テルチより2時間の移動、到着したのはチェコ・南ボヘミア州に位置する小さな街で、1992年に世界文化遺産に登録された水と緑に恵まれた世界でも最も美しい街「チェスキー・クルムロフ」(歴史地区)である。古都チェスキー・クルムロフは中世(ルネサンス様式)の街並みがそのまま残り、ルネサンス時代を色濃く残しておりここを訪れずしてチェコは語れないといわれる。川岸や建物の屋根にはまだ雪が残っており手がかじかむような寒さである。まずは展望台よりS字型に湾曲した「ヴルタヴァ川」、時間が止まってるかのように静かに流れるヴルタヴァ川の雪景色を背景に沿って溶け込むかのように建ち並ふカラフルな建物、前方には美しい町並みの上に誇らしげに聳え立つ「チェスキー・クルムロフ城」(城館)の壮大な景観が訪れた者の心を虜にさせる所以だろうか?まるで古い油絵か絵葉書の中に入り込んだかのような魅惑的な本当に美しい街である。(1401)
展望台から右方向に進むと近くにはゴシック様式の「聖ヴィート教会」(1439年創建)とホルニー通りの突き当り、町の中心「スヴォルノスティ広場」がある。この広場には「マリア記念柱」や「市庁舎」、「銀行」、「レストラン」、「観光案内所」などが建ち並んでいる。この広場を抜けるとここチェスキー・クルムロフでももっとも賑やかなストリートが待っている。その入口にある「床屋橋」からのヴルタヴァ川の眺めは絵葉書のように美しい。橋を渡ると「チェスキー・クルムロフ城」へ向かうなだらかな石畳の坂の両側にはカラフルな土産物店、レストラン、ガーネットやモルダバイト、琥珀というかつて特産だった石のアクセサリーれアクセサリーのお店が建ち並んでいる。深い森と大きく弯曲したヴルタヴァ川の蛇行地帯に守られるようして佇むこの町は現在に至るまでほぼ当時の様子をそのまま残しており中世建築の宝庫と言っても過言ではないようだ。この通りを過ぎるといよいよ「チェスキー・クルムロフ城」である。(1401)
円形の門を潜り城内へ入場。そこには眼前に悠然と聳え立つ「チェスキー・クルムロフ城」が視界に入ってくる。間近で見るとその荘厳さ豪華さがひしひしと伝わってきて圧倒される。チェスキー・クルムロフ城はチェコの有力な貴族によって14世紀に建てられたお城でチェコではプラハ城に次ぐ大きな城である。城内には時代ごとに異なる様式で作られた部屋やバロック調の劇場、陶器や絵画などの美術品が展示されているという。第4の中庭から洞窟ギャラリーの前のトンネルを潜るとプラーシュチョヴィー橋の上に出る。この3層のアーチを持った石橋は「城の橋」と呼ばれ、城の上層部と城の庭園をつなぐ橋である。深い谷によって分断されていた上層の城館部分と第四の中庭、城の劇場、城の庭園を結ぶ架け橋となった。チェスキー・クルムロフ城郭の廻りに残る雪原からの眺めもまた旅人の撮影心をくすぐる風情ある景色を創り出している。この町の中心的な建物である「チェスキー・クルムロフ城」とともに中世の町並みを守り造り上げてきた思いこそ人類の真の文化財産に値する町のように思える。こうしてチェスキー・クルムロフを最後にチェコの旅もついに終わった。(1401)