から車で一路東へ向い、登米市へやってきました。
一緒に「髪の毛ぬすみ」を読んでいる友人のひとりが、「なにやら古い街並みが残っているらしいぞ」という情報を手にしたのでやってきたわけです。
古い商店街には「呉服屋」の看板。いまはもうやっていないのかな。建物のうしろがチラッと見えております。旧式の日本家屋に、通りのほうだけ洋風の作りにしてあるこういう建物、むかしはよくありましたよねェ^^
古い街にはよくこんな造りの蔵があるもんですね。
何が入っているのやら…。
われらが行程です~。
「髪の毛ぬすみ」
髪の毛をひと房切り取られてしまったベリンダちゃんは嘆きます。まわりにいる
無数の妖精たちも、すっかり落ち込んでいます。事件があった次の章は、まるまる
その悲しみの描写ばかりが続きます(^益^;ナガイヨ
Oh Had I rather un-admir'd remain'd
In some lone isle, or distant Northern land;
Where the gilt Chariot never marks the way,
Where none learn Ombre, none e'er taste Bohea!
There kept my charms conceal'd from mortal eye,
Like roses, that in deserts bloom and die.
What mov'd my mind with youthful Lords to roam?
O had I stay'd, and said my pray'rs at home!
ああ、むしろ私は称賛されることもなく、
どこかの寂しい孤島とか、遠く離れた北の国にいればよかった。
そこでは金に飾られた馬車が道にわだちを残すこともなく、
誰もオンブルなどを覚えたり、紅茶を味わったりすることもない。
そこでは私の魅力も人の目からは隠されているの。
まるで砂漠の真ん中で咲いて散ってゆくバラのように。
どうして若い殿方たちと戯れようなどと考えてしまったのかしら。
ああ、むしろ家にいて、お祈りでもしていればよかったんだわ!
朝から嫌な予感はあったのです。つけぼくろを入れておく箱は3度も手から落ちるし、陶器は風もないのに揺れたりしたし(妖精たちが一生懸命伝えようとしてたわけですね)、インコは黙ってるし、子犬は機嫌が悪かった。私の雪のような白いうなじに美しさを添えていたあの髪は失われた。もう巻いてもらうこともないあの髪を、あの男が戦利品として、冒瀆の手で持っているんだわ!
くっくっくっ、くやしーーーヽ(`益´)ノ 。゜(゜´Д`゜)゜。ウァァァン
じつわこの話、じつわだったのです。。。
とある貴族の男性が、とある貴族の女性の髪の毛を、ホントにひと房切っちゃったんです。これは家同士の大ごとに発展してしまいました。そこで大詩人ポープ先生の知り合いが考えた。これを詩にしてもらって、なんとか笑って丸く治められないかと。そしてポープ先生はこの詩を書き上げて、出来た本の序文で、その怒り嘆いている女性に話しかけたのです。「軽はずみなことには気をつけましょう。そして笑っちゃいましょう。この話に出てくる女性は、すばらしく美しい、という点を除いてはあなたと関係ありません。楽しんで頂ければ嬉しいです。あなたの心からのしもべより。」
こんなふうに言ってもらって、大詩人の書いた楽しい作品の主人公にしてもらっては、そりゃあもう怒れませんよねえ?さてさて次は最終章。ポープ先生、どう結末をつけるのか?(^益^)