横浜市中区山下町一帯約20ha内にあるチャイナタウン「横浜中華街」は日本最大かつ東南アジア最大規模で、日本では神戸南京町、長崎中華街とともに三大中華街とされている。そのタウンエリア内に主神の三国志の関羽の他に4体の神様を祀る中国式寺院「横浜関帝廟」と世界各地の華僑、華人に信仰されている海の女神「媽祖」と他4体を祀った寺院「横浜媽祖廟」がある。「横浜媽祖廟」は道教の神様を祀る廟で正式な名称は「横浜大天后宮」である。平成18年(2006)に開港から150周年を迎える横浜の新名所として横浜中華街の一画に明治時代の清国領事館の跡地である山下町公園に隣接する形で落慶開廟した。道教では歴史の中で実在した人物が亡くなったあと天に昇って神になる。「媽祖」は道教の神々の中で位の高い女神であり、最も人気のある崇拝神の一人である。台湾最初の官建の台南市大天后宮より分霊された。媽祖信仰について「媽祖」は北宋時代に実在した福建省・林氏の娘であり、生まれて1か月も泣き声をあげなかったため「林黙娘」と名付けられた。幼少のころから才知に長け、10歳のころには朝晩の念仏を唱えたという。上海路、中山路、福建路の他地名を冠した交錯する路地に連なる500点舗と二つの信仰場所は横浜華僑華人の拠り所としての歴史が重なっている。(2204)
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