神奈川県の野球の強豪京浜高校で補欠選手だった青野雅人と、一般入試組の友人小林伸広ら野球部仲間たちの青春小説。
映画「ひゃくはち」の原作ですが、映画とは違って主人公の青野君は頑張っても絶対試合に出れないというレベルではなくて時々は試合に出ますし、甲子園での試合の場面も描かれてますし、ノブが雅人と同じポジションに転向して補欠を争うエピソードもないし、佐々木純平のポジションは外野手です。それに新聞記者なんか出て来なくて相馬佐知子は青野君が高校時代に合コンでナンパして社会人になって再会した彼女だったりします。
ですから、映画のような試合に出れないのにどうして野球を続けるのってテーマではなくて、普通の高校生としての青春グラフィティと悩み、野球に賭ける青春の重みと選択といったあたりがテーマになります。特に終盤、3年生の夏の甲子園前にノブが中学時代からつきあっている彼女を妊娠させて中絶しないって頑張り、困惑して動揺するチームの中で、雅人が野球・甲子園をとるのか友情をとるのかに悩み決断するクライマックスにそれが典型的に現れます。
ただ、小説としては、野球のシーンの方が読んでいて面白いのですが。
早見和真 集英社 2008年6月30日発行
映画「ひゃくはち」の原作ですが、映画とは違って主人公の青野君は頑張っても絶対試合に出れないというレベルではなくて時々は試合に出ますし、甲子園での試合の場面も描かれてますし、ノブが雅人と同じポジションに転向して補欠を争うエピソードもないし、佐々木純平のポジションは外野手です。それに新聞記者なんか出て来なくて相馬佐知子は青野君が高校時代に合コンでナンパして社会人になって再会した彼女だったりします。
ですから、映画のような試合に出れないのにどうして野球を続けるのってテーマではなくて、普通の高校生としての青春グラフィティと悩み、野球に賭ける青春の重みと選択といったあたりがテーマになります。特に終盤、3年生の夏の甲子園前にノブが中学時代からつきあっている彼女を妊娠させて中絶しないって頑張り、困惑して動揺するチームの中で、雅人が野球・甲子園をとるのか友情をとるのかに悩み決断するクライマックスにそれが典型的に現れます。
ただ、小説としては、野球のシーンの方が読んでいて面白いのですが。
早見和真 集英社 2008年6月30日発行