大和市下鶴間、矢倉沢往還(大山道)の下鶴間宿があったところに大和市指定重要文化財施設である「下鶴間ふるさと館」(2006/4開館)はある。この「ふるさと館」には江戸末期に薬など雑貨商を営んでいた「旧小倉可光家住宅」の母屋と白壁の「土蔵(袖倉)」を復元した建物が移築されている。宿場の商家建築としては県内でも数少ない建物で、「母屋」は江戸時代の建築遺構で木造銅版葺きの「入母屋造り」、「四間取り」となっている。平成7年の解体調査の際、ザシキの床板から見つかった墨書きの落書には「安政3年」(1856年)という年紀のほか、大工と思われる「石田利三良」という名前、さらに黒船の絵などが書かれている。「下鶴間宿」には紺屋、げんこく屋、かたい屋、そば屋、馬喰等の屋号を持った染め物屋・居酒屋・餅屋・質屋などの商家、山本屋・松屋・三津屋・松葉屋・角屋・ちとせ屋など20軒の旅籠があった。この宿場が賑いをみせたは幕末頃である。矢倉沢往還は宿場の中で瀬谷と町田を結ぶ通りと交差してることから、その辻には「高札場」があった。これは幕府や領主が決めた法度や掟書などを木の板札に書き人目の惹くように高く掲げておく場所であった。(2106)
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