さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

英国からアイスランドへ 2

2010年04月14日 | アイスランド

 薄暗い静かな朝もやの中を駅へ向かって歩き、ニューカッスル朝一番6:30発のグラスゴー行きの列車に乗る(アイスランドへの飛行機は、スコットランドからが便利だった)。グラスゴーについたらすぐにタクシーに乗り、それでも飛行機が飛ぶ1時間前というぎりぎりのスケジュールなので、よくある列車のキャンセル、遅れが心配であったが、なんとか予定通りに出発、まずはひと安心である。
 列車でウィリアム・モリスの「アイスランド旅行記」を読む。それは100年以上も昔の話だ。当時モリスはロンドンのキングス・クロスから夜汽車に乗って、船の出るグラスゴーへ向かっている。途中列車内で夜が明け、ニューカッスルを通過するが、あまりに汚ない街なので、彼は列車で通過するだけでも気分が悪くなり、ひどく気が滅入ったという。
 私の住んでいたニューカッスルは、産業革命前の港街であった頃は景気もよかったらしいが、その後すたれて大変汚れた街になったらしい。現在はかなりきれいになっているけれども、その場末の面影はよおく残っている。というわけで、モリスの旅行記を読み始めていきなりガクッとさせられた。しかしモリスは秘境の旅をだいぶ楽しんだようである。彼はアイスランドへ向かう途中の船上でオーロラを見たという。それを読んでわくわくする^^
 
いつも通り、英国の列車は丘が続く田園風景の中を走ってゆく。次第に夜が明けてきて、進行方向に虹が見事なアーチを作っているのが見える。地面から地面へ、色鮮やかにくっきりと現れている。それは半円というより、ほとんど円だ。最初は地面から外に広がるように上がってゆき、途中から垂直になり、さらに屋根を作り、反対側に降りてゆく。その虹の輪を列車はくぐり抜けようと走ってゆく。
 子供の頃、虹をくぐろうと追いかけていった記憶をもつ人はいないだろうか。そんなとき、速い乗り物に乗って虹に向ってみたいと思ったことがある。それがそのときに実現したのだ。しかしいくら進んでも距離は縮まらず、いつまでも前方にアーチが見えていた。
 
やがて列車はグラスゴーに到着。すぐにタクシーに乗り、空港からアイスランド航空でレイキャヴィークへ。行程は一路北へ2時間半と短い。インフォメーションで溶岩の大平原の真ん中にある温泉ブルー・ラグーンの話をすると、そこに隣接したホテルに電話予約を入れてくれた。15分で迎えに来るという。実に楽だ。空港の外に出てみると、やはり少々寒い。一面の雪景色とはいえ、しびれるような寒さではない。今年のニューカッスルの冬より暖かいぐらいだ。
 
イングランドのニューカッスルは、緯度で言えばモスクワと同じくらいだ。日本近辺で言えば、稚内を越えてロシアに入り、あの縦に長いサハリンをずっと北に行き、その最北端あたり。冬至をはさんだ3~4ヶ月は、ほとんど太陽を見ない生活になるのです。
 アイスランドとくれば、サハリンを通過してオホーツク海に出て、それからツンドラの広がるロシアに上陸して、それをまたずんずん行った北極圏です。しかし、真冬でも首都レイキャヴィークの気温は秋田市と同じくらいと聞いたら驚くでしょうか。メキシコ湾から流れる暖流のおかげで、冬の平均気温は実にウィーンより高いのです。


朝もやのニューカッスル中央駅



4 コメント

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虹を電車でくぐりぬけ・・ (ゆくえ)
2010-04-14 10:28:40
写真、すごく綺麗
輪のような虹を電車でくぐりぬけるところも一緒に味わえた気分
良く見つけたねぇ
さきちさんの旅を祝福してるみたい
気温のお話はとっても意外でした
100年前の旅と同時進行してるのもとっても面白いデス
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くぐりぬけ・・・られなかったの^^; (さきち・)
2010-04-14 22:47:32
虹はくぐりぬけられなかったんだよォ。その美しい姿に魅了されて追いかけてはみるけれど、いつまで追っても距離は縮まらない。。。
あ~、これって…(*´`*)
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あぁこれって? (きなこ)
2010-04-22 09:52:47
のあとは?w

虹は、科学的に解説されたらそれまでだけど
とても神秘的だよね
天国に続く橋とかって聞いたことあるし

くぐりぬけ…で思い浮かんだのが
「通り抜け」

この年になるまで花見のことだと知らず
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のあとは…*゜益゜* (さきち・)
2010-04-23 00:02:04
美しさに魅了されて追いかけてはみるけれど、いつまで経っても距離は縮まらない。そのココロは…決まっているぢゃないですかぁ~(^益^;
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